G-TECロッド第1弾として「クロスセンシティブ」イトフィネスモデルが今年の春に発売されますが、実をいうとG-TEC第2弾のプロジェクトも進行中なんです。
G-TECの過去記事はこちら
その第2弾とは、ズバリ! 「ロックフィッシュ」シリーズです。
このシリーズの開発は去年の4月からスタートし、現時点で、すでに3rdサンプルまで開発は進んでいます。
新時代のロックフィッシュロッド!というと、ありきたりなキャッチコピーですが、分かり易く表現すると、このベタなコピーがなぜか、しっくりきます(理由は後ほど)。
「クロスセンシティブ・ロックフィッシュ」シリーズはロングスピンモデルも含めると、合計6機種を開発中。
その6本全て完成出来るかはテストの結果次第ですが、今年の秋くらいにその6機種開発しているうちの2機種が今年2023年の秋に発売可能なところまで完成度が上がっています。
今回はロックフィッシュモデルのプロジェクトが始動した経緯と、発売が見えている2機種のご紹介をしたいと思います。
※記事中のロッド写真はプロトタイプにつき、デザインは多少変更される予定です。
さて、クロスセンシティブのロックフィッシュシリーズですが、東北のロックフィッシュ専用船「アーネスト」の佐藤キャプテンの協力の元、開発を進めています。
東北のロックフィッシュを知り尽くし、毎日出船している現場型の船長が佐藤キャプテン。多くのお客様をガイドすることで、アングラーの変化するニーズを現場で長年見てきています。
佐藤キャプテンは、東北のロックフィッシュ創成期の頃からスペシャリストとして、それを生業にするほどロックフィッシュに精通し、今なお東北のロックフィッシュのボートキャプテンとして、最前線で活躍しています。
そんな佐藤キャプテンとは、かれこれ14年くらいのお付き合い。多くのロックフィッシュロッドを共に開発してきた仲になります。
ちなみに今春には、アーネスト船のボートラッピングも、このように刷新してくれます! G-TECとXrosSensitiveのロゴが入って、颯爽と海を走るボート、今からとても楽しみです。
私は佐藤キャプテンのことをタカさんと呼んでいるのですが、タカさんがロッドに求める新しい欲求は、可能な限り無駄を取り除き、ストイックなまでの軽量化、スリム化、高感度化を求め、これまでになかったロッドを目指すこととのこと。
彼の強味は毎日出船し、現場を見ていることと、同時に多くのアングラーを見ているということ。
キャプテンがロッドに求める要素はもちろんですが、今アングラーが何をもとめているのか?それを汲み取れることがキャプテンの強味。
その経験と実績を元に、「新時代のロックフィッシュロッドを作りたいね」というのが、二人の共通認識、目標であり、開発が始まりました。
今あるものと似ているようなスペックではつまらないし、開発する意味はありません。新たな挑戦が必要でしたし、新しいものを作るためにブランクスのマテリアル、製法もゼロから見直し、第一弾でも採用した「MAGNUS製法」を取り入れ、T1100G、M40Xといった東レの最新鋭カーボン素材を取り入れました。
優れた素材を作る東レの高い技術があって、そしてその素材を最大限活かすことで最高のロッドが完成します。
タカさんの要求は極めて高く、やはり今までの延長上にあるものは作れない。全く新しい、さらに進化したロッドを開発することが使命。
ロックフィッシュというとゴツいイメージを持たれる方が多いかもしれませんが、タカさんが求めたのはロッドの名前にもある通り、センシティブさ。
そのため通常ロックフィッシュに使用されているTCSやECSといったパワーのあるリールシートではなく、第一弾クロスセンシティブのベイトフィネスモデルと同様、スケルトンシートを採用。高い実績を誇る富士工業製、超軽量、グリッピング性能、ホールド感に優れているリールシート。
軽量化はもちろん、ブランクスに直接タッチ出来るセンシティブさと軽快な操作性を実現しています。
