【ソルティーステージ プロトタイプ】TAF製法のメリットとは?TAF製法の設計者であるトモ清水が語るTAF製法の秘密
WEB連載「トモ清水のガッ釣りソルト」第182回
【ソルティーステージ プロトタイプ】TAF製法のメリットとは?TAF製法の設計者であるトモ清水が語るTAF製法の秘密
新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
今年はまた新しい時代が始まりそうで、今からワクワクしています。
とは言ってもこの原稿を書いているのは12月師走。忙しくあちこちを走り回っている状況で、その1つとして千葉県にある木更津高専に伺ってきました。
第3者機関でロッドの感度計測
目的は第三者機関による釣竿の感度測定。17年前にお世話になった時は、共同研究で「釣り竿の振動特性と感度に関する研究」というテーマで、当時の学生である亀山祐樹君が2006年度の若手優秀講演フェロー賞を受賞するなど、日本機会学会での優秀な研究となりました。私にとっても良い経験で非常に勉強になり、科学的な目線からロッド開発するきっかけとなりました。
その後もマイクロガイドシステムとノーマルガイドの感度の違い、EVA素材とコルク素材の感度測定など行ってもらい、科学的な根拠に基づいてロッド開発を行ってきました。
その結果、アブガルシアのバスロッド「ファンタジスタ」。そしてソルトロッドにMGS、つまり軽さ、感度の点に優れているマイクロガイドシステムを業界初で搭載しました。
その後、富士工業さんからKRコンセプトガイドが発表され、時代はガイドの小口径化が進み、一般化しました。
ということで、今回も木更津高専のいつもお世話になっています板垣先生に協力をご依頼させて頂き、学生さん達にも協力して頂いて新しい研究を行うことに。感度測定以外にもロッドの違いによる飛距離測定も行い、ロッド開発に繋げたいと考えています。
この研究は来年新しいことを始めるための新たな挑戦であり、またその結果を皆様にご報告したいと思います。
1日中、色々な予定で千葉を駆け回ったあとは、そのまま千葉に泊り、翌日はカンパチが釣れている、という茨城県の波崎地区にジギング釣行に行ってきました。
ジギング釣行レポート
久しぶりに訪れたのは、波崎から出船している征海丸さん。コロナ前はアブガルシアCUPなどジギングのイベントを頻繁に行っていました。
征海丸さんは、昔から新しい開拓を積極的におこなっているジギングのパイオニア的な船宿。1年通して、ワラサ、イシナギ、ヒラメ、カンパチ、ヒラマサ、ホウボウなど、数えきれないほどあらゆる魚種をジギングで狙えます。
当日、外洋にしては穏やかな天候。絶好のジギング日和。自ずと朝から期待が高まります。今回のメインタックルは、2021年にリリースされたばかりのアブガルシア「ソルティーステージ プロトタイプ ジギング」。スピニングとベイトタックルを使い分けてカンパチをメインに狙います。
製品名 | タイプ | 継数 | 全長(ft/cm) | 仕舞(cm) | 標準自重(g) | 先径(mm) | ルアー(g) | リーダーライン(lb) | PE Line(号) | パワー | テーパー/アクション | 製法 | 使用材料 | 税別価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
XJGS-64-0-MAX150 | SP | 1 | 6’4″/193 | 193.0 | 133 | 1.62 | ~150g | ~50 | ~2.5 | 0 | ファースト | TAF | カーボン100% | ¥27,000 |
XJGS-63-1-MAX180 | SP | 1 | 6’3″/190.5 | 190.5 | 142 | 1.74 | ~180 | 〜60 | ~3 | 1 | ファースト | TAF | カーボン100% | ¥27,000 |
XJGS-61-2-MAX200 | SP | 1 | 6’1″/185.4 | 185.4 | 160 | 2.3 | ~200 | 〜80 | ~4 | 2 | レギュラーファースト | TAF | カーボン100% | ¥27,500 |
XJGS-60-3-MAX250 | SP | 1 | 6’0″/182.9 | 182.9 | 184 | 2.3 | ~250 | 〜100 | ~5 | 3 | レギュラーファースト | TAF | カーボン100% | ¥28,000 |
XJGS-57-4-MAX300 | SP | 1 | 5’7″/170.2 | 170.2 | 191 | 2.43 | ~300 | 〜120 | ~6 | 4 | レギュラーファースト | TAF | カーボン100% | ¥28,000 |
アブガルシア公式「ソルティーステージ プロトタイプ ジギング」の詳細ページはコチラ
朝からカンパチの活性は高く、おまけにサイズもいい! やはりカンパチは食味も抜群で、青物の中でもトップクラスに釣れて嬉しい魚種です。
同行した釣友のミドリさんも「ソルティーステージ プロトタイプ スロージギング」で次々とカンパチを掛けていきます。誘い方としては、キビキビとしたワンピッチジャークでも、ゆっくりとしたスローピッチでも、両方とも反応する感じ。
製品名 | タイプ | 継数 | 全長(ft/cm) | 標準自重(g) | ルアー(g) | リーダーライン(lb) | PE Line(号) | パワー | テーパー/アクション | 製法 | 使用材料 | 税別価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
XSPC-63-1-MAX80 | BC | 1 | 6’3″/190.5 | 111 | 20~80 | ~20 | 0.5~1.2 | 1 | レギュラースロー | TAF | カーボン100% | ¥25,000 |
XSPC-63-1.5-MAX150 | BC | 1 | 6’3″/190.5 | 113 | 30~150 | ~30 | 0.8~1.5 | 1.5 | レギュラースロー | TAF | カーボン100% | ¥25,500 |
