今江克隆のルアーニュースクラブR「ホバスト・ミドスト・フリーリグ!最新・春の釣果テッパンルアーを紹介」の巻 第1142回
いよいよTOP50開幕戦が近づいてきた今週は、七色ダムと特徴が似た四国のリザーバーに2週にわたって自主トレに行ってきた。
目的は、冬から温めてきた新コンセプトのプラグのテストだったのだが、コチラはまだ季節的に惜しいところで状況がマッチせず、結論をだすには至らなかった。
だが、天候や気温、水位まで目まぐるしく状況が変化する早春のリザーバーで、まさに早春の鉄板ルアー、鉄板釣法の鉄板っぷりを改めて体感することができた。
今週は、全く状況が変化した時の2つの春・鉄板ルアーを解説しておこう。
浮いたメス攻略に最強の釣法は?
今週の自主トレでは、徹底して最も早くに上流付近に差してくるプリスポーンのバスを狙っていたが、初日は大潮抜け、減水傾向、晴天のクリア、2日目は早朝から15mmを超える爆豪雨は続き、数時間で爆濁り、2mもの爆増水といった、まさに春にアルアル究極の真逆の状況となった。
何度も書いているが、やはりこの時期の太陽光の暖を求めて浮き気味になるメスには、今年の春もホバスト・ミドストは、最強の鉄板釣法に間違いなかった。
確実に釣るという点において、おそらく3月~4月上旬まではもっとも安定した釣り方だろう。
ホバスト・ミドストでのエラストマー系ワームのメリット
一般的にみて、今年と昨年の変化といえば、やはりエラストマー系のシャッドワームを一般アングラーがマスターし始めた点だろう。
「ハドルスイマー エラストマー」のバマストの驚異的な釣獲力は、すでに完璧に浸透したが、正攻法であるホバスト・ミドストにおいてもエラストマーワームのメリットが理解されてきたといえるだろう。
その一番のメリットは、同サイズにおけるワーム自体の重要は塩ビ素材、エラストマー素材ともに大差ないのに、塩ビは水に沈むがエラストマーは余裕で浮くという点だ。
中層~表層のバスの目線上、喰い上げレンジをゆっくり泳がしたいホバスト・ミドストでは、ワーム素材の場合、中空構造にするなどの工夫が必要で、それゆえにキャスト性、水中でのグリップ感が結構シビアになる上級者の釣りになる。
ところが、エラストマー製のワームだとワーム素材の倍近いウェイトのジグヘッドやネイルシンカーを使ってもフォール速度は変わらないという抜群のメリットがある。
すなわち、同じスローフォールなら、より投げやすくより操作しやすいウェイトが使えるということだ。
エラストマーワームならではのメリット
そしてボディに浮力があるため、動きの支点を集中させやすく、まるで「バルサ製プラグ」と「プラ製プラグ」の差ほどにアクションレスポンスにも差が出てくる。
ネイルシンカーも一度刺し込んでしまえばなかなか抜けないので、刺し場所を分離させたり工夫したりすることで、ロールアクションも様々なバリエーションに変えることも可能だ。
これはプラグ制作を経験していると、まさにプラグの内部ウェイトの位置決めの応用で、自分好みのアクションを出すことができるのも大きなメリットだ。
エラストマーワームに関しては、鼻先に単発ネイルシンカーを刺すだけがホバスト・ミドストのルールではないことを覚えておこう。
また、エラストマー素材は異常なほど丈夫なので、一度セッティングを決めてしまえば強く投げても、バスを釣っても、ワームがズレたり切れたりすることが、ほぼ皆無になる。
最初は、針の刺しにくさに閉口してしまう人もいるだろうが、これは一度慣れてしまえばズレやすいワーム素材より極めて効率が高く、ストレスがなくなることも覚えておきたい。
「ハドルテール」と「フィッシュテール」の使い分け
最後に、春のホバスト・ミドストの重要なヒントとして、「ハドルテール」と「フィッシュテール」の使い分けがある。
「ハドルテール」は「回遊性の高いバスにアピール」して発見してもらいたいときに有効で、集魚パワーとより移動距離を抑えながらロールアピールさせるグリップ感がほしいときに使う。
「フィッシュテール」はその逆で、より弱め&ナチュラルな微ロールで、やや深めのレンジから立木などの「ピンポイント」を狙い、カーブフォールからの巻き上げてバスに追わせてくる感じで使うことでそのメリットが活かせると覚えておこう。
ホバスト・ミドストが効かない荒れた状況で強いルアーは?