ヒデはやしさんが代表を務める「ブレイズアイ」。その代表作といえばエヴォルーツ。
これまでもお伝えした通り、今も進化を続ける「エヴォ」ですが、これまでメインでお伝えしていたのはエヴォルーツの中でも120mmサイズ。
その実釣性能と、シーバスはもちろん、ヒラマサ、アカメ、オオニベといったモンスターたちにも耐える強度が知れ渡りファンも多数。そうなると、今度は「小さいのも欲しい」とユーザーはなるわけで、小さなエヴォに着手することになる。
そうして、9cmクラスのエヴォルーツにヒデイズムをもって生まれたのが、エヴォルーツ99VSP。
エヴォルーツ99VSP
まずは駆け足でスペックから。VSPとはヴァリアブルサスペンドの意味で、後述しますが可変サスペンドということ。
パッケージを開けてそのままのセッティングで使うと、スローフローティング(海水)~サスペンド(淡水)設定となっています。後述しますが、ココが重要に…。
エヴォルーツ99VSP | ||||||
長さ | 自重 | 標準搭載フック | 適合フック | リング | レンジ | 税込価格 |
99mm | 15g | #3 | #6〜1 | #4 | 40〜80cm | 2,200円 |
強烈な動画もチェック
正直、そのコンパクトな狂った実釣力は、見てもらった方が早い。ということで、使い方などを含め、以下の動画をぜひチェックしてみてください。
標準搭載で#3フック。適応範囲も広い
まずはフック。9cmクラスのミノーにしては、デカいですよね? まず標準搭載で#3フックなのです。リングも#4。さらに驚きなのが、その適応フックサイズがなんと#1~#6まで!!! 99mmでしっかり#1まで背負えるのが衝撃!
ここがヒデイズム。ダウンサイズしたミノーでもモンスターとも対峙できる設定にしよう…ということで単純なダウンサイジングではなく、一から造形したという。
結果としてできた99VSPは、ヒデはやしさんが「この子はエヴォの中でも一番狂ってる(笑)」という計り知れない実釣力を持つミノーになったそうだ。
強靭な設計
例えばエイト環、これは120サイズと同等の1.3mmの極太仕様。さらにラインアイとリアフック側ははロングピンとなっていて、これが圧着されることで結果としてソリッド化している。だから、単純に超タフ。めちゃくちゃ強いミノーなのだ。
また、もう一度おさらいになるがとにかく適合フックが広い。だから、例えば少し小さめのフックが折れてしまった…。そんな時に、シルエットは99がイイけどフックは大きくしたいといった時、そうなのです、120系のフックから移植もできるし、そもそもデカい番手を背負わせられるのです。
当然、何度も言うことだけれど、エヴォシリーズは魚種を縛らない。その時々でアングラー側の意図したレンジや意図したスピードでフレキシブルに対応できる。特にこの99VSPは汎用性が高い。
特に外洋周りで春先など、小さいシルエットが効果的な時に一般的なミノーであればフックが小さく掛からないということがある。しかし、このエヴォルーツ99VSPではその心配がない。
水をつかんで受け流すリップ
またリップ形状にもコダワリが。激流の中での使用も考えると、どうしてもこの手のミノーはリップで水を受けすぎて暴れすぎてしまう、あるいは水面を割ってしまうということもある。
エヴォルーツ99VSPのリップは、水を受けるんだけれど付け根の両サイドから程よく逃がすことで、スイムアクションを安定させる。
基本的にはエヴォシリーズ全般に共通することだが、ある程度水を受けて泳いだら、あとは水を逃がす…という設定になっています。
低速でも喰わせアクション
それは独特のハンプバック形状もあって、アクションをリップだけに頼らない。あくまでアクションはボディが出し、リップは水をつかんでそのアクションを安定させる補助役…というイメージなんだとか。
また、その背中の面も比率でいうと大きくなっているそうで、エヴォシリーズの特長でもある「リップレスモード」では、より低速でフラつくようなアクションが出せる。リップレスモードも進化しているといえるでしょう。
その絶妙なアクションをアシストしてくれているギミックが実はウエイト。実は内部ウエイトのひとつはブラスで、ヒデさんは「抜く」という表現をしていたけれど、これがあることで抜ける、フラつきがより出るんだとか。
単純に飛距離を求めるならタングステンウエイトなんだけれど、その代わりにそのアクションが失われてしまう。
じゃあ99VSPが飛ばないかというと、正直飛ぶ。9cmクラスミノーの中ではかなり飛ぶ。単純に重くして飛ばすのではなく、形状や飛行中の安定性など、軽くて飛んで、動きも絶妙、このバランスが抜群なのが99VSPだ。
フッキングを求めたシェイプ
ちなみに大型フックを背負わせて使用しても、フックがボディを拾わないのが99VSPのナイスな点。
それと同時に、テール側が絞りこまれているのもフッキング率アップのため。特に春先のバチ抜けパターンなどではテールバイトが結構多くなる。この時にテールが太いと深くフッキングしない。ゆえに絞り込んだシェイプとなっているそうだ。
VSPとは何か?
最後に、ではVSPとは何か。冒頭にも述べた通り、ヴァリアブルサスペンドを指し、意味としては「可変サスペンド」だ。面白いのは、この99VSPは初めからサスペンドをベースに作ったということ。
だから、軽くすれば浮くし、重くすれば沈む。単純な話なのですが、その時にアクション性能は損なわれないというのがポイント。フローティングを基にサスペンドを作ったのではなく、最初からサスペンド設定で制作したから0.5gくらいのプラスマイナスで浮いたり、沈んだりと変化する。それもアクションの性能は損なわず。
で、この0.5gというのがカギ。実は概ねフックの番手を上げる(or下げる)で0.5gの違いとなる。つまりはフック番手によってもチューンできてしまうのだ。
そのフレキシブルさ、頑丈さ、アクション性能は、ヒデはやしさんの言葉を借りるなら確かに「狂っている」のだ。エヴォの先輩「120」たちにも引けを取らない戦闘力を持つエヴォルーツ99VSP、ぜひチェックを。