XSPC-63-2-MAX200 | BC | 1 | 6’3″/190.5 | 121 | 50~200 | ~40 | 0.8~1.5 | 2 | スロー | TAF | カーボン100% | ¥26,000 |
XSPC-63-3-MAX250 | BC | 1 | 6’3″/190.5 | 125 | 70~250 | ~50 | 1~2 | 3 | スロー | TAF | カーボン100% | ¥26,500 |
XSPC-63-4-MAX300 | BC | 1 | 6’3″/190.5 | 125 | 100~300 | ~70 | 1~2.5 | 4 | スロー | TAF | カーボン100% | ¥26,500 |
XSPC-60-6-MAX500 | BC | 1 | 6’0″/183 | 128 | 150~500 | ~80 | 1~4 | 6 | スロー | TAF | カーボン100% | ¥28,000 |
アブガルシア公式「ソルティーステージ プロトタイプ スロージギング」の詳細ページはコチラ
「スキッドジグ」でダブルヒットもあるほど、カンパチが高活性な日。
特に朝マヅメは高活性でした。あとはポツポツ拾っていくような感じで、やはり朝マヅメに効率よく釣っていくことが釣果に繋がるポイントでした。
ロッド:ソルティーステージ プロトタイプ ジギング(XJGS-63-1-MAX180)【アブガルシア】
リール:レボALXシータ(#5000)【アブガルシア】
ライン:スーパーファイヤーライン(1.5号)【バークレイ】
リーダー:40Lb
メタルジグ:ソルティーステージ 微弱メタル(150g)【アブガルシア】、スキッドジグ(100g)【アブガルシア】
ロッド:ソルティーステージ プロトタイプ スロージギング(XSPC-63-1.5-MAX150)【アブ】
リール:ソルティーステージレボLJ-4【アブガルシア】
ライン:スーパーファイヤーライン(2号)【バークレイ】
リーダー:40Lb
メタルジグ:ソルティーステージ 微弱メタル(150g)【アブガルシア】、スキッドジグ(100g)【アブガルシア】
TAF製法がもたらすジギングにおけるメリット
2021年にフルモデルチェンジを果たしたソルティーステージ。1番大きな進化はなんといってもブランクス。そのロッドの心臓部であるブランクスが、ハイエンドで採用されている国産で現在考える最高の素材である東レのフルカーボンを使って作られています。
アジングロッドやバスロッド、シーバスロッドなど多岐におよぶジャンルでTAF製法が採用されていますが、大型魚を狙うジギングでこそ、TAF製法を設計した私、本人が一番そのブランクス性能が活きてくるのではないか、と考えています。
前述通り、この新しいソルティーステージ・プロトタイプのジギングロッドは、100%国産のカーボンプリプレグを採用したTAF(タフ)製法のブランクスなのですが、これによって、ジギングというハードなイメージから、ロッドは軽く、パワーもあるので、誰もが楽々ジグをシャクれるタックルになっているのが特長。
タックルの進化によって、ラインもロッドもリールもライト化され20年前と比べると比較にならないほど楽になったものです。
TAFブランクスのメリット
TAFブランクスのメリットは、このように魚の引きをためているだけで、魚をリフトさせるところ。よって溜めているだけでも魚を自動的に寄せれますので、大型魚に対してもスピーディーかつ魚をバラさないように引きを吸収し、ランディング率を大幅に上げてくれます。
・軽い力でジグがキビキビと動く
・魚を浮かせるリフティングパワーで魚とのやり取り楽
・大きい魚のキャッチ率がUP
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ジギングで最も大事なこと
この日はカンパチ以外にもマハタがかなりヒットしていました。
釣ったカンパチとマハタを丁寧に血抜きし、神経締めもして処理します。そうすることによって魚を数日寝かせて、さらに美味しく頂けます。
処理した後は、クーラーに海水と氷をいれた氷水で一気に冷やします。そして帰り際には、その水を抜いて、魚をビニール袋に入れ、真水に干渉しないようにするのがコツです。
ジギングを長年やっていると、多く釣ることよりも、釣った魚をいかに美味しく頂くことに力を注ぎたくなるもの。限りある貴重な資源、大事に感謝して頂きたいものです。
全国各地でテスト
わたくしトモ清水は、ジギング大好きアングラー。その大好きなジギングのロッドには、やはり開発者魂は入れたくなるもの。これまでジギングにおいてもプロアングラー、凄腕船長達と様々なジギングロッドを開発してきましたが、自身も大好きなので、全国各地に飛び回ってテストを実施。
トカラ遠征や対馬遠征、小笠原遠征、北海道遠征など。まぁテストという名目で大好きなジギングを全国各地で釣りさせて頂いている、というのが本当のところでしょう。
ジギングといえば、やはり九州。このプロトタイプのジギングロッドを開発するにあたり、沖ノ島や平戸、五島列島など足を運び、テストしてきました。もちろん九州以外にも実家の北陸でブリ狙いやアラ狙い、大物だけでなく、根魚やマダイ、ヒラメなど、あらゆるターゲット魚種でテストを実施。
やはり大好きなジギング、納得いくまで作り上げたい。そうして作られたのが「ソルティーステージ プロトタイプシリーズ」です。
さぁ真冬の寒さになってきましたが、防寒対策をしっかりして、今度は真冬の日本海、寒ブリを釣りに行く計画を立てています。
波崎ではまだまだカンパチが釣れています。この感じだと1か月しばらく好釣果が続きそうな気配。皆様も絶対楽しいジギング、やってみませんか!? 昔のキツくてツラいイメージはもはやなく、快適で楽しい、そして気軽に大物を狙えるのが現代のジギングではないでしょうか。
トモ清水でした!
See you next time!
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