以前からテストをしていた「CER-60b」。
ようやく納得のできる段階まで持ってくることができました。今回はなぜこのロッドを作成したのか、そしてその特長を詳しくお話したいと思います。
家邊克己 Yabe Katsumi プロフィール
ボートアジング&イカメタル両使いOK!軽量リグから重量リグまで使いこなせるロッド「CER-60b」がようやく形に
近年、ボートアジングを始めようという遊漁船が各地で増えてきたことにより、ボートアジング人口も増加中。それぞれの地域で特長のある釣り方なども開拓されてきました。特にボートアジングとイカメタルを一緒にやっておられる方が多く、イカを釣った後にお土産用にアジを釣ったり、イカメタル船に同乗してアジを釣られている方も沢山おられるそうです。
そうすると水深も浅い所から深い所まで網羅しなければいけませんし、当然潮の速さも色々加味しないといけなくなります。しかし1本のロッドで水深20mから100mまで、重さも10号から40号までまかなうのはとても難しいです。特にオモリの部分においては、船長さんからの指示があって、それに従う必要があります。20号しか扱えないロッドに無理やり30号を乗せて釣っておられる方も多くおられますが、ロッドの適合以上のオモリ負荷を掛けると破損にも繋がりアタリも出にくくなります。
そこで、そのような状況でアジングにもイカメタルにも1本で対応でき、しかも軽量リグから重量リグまで使いこなせるようなロッド、これがこのロッドのコンセプトになりました。しかし、ボートアジングの場合、8号くらいの軽いシンカーも使用します。イカメタルの場合は40号くらいのメタルスッテも使用します。それらを共通のティップベリーでまかなうことは色々テストしましたが、難しいことが分かりました。そこでバットに関してはアタリを取ることとは無縁なので共有し、ダブルトップ方式を採用することに。また、取り込みの際に大きな人でもワキに挟めるようにエンドグリップが延びるテレスコグリップにすることにしました。
トップの1本は20号まで扱うことができ、もう1本は40号までのオモリ負荷まで扱えるようなコンセプトで開発に入りました。試行錯誤を繰り返したのですが、結局20号までのトップはアジやイカの渋い時の微妙なアタリを表現しやすいように、30tのカーボンソリッドを36cmと長く取り、F-tunedのアクションを少し後ろ寄りに調整することで曲がり幅を大きくしました。ベリーもそれに合わせて曲がりながら支えるように調整することで、潮が速い時に引き込まれるのを防ぎました。それと微妙なアタリが出ないという問題も解決させました。40号までのトップは重いシンカーやメタルスッテの重さに耐えながらもアタリを表現させないといけないため、ベリーを強くして曲がりを抑え、ソリッドの長さを25cmと短くすることでそれに対応することができました。このようなソリッドでも微妙なアタリが表現されることが分かり、新たな発見に繋がりました。
この約1年半の間、トライ&エラーを繰り返してやっと思っていたアクションにできたのが4月。本当にギリギリになったのですが、思っていた通り理想的なロッドができあがりました。このロッドなら1本で全ての状況に対応できると自信を持ってオススメできます。ボートアジングだけでなく、イカメタルをされている方にも、アジングロッドの感度でぜひイカのアタリを手に感じてほしいと思います。
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