さらに繊細さを高めるために、今までほとんど採用してこなかった高級素材「コルク」を採用。
EVAより、より感度が高いコルクを選択し、アングラーには使い込めば使い込むほど味の出るコルクを採用しました。
限りなく肉抜きしたデザイン
装飾、塗装、飾りだけの余計な部分をカット。デザインは、シックなシンプルな仕上がりを目指し、実戦上では不必要なパーツを削ぎ落しています。それもストイックに。
ここまで余計な肉を抜いたロックフィッシュロッドは私が知る限り見当たりません。
これもあらたな挑戦で、「実は要らないのでは?」というパーツを一度取ってテストしています。それでやはり必要であれば、また付け加えていく、という逆作業の繰り返し。
ガイドスペックは、全て信頼と実績の富士工業製。トップガイドにはアロワナトップガイドKGトップガイドを採用。チタンフレームSiC-Sリング。PEラインでも糸絡みしにくい傾斜ブリッジ付きの軽量トップガイド。リングの高さがティップガイドと同じ高さで、飛距離アップに貢献。
ティップ部のガイドにもチタンフレームSiC-Sリングを採用。ティップ部は軽量化と感度を上げるための最適なチタン素材。
バット部には、強度と剛性感を重視し、ステンレスフレームを採用。大型にも負けない強さと耐久性を実現しています。
XrosSensitive XSC-71H
”ボトムトレース”【G-TEC】
G-TECロッド第2弾としてリリースが予定されているモデルの1つなのが、クロスセンシティブXSC-71H The”BOTTOM TRACE”
このボトムトレースは、1本で何でも出来る汎用性の高さを目指したモデル。ショア、オフショア問わずこのロッド1本あればロックフィッシュゲームが完結出来るほどの汎用性の高さを持たせています。
そして汎用性を求める一方で、中途半端なロッドになりがち、というのも事実。そうならないためにもボトムトレースは、ボートロックスタイルを軸としながら開発。さらに新製法のMAGNUS製法がロッドの汎用性を高める、という結果をもたらしてくれています。
従来の製法だと中途半端な、どっちつかずのロッドになってしまいがちですが、それがマグナスブランクスだと、気持ちよく汎用性高く使用して頂けると実感していただけるハズです。
さて、佐藤キャプテンより、このモデルに関しての以下のコメントを頂いております。
佐藤キャプテンからのコメント
今回のロッドはxrossensitive.クロスセンシィティブと言うネーミングで魚種問わずワームで楽しめるあらゆるターゲットを繊細且つハイレベルで狙い撃ちできるロッドとして開発しました。
ロックフィッシュはもちろんバスフィッシングなどにもご利用いただきたいロッドです。
私がロッドを選ぶ際に大切にしている事は繊細さと強さです!繊細さと強さは相反する部分と思いますが今回のトモ清水とのプロジェクトはそれをさらに可能にしてくれるのです!まず快適で狙ってストイックに釣りができる71Hクロスセンシィティブ!船のスタイルやエリアやオカッパリからも散々ロックフィッシュを楽しんで出た答えの長さ!ロッドテーパーはファーストテーパーで多発する根掛かりを効率よく回避し刻々と変わる水深や根の状況を素早く把握し激しい根を攻められるロッドです!もちろん私のコンセプトの繊細で強いロッドなので、不意のビッグバイトにもタフなバイトにも良い仕事をしてくれる唯一無二の絶対的に必要なロッドになります!今回の新製法のブランクスは想像以上の強さをがあるので初見は大丈夫か?な仕上がりになりますが使って頂ければ納得満足して頂ける新世界、新時代を感じるロッドに仕上がってます。全国のロックフィッシュはもちろんバスフィッシングやライギョ、フラットフィッシュなど様々なルアーフィッシングに使って頂きたいロッドです!今後開発を予定されているロッドも上記のコンセプトを元に真剣に開発していきます!
私の釣り人生がバスフィッシングから始まりロックフィッシュガイドとして30年想うロッドが形になりはじめています!
