状況改善にはウイードの成長と水位増加
例年、こうした状況の悪化は8月上旬から中旬に発生することが多い。それは梅雨明けから水位が低下して瀬田川堰の放流量が低下し、マイナス20㌢に到達するのが7月下旬から8月上旬になるからだ。
水位操作は6月16日にマイナス20㌢の洪水期の設定となっているが、6月下旬は梅雨となり流入水が多く、マイナス20㌢に到達してもすぐに水位が増加するため、瀬田川堰の放流量を絞られることがないのが例年の傾向だ。そのため、瀬田川堰の放流量が絞られるのは完全に梅雨が空けてからの7月下旬から8月上旬となり、その頃から水質が悪化して、お盆前後に釣果が一旦下がることが多い。
しかし、今年はマイナス20㌢に到達して6月下旬から降水量が少ないために瀬田川堰の放流量が絞られた状態が長く続いた。その結果、南湖の水質が悪化して、溶存酸素量の低下から釣果がダウンしてしまっている。
7月2日の午後から水位がマイナス14㌢と増加したために、瀬田川堰の放流量は50㌧から250㌧へと増加している。その後も台風7号が7月4日頃に近畿地方に最接近するため降雨が予想され、この状況は少しは改善するものと予想される。
「南西風の吹き荒れる季節」と「雷雲の季節」
しかし、台風が接近しても大雨が降らない可能性もある。それは前線の位置が違うからである。
台風が接近して大雨となるのは、前線が琵琶湖上にあって、それに台風から湿った空気が入る場合だ。今回の台風7号は日本海上を通過するだけでなく、前線が北海道から東北方面の北に位置するために大雨の時間が短くなることが予想される。そのため、琵琶湖の水位は大幅に増加はしない可能性が高い。
水位の増加が少なければ、瀬田川堰の放流量の増える期間は短くなり、7月、8月の南湖の釣果はキビしくなる可能性が高い。
今年は前線の北上が早く、例年7月第2週頃に発生する日本海へ前線が抜けた時の南西風の強風ウイークが6月第4週に発生している。そして、例年7月第3週に発生する連日のゲリラ雷雨が7月第1週に発生しているように、例年と比べて前線の動きは例年よりも2週間程度早くなっている。
そのため、南湖内の水質悪化というのも例年より2週間早くなっているのだ。