今江克隆のルアーニュースクラブR「2023年新作ルアー第1弾!イモグラブ系スティックベイト『エビゴリ君(仮称)』を紹介」の巻 第1130回
強く意図した3つの機能
このイモグラブの「機能性」で強く意図した狙いは3点。
第一に、最大に重視したのは、霞水系や水路等でのオカッパリで最も出番の多い2.5~2.8インチの一口サイズで、同クラスのイモグラブ系最強で最簡単のスキッピング性能を持つこと。
誰でも超簡単に、ストレスなく、最奥の最奥までベイトタックルで美しい飛び石スキッピングが決まること。
実は、後にも先にもこの機能がイモグラブの今江的には全てだと思っている。
そのための実戦的な重さ(比重)と大きさのバランス、スキップに適した形状を煮詰めに煮詰めてある。
第二に重視したのは、重さとフォールスピードの姿勢とバランス。
水深50cm程度が勝負レンジとなる霞水系では高比重過ぎると不自然さがともない、バイトが減る。
投げやすく扱いやすいがフォール速度は抑える。
そしてボトムで横倒れしないゴリっぽい姿勢。
これは厳太郎プロデュースの「ゲンタボー」の大事なコンセプトでもある。
第三の機能性として重要視したのが、仮の名前の「エビゴリ君」の通り、カバーの最奥に差し込むときには「エビ」が岸際の木の根っこなどに逃げ込むイメージ、そして最奥に入ってからは返しのスイミングで今度は岸の浅場からカバーの外への沖へと逃げる「ゴリ」をイメージする動き(波動)を演出できること。
差し込むときはエビの素早い水面逃走アクションと失速するかのようなスローフォール、脱出する時は水を押しながら中層ドックウォークし、パニックになって逃げだすゴリの逃走中層波動を演出する。
独特のフォルム
この3つの機能性を実現するためのシルエットが、最終形状の独特のフォルムになった。
この形状は、ただザリガニの形状を模したものではなく、ハサミの腕部分の張り出した凹凸溝が水を受け、ネジレを抑えながら左右に頭部を振る動きを生みだす、水ウケのリップ効果を持っている。
同時にポッパーのような開口部はレイダウンやアシに引っ掛からないことを計算に入れつつ、水を掴む抵抗感とトウィッチ時の水押しパワーを発揮させている。
この3大機能性を特徴としたうえで、フックをセットする時のイージーさとフィットの美しさ、強いスキッピングでもエビ状に曲がってしまわないボディクビれ強度など、十分な実戦テストを繰り返し、最終的に現在のカタチに仕上がったものである。
シンプルなだけに余計なことをすればするほどダメになるスティックベイトだが、「エビゴリ君」はその難題をクリアできた念願のイマカツ的イモグラブの結論になったと思う。
現状、製造過程の問題がなければ3月末~4月頭デビューが予定されておるので、店頭で見かけたら、ぜひ一度、この春に使ってみてほしい。