タカさんのコメントにもある通り、今までにないロックフィッシュロッドを目指し、新世界、新時代を感じるロッドを共に目指している、ということで、今回のテーマにベタな「新時代のロックフィッシュロッド!」というキャッチコピーを使わさせて頂いています。
一方、開発者である清水も同じ目線で、佐藤キャプテン「アーネスト」に乗船しテスト。船長と現場で一つずつ確認、テストしていきます。
そして岩手県でのショアからのテストでは…。
1stプロトを持って、一発目の魚はプロポーション最高の48cmのアイナメ。
ゴロタサーフから根がきつい、ちょっと沖のシモリに遠投し、そこから一気に引きずり出しました。
途中、リールのハンドルが負けないほど、アイナメは抵抗しましたが、MAGNUSブランクスのトルクが体感出来、ロッドを溜めているだけで魚を寄せられるパワーを確認出来た良いテストに!
なお今回の東北フィールドテストは、テスト以外にローカルの声にしっかりと耳を傾ける、ということ目的としていました。
20年間のロッド開発を振り返ってみると、プロアングラーが求めるものと、一般アングラーが求めるものには乖離があった事も事実です。
メーカー、プロアングラーの声に寄せた開発ももちろんアリなんですが、今回のロックフィッシュシリーズでは地元のローカルな声を大事にしたロッド開発を目指しています。
岩手県のショアからのロックフィッシュロッドのテストは2日間という短い期間でしたが、内容の濃いテストだったと思います。
ティップ部のガイドには通常のKTガイドではなく、KBガイドを採用。
KBガイドとは、小口径シングルフットながら、高負荷に耐える強度を実現。
KTガイドでは、パワーゲームにおいて、よくガイドがラインのノット部に引っ掛かり外れるというトラブルが少なからず発生。その抜けトラブルを極力減らすために、スレッド(糸)で巻く部分が多くなるロングフットが特徴のKBガイド。そのKBガイド採用で、パワーゲームも安心して勝負に挑めます。
サイズも通常の4ではなく、ワンサイズ大きい4、5サイズを採用し、セミマイクロガイドでラインの抜けを改善しています。
また一番元部のバットガイドには、LKWガイド採用。KWの軽量ライトバージョン。
ダブルフットチョークガイドの最軽量シリーズになります。元部はダブルフットで強化しながら、同時に軽量化も図っています。
続いてリリース予定のもう1本のロックフィッシュシリーズについて!
XrosSensitive XSC-71ML+
パワーフィネスプラス 【G-TEC】
G-TECセンシティブ第2弾のロックフィッシュシリーズとしてリリースが予定されているもう一つのモデルなのがXSC-71ML+ The”POWER FINESSE PLUS”です。
このパワーフィネスプラスは、71Hと同様、限りなく1本で何でも出来る汎用性の高さを目指して開発しています。
分かり易く言えば、第1弾のベイトフィネス59ST-Proのディアスローとこの、この71ML+パワーフィネスプラスがあれば、自分の得意とするソルトのベイトフィネスは、この2本で全て事足りる、といっても過言ではないほど、自分の信頼出来る両腕となっています。
アジング、メバル系のライトゲームは59ディアスロー、ライトロックや大型狙いは71パワーフィネスプラス、といった感じの使い分けです。
もちろんシチュエーションでも使い分けしますが、スローテーパーでは攻め辛い、藻場や消波ブロック、磯場などは、この71パワーフィネスプラスが最適です。
私がライトロックで多用するのが、このモデル。
59のディアスローでは攻められない、海藻が生い茂る藻場を攻める場合、消波ブロックの隙間を狙う場合、この71ML+が必要となってきます。
こういったシチュエーションでは、魚の重量だけでなく、時には海藻ごと引きずり出してこなければいけないことが多々あります。
ただパワーがあるというロッドではなく、あくまでベイトフィネスモデル。フィネス部分が一番の強味。そして30cm未満のロックフィッシュも楽しめるのが大事なコンセプト。
これはソルトのベイトフィネスを構築してきた当初からのコンセプト。
新たに変えていくことも大事ですが、守らなければならない事もあるのも重要。
71ML+の開発を通して感じたのが、フィネスながら、MAGNUS製法を採用することで、でかなり無理難題な大型にも対応出来るようになるというのが新たな発見。
