今江克隆のルアーニュースクラブR「フリーリグの真実!真の威力を発揮するためのキモ、セッティングを紹介」の巻 第1146回
「ジャバロン」のフリーリグ
そして着底後の水平姿勢フォールとはまた別に、「特殊なフリーリグ効果」を発揮するワームもある。
それが「ジャバロン」である。
「ジャバロン」は、全身で水を纏う仕組みのワームのため、シンカーとの分離距離はまさに無双レベルだが、それ以上に逃げるように素早くフォールしていくシンカーを必死に「ジャバロン」が身をくねらせ後ろから追いかける姿が極めて特徴的で、見ていても面白い。
セカンドフォール以降のリフト&フォールでも、まるでゴリ(シンカー)をボトムで必死に後ろから小突く小魚(ジャバロン)に見える。
この様子が、エサを喰うことに夢中になっている小魚に見えるのか、はたまたフィーディング本能を刺激するのか、バスのスイッチをとても入れやすい効果があるように思う。
事実、自分がフリーリグの効果を明確に実感したのは、「ジャバロン」をフリーリグで使ったからに他ならない。
シンカーの重さとラインの太さ
次に、シンカーの重さとラインの太さも、フリーリグでは重要なバランスになる。
基本的にシンカーは普通では重すぎるのでは?と思ってしまう程度の重さの方が、格段にフリー状態は作りやすくなる。
そしてラインも、実は太い方がフリー状態は大きくなる。
ラインが細いとシンカーが分離する前にライン支点がキツいV状態になるため、シンカーがそれ以上滑らずワームからほとんど離れないでフォールしてしまう。
9~14gのシンカーならフロロの18lbや20lbにすると、ワームがフィットさえしていれば気持ちよいほどシンカーとワームは分離してくれる。
着水直後にリールからラインを素早く出して完全なフリー状態を素早く作るのも重要だが、そのフリーにした部分のラインも重くて早く沈ませる必要がある。
細く柔らかいラインだと、すぐにシンカー接点がV状態になり、滑りが殺され分離があっという間に止まってしまうからだ。
細いラインでフリーリグをする場合は、ワーム、シンカーとラインの分離バランスをつど確認しながらベストコンビネーションを探す必要がある。
濁っている場所では、分離距離をライブスコープがないとハッキリわからないのが難点で、最初着水直後は分離したように見えるシンカーも、水深2mぐらいからは50cmほど分離した状態で、そのまま離れないでボトムまでいってしまうことがかなり多い。
明確なフリーリグ効果を得たいなら、通常使うより一回り重めのシンカー、2段階太めの高比重ラインで間違いない。
カバー撃ちへの対応
そして、フリーリグの難点であるカバーダイレクトの撃ち込みに関しては、シンカーストッパーを任意の位置に設置し、フリーシンカーの移動距離を制限する「可動制限フリーリグ」で対応することが多い。
ノーシンカー効果は制限されるが、水深の浅いレイクや、狙う場所が1〜2m以内の場合は、シンカーを一時的にワーム直前で固定することもできるので、とても有効なリグになる。
同時にワーム側にもストッパーを併設することで、「フリーショートキャロ」としても使うことができる。
ストッパーは1個ではゴムが滑ってズレやすいため、今江的に2個連結で設置する。
ファーストフォール後にズル引きや、軽いスイミングで使う時は、特に有効なリグなので、一度試してみてほしい。
フッキングの問題
最後にフリーリグのフッキングに関してだが、フリーリグ最大の欠点といえるのがバイトの分かりにくさである。
ラインスラックを大量に出すがゆえに、バスが喰って走って初めてバイトが分かるケースも多々ある。
ゆえに完全に飲み込まれることが多いのがこのリグの最大の弱点だ。
飲まれて喉奥から出血するとバスの致死率は極めて高い。
そのため今江的には、この釣りに使うロッドは、スラックをストロークで消しやすい7フィートクラスで、ハイテーパーのメガホン増幅効果による「超高感度ロッド」が必須になる。
基本的にはラインの動き、違和感でまずバイトを聞くが、バイトを感じたら可能な限り「早アワセ」を実行している。
丸呑みされて出血で死なせることを何より避けたいからである。
フリーリグの場合、リグの性格上バイトをロッドに感じた瞬間は、すでに喰ってからかなりの間が空いていると思って間違いない。
今江的にフリーリグで最も重要なテクニック、それは「飲ませずフッキングすること」、「バスを死なせないこと」、これに尽きるのだ。