釣りは心の安息日。人生を豊かにする「釣り」の魅力を考える
WEB連載「トモ清水のガッ釣りソルト」187回
釣りは心の安息日。人生を豊かにする「釣り」の魅力を考える
こんにちは、トモ清水です。
もうすぐ春分、今年の桜の開花予想は例年よりちょっぴり早めだとか。やはり暖かい日が続くと、釣り人の心理としては、釣りに行きたくなるもの。
でも実際に海や川、湖に行っても水温はまだまだ低く、釣り人の期待とは裏腹に、あまり良い釣果を得られないことも多く、少し難しい季節なのが春です。難しい一方で、「春の爆釣」ってことも多いにあり得るので、期待せずにはいられません。
たとえ魚が釣れなくとも、長い冬を我慢して「春日和を感じられただけでもOK」ってなアングラーも多いのではないでしょうか。たとえ釣れなくとも、多くの魅力があるのが「釣り」ですよね!
尊敬している1人、とある社長が私に呟いたのですが、「“釣りの魅力”をTVなどのメディアで大きく特集しないのか」と。釣りがもたらす「経済効果、人体に及ぼすプラスな健康効果」。
たしかに、釣りの素晴らしさをもっと多くの人に伝えられたら、釣り業界がもっと良い方向になりますよね。しかし現実には厳しく、目立つ報道として、心無いルールを破った極一部の釣り人の行為。その一部の立ち入り禁止やゴミ放置などの行為によって、釣り人全体のイメージが悪くなっているのは、非常に悲しい現実です。
そこで、今回はあらためて「釣り」の持つ驚く魅力を考えていきたいと思います! もっと、もっと釣りのイメージが良くなれば、そんなに素晴らしいことはないですね。
脳科学的にも「釣り」はとても良いものとして証明されている
幸いにも昨今のアウトドアブームで、「外遊び」が脳科学的にも良いものとして証明されており、老若男女問わず、釣りをはじめられる方が急増。「外遊び」の1つとして「釣り」が注目されています。
以前、アウトドアブランドの1つ「コールマン」と同じグループ会社に勤めていましたが、「キャンプ」というアウトドアの中で、やってみたいアクティビティランキング1位が「釣り」、というアンケート調査結果も。
また、ある大学の研究結果によると、釣り人がもたらす経済効果も漁師がもたらすそれよりも大きいとのデータも存在します。
日本は島国、世界を見ても「釣り」をするには類まれなく非常に恵まれた環境。だからこそ末永く、「日本の釣り」という文化を、後世にしっかり継承し綺麗な釣り場を残す義務と、世界に誇れる高貴なフィッシングカルチャーを構築していかなければならないのです。
そこで、脳科学的にどんな良い影響をもたらしてくれるのか、ちょっと調べてみました。
あと自分が感じている主観的な釣りの良さも含めて、考えていきたいと思います!
釣りの魅力、釣りをすべき7つの理由
・育悩効果
・自然と触れ合うことでクリエイティブ能力アップ。自律神経が快調に。
・好奇心向上、自己肯定感がアップ
・興奮からくるドーパミン放出効果と、太陽光を浴びての脳内のセロトニン増加
・釣りからビジネスの極意を学べる
・釣りは私たちにとっての「シャバット」
・食べて健康的に
では順番に見ていきましょう。
①:育悩効果
まずは育脳効果として、子どもの成長にとって、外遊び、アウトドアは、非常に効果的なのが科学的にも証明されています。
外には未知の生物、それは動物であったり植物であったり昆虫であったりと。子ども達は好奇心の塊、新しいものや珍しいものに興味や関心を抱く力をもっていますよね。
私達、大人になってからはどいうと、その好奇心は子供の時より薄れていきがち。しかし「釣り」を通じて、童心に戻り、子どもの時のような好奇心が不思議と溢れて出てきます。
子どもの頃は、まずは「釣り」でなくとも、たとえば道端のダンゴムシやアリンコからはじまり、川遊びやザリガニ釣り、そういった身近なところから徐々に自然という大冒険を経験していきます。
「どうして?」「どういった理由で?」「これなんで?」と自分たちが子供のころ、色々な物事に対し、興味や疑問を誰しもが持っていたと思います。
子供は興味深の塊みたいなもので、どんどん成長していきます。ところが大人になると、すでに考える力をなくしているので、釣りで起こる出来事に対して深く追及もしなくなくなり、「なぜ?」という考えることをやめてしまう傾向があります。
はっきり言いますが、これでは成長はほぼないでしょう。やはり人間、考える生き物。
以前、こちらの記事にも書きましたが、「考える」ことは釣りをする上で、釣りを上達していく上で、とても重要ということを述べました。
子どもも大人も「なぜだろう」「どうしてだろう」という好奇心から生まれる体験は、脳を活性化させ、脳を育てる源、エネルギーとなるのです。
