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魚が勝手に食いついてくる!カヤックからの「ティップランワーミング」

寄稿:赤澤 克哉
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みなさん、こんにちは! bifarrテクニカルアドバイザーの赤澤克哉です。

突然ですが、現在bifarrではカヤック・SUP用のティップランエギングロッド「フェイザー」を開発中です。

このロッド、もちろんアオリイカを釣ってテストしているのですが、その過程でティップランエギを「フリークセット」にチェンジするだけで、魚が勝手にヒットしてくるという楽しい釣りがあることを発見しまして。ただいまハマっております。

赤澤 克哉(Katsuya Akazawa) プロフィール

千葉県市川市のカヤックフィッシングショップ「kayak55.com」スタッフ。日本のカヤックフィッシング黎明期からカヤックフィッシングの楽しさ、安全面、マナー面などを伝える活動を続けている。JSPA(日本セーフティーパドリング協会)アドバンストインストラクター。bifarrテクニカルアドバイザー。他、ジャクソン、palm、bluestormなどのフィールドテスターも務める。

ティップランワーミングとは

これはカヤックでもボートでもSUPでも…浮いて流していける乗り物であれば有効な釣り方になります。

エギをワームに変えてみたら…

今回の主役となるルアーはこちら。

ジャクソン・フリークセット

一言で言えば、金属プレートがついたジグヘッド+ワームのセットです。そして、この金属プレートがこの釣り方のキモとなってきます。

ティップランエギングは、もともとボートでドテラ流ししながらバーチカルに落としたティップランエギをシャクって、その後水平移動させてアオリイカを釣る釣法。カヤックフィッシングではその安全性から風が弱い日に海へ出ることが多く、そういう日は艇を流してエギを引っ張れないためティップランエギをキャストすることもかなり多いのです。それを「キャスティングティップラン」と呼んでいます。

キャスティングティップランでは、キャスト後にベールを起こしたままロッドを振ってラインを送り出してフリーフォールでボトムを取り、数回ワンピッチでシャクって、そこからはロッドをさびいてエギを水平移動させます。この水平移動中にティップに出るアタリを取るわけです。

このキャスティングティップランをフリークセットに置き換えて釣りをしてみたら…これがまたよく釣れる。これを僕は「ティップランワーミング」と呼んでいます。

ティップランワーミングの所作

狙うフィールドはフリークセット8g、12g、15gでボトムが取れる範囲になるので、ティップランエギングよりも浅い水深1〜10mぐらいまでが中心となります。

そして、この釣りにおいて必須となるのがシーアンカーです。

カヤックの先端からシーアンカーを流すことで、カヤックが完全に風上を向いてくれる=風に対してバックしてくようになります。

通常、カヤックフィッシングでのキャスティングゲームは飛距離が出る風下にルアーをキャストしていくことが多いのですが、このティップランワーミングでは逆となり、艇はシーアンカーで風上に向いているので、風上側へのキャストになります。そのため飛距離は出ませんがカヤックで浮いていればある程度飛んでいれば大丈夫です。

具体的な釣り方

釣り方は簡単です。

①キャスト後、ラインを送り出していってフリーフォールでボトムを取る。

②その後、3回ほどワンピッチでシャクり上げる。

③そこから10秒間、フリークセットが沈まない範囲で極力ゆっくりリーリングして水平移動させる。

④アタリがなければまたリールのベールを起こしてフリーフォールでボトムを取る。

この繰り返しになります。まさにキャスティングティップランとほぼ同じ動作になりますが、違いとしては水深が浅いのでシャクリ回数が少なめなのと、エギよりジグヘッドは沈下が早いのでリーリングを入れて水平移動させる点となります。

この水平移動がフリークセットのプレートの効果で抜群にやりやすいのです。

プレートが水を受けることで浮き上がりやすく、通常のジグヘッドよりゆっくりなリーリングで水平移動ができます。またそのゆっくりな動きでもプレートが水を受けて確実にワームがアクションしてくれます。

まさにフリークセットはティップランワーミングにベストなワームといえるでしょう。

勝手にいろいろな魚が食いついてくる

ティップランワーミングではボトムを取った後にエギングのようにシャクるのですが、この目的は誘いです。シャクりはアピールであって、その後の水平移動中で魚に食わせます。この効果は抜群で、水平移動させているだけで勝手にいろいろな魚がバイトしてきます。

カヤックを流しつつ、ややリーリングを入れて水平移動させているフリークセットに魚がバイトすると、ティップがココっっと入っていってアタリが明確にわかります。

ティップを見てアタリを取る!これが視覚的にも興奮できてやみつきになります。

もともとフリークセットが小さめのトレブルフックが1つなので、少し待ってからフッキングした方が良いワームと言われています。このティップランワーミングにおいても、ティップが叩かれて叩かれて…完全に入ったところでフッキングします。この待って待ってからの〜乗った!がとても気持ちいいんです。

魚の活性が高いとシャクリ中にヒットしてくることもありますが、それはそれでエキサイティングです。

釣れる魚種はまさに多種多様。シャクってアピールさせたものがゆっくり漂う…あらゆるフィッシュイーターにとって効果的なので、その時にその場所にいる魚が勝手に食いついてくる感じで逆に言うと釣り分けはけっこう難しいです。

昨年末からこの釣り方に取り組んでいるのですが、シーバス、キビレ、クロダイ、マゴチ、ヒラメといろいろ釣れてくれています。(実はヒラメはちょっと苦戦したのですが!3回目のチャンレジでようやく釣れました)

ティップランワーミングでヒラメが釣れた動画をご紹介しておきますので、もしよければチェックしてみてください。

ついに本命ヒラメをGET!ティップランワーミング!

出典:YouTube「 kayak55ムービー」

あまりも繊細なティップを持つティップランロッドだとキャストが難しいケースもありますが、15g程度のものが軽くでもキャストできるティップランロッドをお持ちであれば、ぜひイカが釣れない時間帯などにエギをフリークセットに変えてやってみていただくと楽しいと思います。

Bifarrで開発中のティップランロッド「フェイザー」はカヤックでは多いキャスティングティップランになるケースを意識してティップランエギをフルキャストできる仕様になるため、フリークセットをキャストするティップランワーミングにも最適です。もう少しテストを重ねて今年じゅうには発売をしていきたいと思っていますので、こちらもぜひお楽しみに!

bifarr(バイファール)

株式会社ジャクソンと高階救命器具株式会社による共同プロジェクトとして、2022年に誕生したブランド。 近年注目されているジャンル「パドルフィッシング」をテーマにカヤックやSUP、釣具、アパレルなどのギアの販売などを行っている。静岡県静岡市清水区には実店舗を設け、アイテム販売のほかカヤック・SUPフィッシングの体験や宿泊なども行っている。

 

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