今江克隆のルアーニュースクラブR「2023年新作ルアー第1弾!イモグラブ系スティックベイト『エビゴリ君(仮称)』を紹介」の巻 第1130回
あけましておめでとうございます! 2023年も「ルアーニュースクラブR」を、よろしくお願いします。
さて、2023年年明け一発目の記事は、フィッシングショー直前(今年はうれしい?諸事情で、横浜・大阪ともに不参加予定ですが……)ということで、今週からしばらくは今江克隆関連2023年デビュー予定の新作ルアー情報を、マーケットリリースが近いモノから順に紹介していこうと思います。
絶対的自信アリ!なイモグラブ系スティックベイト
その一発目のルアーは、昨年は霞ケ浦水系での釣りがやたらに多かったこともあり、そのフィールド的な絶対ニーズに駆られてWBS強豪プロである大藪厳太郎プロと一緒に地道に極秘裏に開発を進めてきた絶対自信のイモグラブ系スティックベイト「エビゴリ君(もちろん仮名)」を紹介しよう。
「イモグラブ」といえば、今や当たり前のジャンルだが、この「イモグラブ」のもともとの発祥は、JBワールドシリーズ時代、自分がTV番組のカメラを同船させた野尻湖の試合で、「ゲーリー」の「3インチグラブ」をテールカットし逆付けしたノーシンカーリグのバックスライドで桟橋を攻め切って表彰台を獲得したのがイモグラブのメディア初デビューである。
30年以上前、某TV番組「マッチプレー」で田辺哲男プロと河口湖での対戦の日の朝、ゲーリー山本氏から「ティーズワーム」のテールハーフカットを直伝してもらったことで絶対不利といわれたこの対戦に勝利し、それ以来、「素材」に優れたゲーリーのワームは、テールカットすることでさらなる「素材の威力」を発揮することを学んだ。
その発想が、「3インチグラブ」のテール全カット逆付けに繋がり、野尻湖桟橋攻めからイモグラブが誕生したのである。
素材が命!
昨今はデプスの「カバースキャット」によるボトムジャークが琵琶湖を筆頭に再流行しているが、ことイモグラブに関しては昔からひとかたならぬコダワリがあるのだ。
そのコダワリとは、イモグラブで最も重要なことはそのシンプル極まりない形状ゆえに、絶対「素材が命」になるという事実だ。
すなわち、動かなくても、放っておいても、バスが思わず拾い喰いしてしまうような「生きた食材感」ともいえる素材の魅力があるということだ。
この最重要点をクリアできない限り、正直なところゲーリーに勝るイモグラブは作り得ないと思っていた。
それが過去幾度かイモグラブのプロトは作りながら製品化を断念していた理由である。
だが、ここ数年、琵琶湖を筆頭に大流行しているデプスの「カバースキャット」は、まさにそのゲーリーにも勝る素材感を実現し、さらに「ボトムジャーク」という機能性を付加させたことで、イモグラブ越えを果たした稀有な存在だと思う。
ということで、イモグラブはまずは素材ありきってことだが、めちゃ地味なイモグラブ系を今年1発目の新製品紹介に持ってきたということは、それだけ「放っておいても拾い喰う」素材感に自信が持てたということだ。
というか、そのために生産工場まで変えたので……。
機能性を煮詰める
そして素材のメドが付いたことで、残る機能性を昨年は霞ケ浦水系で煮詰めることになった。
その霞水系での練習では、WBSプロの大藪厳太郎プロと同船する機会が多く、自分が狙っていた霞水系でのイモグラブの絶対必須機能に並々ならぬ興味と共感を持ってくれた。
それだけ霞水系では絶対になくてならないワームだということでもある。
そこから某超大手広告代理店でアートディレクターを長年務める厳太郎が、自ら私と彼の理想のカタチを3DCAD等ではなく、ハンドクラフトでモックアップしてくれたことで、とても高度な造詣プロトを短期間に多数テストすることができた。
ルアー釣りを深く知らない3DCADデザイナーがアングラーの書いた絵やイメージから造詣化するのと違い、ルアーの動きのキモとなる水流抵抗や姿勢、狙いの機能などを深く理解したアングラー自らが造詣を手掛けるのとでは雲泥の差が出ることは紛れもない事実だ。
「エビゴリ君」の機能面で重視した3大性能とは?