私もそうですが、小さいころから釣りを通じて命の大切さを学び、自然を大切に思う気持ちを育みました。
子どもたちに積極的に釣りをさせることで、生き物や生命に対しての好奇心を育み、命の大切さやその多様性を学ぶことにつながり、結果として「思いやり」の持てる人間に成長できると信じています。
まだまだ育脳効果は、ここでは紹介出来ないくらいの素晴らしい効果があり、やはり「釣り」という外遊びには、その効果が期待出来ます。
②:自然と触れ合うことでクリエイティブ能力アップ。自律神経が快調に。
続いて、クリエイティブ能力アップが、「釣り」の効果として期待できます。
釣りは必ず、自然と触れ合うことで成立する遊び。週に1、2回でも外に出て、自然と触れ合うことで、ストレス発散、自律神経が快調になり、想像力、発想力が豊かになる、という研究結果があります。
わたくしトモ清水も、「釣竿の開発」という仕事柄、新しいモノを創造する、というクリエイティブ能力が求められます。おそらく釣りを通じて、自然から偉大なパワーをもらっているのでしょう。たぶん(笑)。
アーティスト、作曲家、芸術家、小説家なども、自然を愛す偉人は多いですよね。歴史は語っています。
こちらはマダイが見事に描かれている私の好きな絵の1つ。日本洋画壇の巨匠で文化勲章受賞者の中川一政氏の絵画。
中川一政氏はわたくし清水家の親戚で、彼も自然を題材にした作品が多いことから、自然と触れ合うことでのクリエイティブ能力が高められ、画家としての偉大な功績を残されたのだと思うのです。
③:好奇心向上、自己肯定感がアップ
勉強をするうえでも、人間関係を作るうえでも、もっとも重要なことの1つは“知的好奇心を持つこと”だそうです。
高齢になっても知的好奇心を失わない人は、趣味が多く行動的で人間関係も充実している傾向にあるんだとか。高齢になっても「釣り」を楽しんでいる人って、たしかに元気でパワフルですよね!
釣りには、歩く、体を動かす、といった肉体的な健康はもちろん、認知症になりにくい、といった脳をも健康に保つ魅力があるようです。
そして「釣り」という自然体験を通して「自己肯定感」が高くなる、という脳科学の研究も。
「自己肯定感」とは、自分は何かを成し遂げられる存在だ、という気持ちや、自分は何ものにも代えがたい大事な存在だ、と信じられる気持ちのこと。
釣りの中で「大物を釣りあげた!」「魚を獲ったどぉ~!」「家族のためにおかずをGETしたぜ!」など、「自分はできる!」という喜びを生み出すことは、自己肯定感が高く、結果的にその人の人生を豊かに、幸せにしてくれる、もの凄い力が「釣り」にはあるのです。
④:興奮からくるドーパミン放出効果と、太陽光を浴びての脳内のセロトニン増加
原始的な脳と呼ばれる扁桃体が、興奮するとA10神経という「感情に関わっている神経」から「ドーパミン」という「快感物質」が出ます。
まぁ釣り人として、あえて説明することでもありませんが、釣り好きは、ドーパミンをたくさん放出させられてしまった人たち、と言えるのではないでしょうか(笑)。
はじめて魚を釣ったときや大型魚を釣ると、あの忘れられない興奮や、感動を一度でも味わい、もうやめられない、という経験は釣り人なら誰しもあるハズ。
ルアーをキャストしているだけで気持ちいい! この時もやはりドーパミンは放出されているようです。
前回の連載でも書きましたが、ここぞ!と思ったポイントで、自分の思惑通りに狙った魚が釣れると滅茶苦茶「快感」ですよね! これもドーパミンという快感物質によるもの。
そしてドーパミンが出て達成したあと、「獲ったどぉー!」とやった!って気持ちになりますよね。その時、安息物質の「セロトニン」が分泌されるんだそう。
たしかに、
・無事に魚をランディングできたときの達成感
・リリースした魚を見送る時の満足感
これらを感じているときは、安堵した何ともいえない、清々しい気持ちになれますよね。
しかも、釣りに行って太陽光を浴びるだけでも脳内のセロトニンは増加するのだとか。
これらドーパミン、セロトニンは、脳の栄養素なのか、または活性剤なのか、私には詳しくは分かりませんが、脳に良いことには間違いなさそうです。つまり「いつまでも若くいられる」ということです♪
だたドーパミンが出すぎて、命を危険にさらすのが釣り人。冷静な対応も忘れずに(笑)。
釣りからビジネスの極意を学べる
「経営者はもう少し、漁師の精神を学ばなければいけない。漁師は釣れなければ、狙う魚を変え、道具を変え、場所を変える。いつも同じところにじっとしていて、“魚がいない”と嘆いているだけではダメだ」
飯田亮(実業家・セコム創業者)
