今江克隆のルアーニュースクラブR「梅雨最強エラストマーワーム降臨!『ポッパーマウス』の特徴とカンタン激釣れな使用法を紹介」の巻 第1151回
本格的な梅雨に入って蒸し暑い日々が続くが、産卵を終えたバス達はアフター回復時期となり、積極的にエサを追い求めるシーズンになった。
イマカツ的にもコロナ禍による海外サプライチェーンのひどい納期遅れに悩まされていたが、ようやく、ホンマにようやく、アフター回復バス同様、確かな回復の兆しが見えてきた。
その中でも、この梅雨時期最強ともいえる期待のエラストマーワームである「ポッパーマウス(旧称:カバーラット、エラストマウス)」が、一年遅れながらこの梅雨時期にデビューできそうだ。
「ポッパーマウス」の特徴
もう一年前から、ここでも幾度も登場しているが、大得意な「野良ネズミ」をリスペクトし、今江的オリジナルとして「野良ネズミ」とはまた違うベクトルで開発してきたのが「ポッパーマウス」だ。
まず、この「ポッパーマウス」の特徴としては、シルエット的な特徴では出っ歯なマウスカップが目立つが、特に今回先行デビューするスピニングサイズは、動かした時に完全に梅雨の風物詩「手長(テナガ)エビ」の水面逃走をリアル表現できるよう、あえて細身のシルエットにデザインしている。
ゆえに「ポッパーマウス」は、ネズミという名前ながら、アクションの基本はエビを意識するためのデザインなのだ。
そして、読んで名の通り、まずは高速ドックウォークをしながら小さなシルエットからは想像できないほどのスピッツ(唾吐き)を発生させることで遠くのバスにその存在を気付かせる能力を強化している点が、大きな機能的特徴だ。
同時に一点でネバる断続的なテーブルターンが非常に得意で、スロー展開することで一発一発のポップサウンド、飛沫があきらかに増すので、小さいボディにもかかわらず、かなり強力に存在感をカバーの奥の奥で時間を掛けて発揮できるようにデザインしている。
ゆえに、高速水面ドッグウォーク(DW)のみならず、バスに存在を気付かせるポップサウンドアピール力に加え、同時に虫ワームのように繊細にスローにもネバれる性能が最大のウリである。
ちなみに、まだあまり具体的に言いたくないのだが、浮くマウスを沈めてもヤバいです。
ブラシガードが効果的
そして、一見ショボそうに見えて実はめちゃくちゃ実戦で効果的なのが、背中から生えてる太めのブラシガードだ。
エラストマーは、その強度ゆえにフックポイントをワームのように埋め込むとフッキングが非常に悪くなる。
だが、柔らかいエラストマー素材にすると、今度はアシやレイダウン奥にスキップしまくってハードトゥイッチするとどうしても「フックズレ」が起きる。
そこで十分な耐久力のある素材に、スリットだけではカバーしきれない針先をガードするための工夫が適切な角度と硬度で配置した「ポッパーマウス・オリジナルポイントガード」だ。
これがあると、特にアシの奥の奥や露出したオーバーハングバンクの木の複雑な根っこに、スキッピングでワームがぶつかった衝撃で瞬時に起こる「即死根掛かり」を高確率で防ぐことができる。
神スキッピングでカバー超絶奥の奥奥、土手壁まで滑り込ませれた!と思った瞬間、「えーマジかよって!!」叫びたくなるエラストマーワームにありがちな即死根掛かりが防げる恩恵を実感してもらえる極めて有効な工夫だ。
「スキップ陸載せスタート」がビッグキモなこのテのルアーで、初手から根掛かりしたのでは、全て台無しなのでね。
同時に、フッキングに関してまったく悪影響を与えないことも実戦で硬度角度を調整しつくしたピンガードの威力である。
カンタンで釣れる使い方2選
使い方の基本は二通り。
一つは、カバー奥の奥にスキッピングで滑り込ませて、最奥に入った瞬間から返す刀でカバー外へ高速逃げのハイピッチドックウォーク、いわゆる「スキップ返し高速DW」。
この場合、結構カバーからバスが追って出てきて、ボートに近づいてきた何もない水面で突然爆発することが多いので、絶対に手前まで気を抜かないこと。
高速アクション時は、可能な限りPEラインを水に付けないこと、PEラインで水を叩かないことがアクションにとっても、バイト増加にとってもとても重要なキモです。
もう一つは、カバー奥に入れ込んだら波紋が切れるまで放置。この時点でスキップに驚いたバスがちょっと逃げたとイメージする。
で、水が落ち着いたら移動を抑え、ていねいに優しく、ちょっと強めにスピッツ&ポップサウンドで1~3回気付かせ、また静止。ここでガバッて出なければ、もう一回ボコンってサウンドを出してからの全速でカバー外へ逃走。これでスイッチ入ることも多く、この場合もカバーから出て何もない水面でドカーンって喰ってくるので、マジ要注意です。
以上が「ポッパーマウス」の基本的使い方。
フック&タックルセッティング
セッティングは、PE0.8~1号直結が基準で、フックは浮力・アクション重視なら「セオライズWG-L#1(がまかつ)」、掛りとバレ防止重視なら「セオライズWG-L#1/0(がまかつ)」がベストマッチ。
タックルは、これまた完璧なタイミングでエバーグリーンからリリース予定の「ビースティンガーEXTREME/64MHR」。
「T1100Gナノアロイ」を全身の90%以上に採用し、高密度四軸で全身武装した、もはやこのテの釣りの権化、コータロー君(川村光大郎氏)の「スクーパーフロッグ」やカナモ(金森隆志氏)の「マイクロダッジ」、もちろん「野良ネズミ」等々を完璧に操れて、とにかくムチのような強靭な粘りでフッキングが超素晴らしいロッド。
「T1100G」の一見やわいのに、掛ける時の予想を超える切れ味の鋭さを最も如実に体感できる、軽快な操作感に相反するタフネスが売り物の万能スピニング。自分は敢えて「ネズミ竿」って呼んでます。
「スキップドッグ」もリリース近し!