フィネスなロッドで、魚を引きずり出してくる感覚はアングラーにとって、たまらない瞬間です。このロッドで獲った魚は、サイズに関わらずアングラーの脳に深く印象を残してくれる、そんな仕上がりになっています。
アーネストの船長、タカさんも、こんな見た目キャシャなロッドから想像出来ない秘めたポテンシャルに正直驚きだ、との最初の使ったときの印象をそう語っています。
こだわりのオールコルクグリップ
正直、今までロックフィッシュロッドの開発において、積極的にコルク素材をグリップに使ってきませんでした。その理由としては、コルクの方がEVA素材より使っていくうちに黒ずんでしまう、という経時変化がEVAと比べ起き易いからで、無難なEVAを採用してきました。
しかし最近感じるのは、コルクがアングラーに非常に好まれるということ。それは釣りをすればするほど、釣り経験が長いアングラーほど、その傾向があるのかもしれません。アーネストの佐藤キャプテンもコルク素材にこだわった一人。
見方を変えれば、コルクの方が使えば使うほど味が出て、自分の相棒として愛着が沸く、という方も多く、私もコルクの良さを再確認しています。
実際に過去、EVAとコルクの感度測定を実施しましたが、コルクの方が振動する波形が大きく、手元にアタリやラインを通じて多くの情報が伝わりやすい事が分かっています。
しかしコルクには弱点があって、自然なものなので、入手困難な時がある、また品質がものによってマチマチといったことがあります。よってグレードが低いコルクを使うと、スカスカになってすぐにボロボロになってしまいます。安いグレードは穴が多いので、そこにパテ埋めしているのが原因です。
そのデメリットを極力減らすために、XrosSensitiveに使われるコルクは、トリプルA、つまりAAAコルクを指定し、製造されています。
全国各地でフィールドテストを実施
このクロスセンシティブを開発するにあたり、全国各地でテストしています。
南はハタ系でテスト、北陸ではキジハタ、タケノコメバルをターゲットに。東北ではアイナメ、クロソイ、ベッコウをターゲットにテストしています。またロックフィッシュ以外にもブラックバス、雷魚、ナマズ、ヒラメ、怪魚など、あらゆる魚種を視野に入れてテストを進めています。
この時も状況に恵まれ、一本目から48cmと良型のオオモンハタを71ML+のプロトで仕留めました。
1オンスのシンカーにブレードを装着し、その操作性とキャスト性能、魚を掛けてからの曲がり、バレにくさ、そして思いっきり曲げての実際の強度を、現場で一つ一つ確かめていきます。
メインラインは、スーパーファイヤーライン、ウルトラ8の1号。リーダーはバニッシュレボリューションの18Lb。そのシステムでテスト。
その様子をこちらの動画でアップされていますので、実際にどういった曲がりをしているのか? その点に注目し、見て頂けると幸いです。
【大型オオモンハタ連発】開発メンバーも感動の出来上がり!最新ロッドテストで爆釣!【地球遊び 245】
食い渋った時は、シンカーのウエイトを3.5gまで下げられるので、3.5gから30gと非常に幅広いウエイトのリグが使える汎用性の高さが魅力となっています。
佐藤キャプテンのコメントにもある通り、このロッドはロックフィッシュだけの範囲に留まらず、MAGNUS製法の効果によって、実に様々な魚種で使用出来ます。それは中途半端で使える、ということではなく本気で使えることを意味し、専用ロッド以上のパフォーマンスを目指しています。
大型のバス、大型の雷魚にナマズ。マゴチ、ヒラメ、そしてもちろん怪魚にも。色々な魚種をターゲットにテストを実施。狙える魚種に限りはありません。
この1本で、あらゆる釣りに使って欲しい、という願いが込められています。
長く使うことで、右腕として、相棒として欠かせないロッドになることと信じています。
最後に、これはテスター、プロ、船長達が口を揃えてコメントしてくれるのですが、従来のブランクスだと、竿が曲がったら曲がりぱなしで、全然魚が寄ってこない。しかし新しい横材が100%カーボン繊維のMAGNUS製法によって、楕円から真円に戻る収束率が高く、「溜めているだけで魚が寄ってくる」と全く同じコメント。
使えば使うほど、このロッドに秘められたポテンシャルを感じる仕上がり感を、是非現場で感じ取って頂きたいロッドです。
以上、2023年秋の発売を目標で開発を進めているG-TEC ロックフィッシュシリーズについてご紹介しました! 楽しみにしていただければウレシイです!