釣りとビジネス、注視すると共通点が多くみえてきそう。
自分の周りでも優秀な経営者、仕事が出来る方は多くいらっしゃいますが、たしかに皆さん「釣り上手」なのです。
釣りは私たちにとっての「シャバット」
世界的に優秀なことで知られるユダヤ人の方々が行っている習慣、それが「Shabbat:シャバット」。
安息日のことで、1週間のうち1日はを何もしない日で、魂を整える聖なる日とされています。
仕事も家事もしない。もちろん携帯も見ない。シャバットでは、日頃の忙しさを忘れて、自分と対話し、自分の内面をみつめ直す、本質的なことをゆったり深く考える、それがシャバットの本質。
やらなければならないタスクに追われて、そこに奇跡がやってくる余地が残されていないようです。
縄文時代、平安時代、そして江戸時代と1日に入ってくる情報は、増加の一途を辿り情報時代の現代、桁違いに多くなっていますよね。
「忙しい」、その漢字を見てみると、「心を亡くす」と書いてあります。
「なにもやらない」、これこそが現代に求められていることなのかもしれませんね。
「サウナ」ブームの理由も、現代においてじつは必然だったり。現代人は、「整える」ことが必要なのです。無類の温泉好きの私ですが、「温泉」もまた日本式の「ジャバット」と言えると思います。
ここでピンっときた方はするどい。
釣りって、釣りに夢中で仕事のことも忘れ、携帯も見ない。釣りだけに集中できる。ちょっとシャバットと似ているとは感じないでしょうか?
「釣り」は非日常の出来事で、日常から分離できます。釣りは人間の本来持つ「心」を取り戻してくれます。
・食べて健康的に
釣った魚を食べることは、自然の原理。太古の昔から続いている狩猟採集という行為は人間の本能を満たしてくれるもの。
子ども達は、自分たちで釣った魚をその場で焼いて食すことで、命の尊さ、魚の価値を自然と感じ取っています。
自分が子ども頃の夏は、川遊びに明け暮れてたなぁ~なんて思い出します。
そこにルアーマンがひょこっと現れて、キラキラ光るスピナーで、川の淵からニジマスを引きずり出してきました! 「すんげぇ~!!」その様子は、今でも鮮明に脳裏に焼き付いています。
あと潜って川魚をヤスで刺して、友達の家で塩焼きでみんなで食ったなぁ~。
それはさておき、魚にはEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれています。
中学生か高校生だったか、魚に含まれるDHAが話題になり、頭がよくなる、ということでマグロの目ん玉をよく食べたものです。
まずEPAは、血液をサラサラにする働きがあることでよく知られています。動脈硬化の予防につながり、脳梗塞や心筋梗塞など血液が詰まってしまう病気も防いでくれます。
DHAは、血中の悪玉コレステロール(LDL)や中性脂肪を減らす働きがあります。脳細胞を活性化させる働きに関しては、さきほど述べましたね。老化防止やボケ防止に役立ちます。
釣ってきた魚は、家族にも喜ばれ、近所に配ることで喜ばれ、それがあなたの幸せにつながるのです。
とくに青魚は「生活習慣病の救世主」といわれていますので、積極的に取り入れていきたいものです。
なにより、釣りは他で味わえない釣り人特権の新鮮な魚の味を堪能できる素晴らしさがあるのです。
自宅でもドーパミンが!?
2023年アブガルシア新製品「REVO5」シリーズ。間違いなく今年の主戦力になると感じています。
中でも、トモ清水的に最大の注目株は「REVO5 ROCKET」。なんと! 驚愕のRevo史上最大のライン巻き取り量で1巻き112cm!
「REVO5 ROCKET (レボ5 ロケット) / REVO5 ROCKET-L」の詳細ページ
この超々ハイギアを「どのシチュエーションで使おうか」、もう脳の中で妄想というシミュレーションがグルグルと回転。
ギア比10.1:1のロケットハイギアモデル、35mm径16lb-115mスプール搭載で、そのスペックを最大に活かせるスタイル構築。それが今年の1つのテーマ。
さらに高いパーミング性能と力強いファイトを可能にするエルゴノミックデザイン! 開発責任者に直接、このリールに秘めた機能を聞きましたが、その設計の意図と隠されたメカニズムの凄さ。
これを現場で色々と試さなければ!
アブガルシア公式「REVO5 ROCKET (レボ5 ロケット)」の詳細ページはコチラ
トモ清水、釣りに行く前の準備からドーパミンが出まくりなのでした!笑
トモ清水でした!
See you next time!
隔週連載 トモ清水のガッ釣りソルト
隔週・日曜日に 配信!
過去の連載記事を全て掲載している特設ページはこちら