ルアーフィッシングのトピックをこまめにお届けする釣りの総合ニュースサイト

LureNews.TV YouTube Channel

【メガバス/サザンカ140F】監修した田口知宏氏に訊く「7つ」のこと

寄稿:田口 知宏
  • X
  • Facebook
  • Line
  • はてなブックマーク

メガバスから先日登場した話題のウエイクベイトサザンカ140F

色んなアプローチが可能となったハイアピール2WAYビッグウェイクベイトについて、監修した田口知宏氏本人にあれこれ聞いてみました!

田口 知宏(Taguchi Tomohiro) プロフィール

涸沼をホームグラウンドとし、年間を通してシーバスを一筋に追い続けるアングラー。 頑固一徹オヤジで有言実行が座右の銘。fimo主催の凄腕で2015年全日本シーバス選手権年間グランプリ獲得を年初に宣言し成し遂げた。自称、走り出したら止められない猪みたいなサイコ野郎。釣れないボイルは無い!が口癖。メガバスプロスタッフ。茨城県水戸市在住。

①:サザンカ140Fと他ウエイクベイトの違い

大きな違いは、リップ付きでありながらS字軌道を演出できる事

ウエイクベイトは、基本ただ巻きで使用する事で強い波動を発生。シーバスに気付かせてバイトを持ち込むのが一般的な使い方です。時合い中であれば容易に反応させられますが、ニュートラルなシーバスは反応しない…というのがネックでした。

サザンカはただ巻きとS字アクションとのコンビで、波動で気付かせた後エサが逃げる動きを演出。ニュートラルなシーバスに捕食スイッチを入れてバイトに持ち込込んでしまう脅威のルアーです。また、飛距離に関しても「LBO II」を搭載することにより、群を抜く飛距離となっています。

②:こだわった点

こだわった点は、秋に太いランカーを量産できるルアーということ。

大量のエサに埋もれない、エサより太く、エサより強く、そして今まで届かなかったエリアに届く飛距離の出るウエイクベイトが開発コンセプト。そこで、秋に照準を絞り140mm・50gを着地目標としてスタートしました。

特にこだわったのは質量と浮力とリップ形状の3点になります。

質量と浮力

まず質量について、何故50gを目標にしたのか?…それは同サイズのイナッコの質量が50g前後のウエイトだから。計測の為ポケットにイナッコを入れて持って帰り、嫁に怪しまれた経験があります(笑)。実際、ナイトゲームまたは濁り時、シーバスの捕食判断は側線で感じる水推しに頼ります。つまり、ルアーが静止状態でもエサだと思わせるのは、エサと同じ“質量”に違いないのです。

そして浮力へのこだわり。エサより太いボディがコンセプトですが、太ければ空気量も増え浮力は増します。メガバス開発担当陣には手間を掛けさせてしまいましたが…45g〜55gまで細かくウェイト刻んでサンプル製作して貰い、どこが最適な浮力なのが確認しました。誤爆の出ない水馴染み、レンジの入れやすい浮力を徹底追求しています。

S字軌道も描くリップ形状

またリップ形状も沢山製作して頂きました。サザンカに実際に採用された幅広いリップ形状の時にS字が入ったのをヒントに、故意的に静止状態からもS字に持ち込めないかと更にリップとボデイシェイプを突き詰め、唯一無二なアクションの完成となりました。

つまり、絶妙なウエイト配置とメガバスの開発技術が、奇跡のリップ付きS字2ウェイアクションを生み出した訳です。

③:有効なシーンとは

イナッコ・ボラ・コノシロ・鮎等、大きめのベイトパターンでエサが多い状況。特に従来のウエイクベイトでバイトに持ち込めないシーンで有効。

また、雰囲気を感じられない静寂時には、リーリングジャークでS字織り交ぜると突如シーバスのスイッチが入ります。変幻自在なアクションがサザンカの武器ですので、あれこれ試してみてください。

④:タックルについて

タックルは開発時から完成まで、すべて同じタックルで通しました。参考までに。

ロッド:空海 CK-93MH +S(メガバス)
リール:22ステラ4000MHG(1回転94cm/シマノ)
ライン:ピットブル8+1.5号(シマノ)
リーダー:グランドマックスショックリーダー6号(シーガー)
スナップ:オーシャンスナップ#3(スタジオオーシャンマーク)

⑤:使用時のワンポイントアドバイス

未だかつて届かなかったエリアへ届けるMAX飛距離を確保する為に、MHクラスのロッドを使用して振り抜いて頂きたいです(Mクラスのロッドでは差を感じて頂けない)。届かなかったボイル攻略に、是非MHクラスのロッドの使用をお願いします。

もう1つ、サザンカが完成に至った水温は20℃程度です。水温の低下で10℃程下がると、その分浮力が大分増してしまいます。水面直下S字がやり辛い状況になったら、センターフックを太軸に変更、またセンタースプリットリングを太軸に変更すると操作性が上がりますのでお試しください。

⑥:カラーチョイス

そしてカラーについて。私好みのセレクトになりますが…いくつかオススメをご紹介いたします。

デイゲーム

■青天時

※GP CLEAR BORAは太陽が真上時

■曇時またはマズメ時

■雨天または濁り

ナイトゲーム

青天満月時

雨天曇新月時

基本的には天気と水質とエサの量でカラーは変わるモノ。状況が変わったら、色の強弱を付けると釣果に繋がります。

⑦:最後にメッセージ

今回、メガバスに「サザンカ140F」を製作して頂きましたが、正直これ以上のモノは作れない程、完璧な仕上がりとなりました。強く、太く、さらにアクション、飛距離、操作性、全てにおいて、私の欲しいモノ全てを形として表現して頂きました。

届かなかったボイル撃ち、トラブルの無い立ち上がり、ストレス無くレンジを入れてトレース可能、リーリングのみでのS字アクション、LBO II搭載にも関わらず2ノッカーラトル…など、数えればキリがありません。従来のウエイクベイトの操作=ただ巻きでのコールアップパワーを備えつつ、シーバスの捕食スイッチを入れられるS字アクションも加わった2ウェイアクションのサザンカ。

ただ巻きでバイトを待つだけで無く、こちらアングラー側から仕掛けて行ける楽しいルアーとなっております。ただ巻きで出ないシーンで、ルアーローテする前にリーリングジャークでS字絡めてもらえると、今まで拾えなかった、反応しなかった1本が釣果になることをお約束いたします。

是非、釣行のお供に宜しくお願いいたします。

関連情報

出典:YouTube「Megabass Channel」

出典:YouTubeチャンネル「fimoTV」

メガバス(Megabass)

1986年8月15日設立、静岡県浜松市を拠点とするルアーメーカー。デストロイヤーをはじめとする各ロッドシリーズ、各種バス、ソルトルアー、リールなど、あらゆるフィッシングタックルを輩出。 同社のCEO伊東由樹氏はアングラー、そしてルアー、ロッドデザイナーとしても有名で、同氏の手掛けるタックル&ルアーは実釣力の高さに加え、優れた機能美、造形美を放ち、国内外で高い評価を受けている。
釣りの総合ニュースサイト「LureNewsR(ルアーニュース アール)」