今回は編集部が開発者の方に開発経緯やその性能についてインタビューしてきましたよ!
編集部
コストパフォーマンスに富んだPEラインが全盛の昨今において、なぜこのようなコンセプトのラインを作りたいと思われたのでしょうか?
開発スタッフ
メバルやアジなど様々な魚種をターゲットとするライトゲームでは、魚種やメソッドの多様化により、ある種の成熟期を迎えつつあるカテゴリーともいえます。
その中で今回注目したのは、アジングのジグ単を主とする超繊細な感覚を要する最先端のメソッドに特化した道具です。
我々は、このような、もはやライトゲームというには繊細すぎるジャンルを「ソルトウォーターフィネス」と提唱し、その世界の開拓に傾倒するコアアングラーの一助になるようなラインを提供したいと思ったのが、開発をスタートするキッカケでした。
今までのライトゲームの世界観を超越する「ソルトウォーターフィネス」の世界へ。これを原動力に開発チームを発足し、とどまることのないアングラーの探究心を満たすラインの開発に着手したのです。
編集部
なるほど、本物を知るアングラーに向けて、ぜひモーリスの本気を知ってもらいたい、ということですね。
編集部
SWフィネスのコンセプトや世界観についてはよく分かりました。では、具体的にどんな商品を開発されたのでしょうか?
開発スタッフ
「ソルトウォーターフィネス用ライン」の素材として選んだのは、極細8ブレイドPEラインです。ただし、PEラインは、細くなればなるほど、細さ・耐久性・硬さなどのバランスが崩れやすくなり、総合点が低くなりがちです。直線強度がでても耐久性がなく簡単に高切れ、耐久性と細さに特化するとライン自体が硬くなりすぎてヒドい糸グセがでたりと頭を抱えたくなることの連続でした。事実、たび重なるテストのほとんどは、そのバランス取りに費やすことになるのですが、それでも、開発を突き進める開発陣には、極細8本撚りPEを採用することに対する迷いはありませんでした。
編集部
それはなぜでしょう? エステルやハイブリッド系ラインが主流になりつつあるアジングにおいて、PEラインを選んだ理由とは?
開発スタッフ
現在、数多くあるライン素材の中で、「ソルトウォーターフィネス」という、より尖った世界観を具現化するには、細さ・感度・強度を兼ね備えたPE素材以外にないと確信していたからです。
また、我々の培ってきた知識と経験によって、自信を持って提供できるレベルに引き上げるという覚悟がありました。
フィネススタイルを探求するアングラーの潜在的欲求を満たすため、コンセプトを曲げずにひたすら突き進み、やっと求めているものに辿り着いた時、視界が一気に開け、ソルトウォーターフィネスの幕開けを感じずにはいられませんでした。
編集部
尖った世界観や探求心、SWフィネスならではといった感じですね。それでは、そのポテンシャルについて具体的にお願いします。
開発スタッフ
完成された極細8本撚りPEから得られる恩恵は今までの同号数(4本撚り)のPEとは一線を画します。1㌘を切るジグヘッド単体の釣りでも十分な飛距離を確保してくれます。いつもの感覚で着水点を追うとリグを見失うこともあるほどです。また、ライン表面の滑らかさによる抵抗の少なさは特筆もの。「風切れ」と表現すると分かりやすいかもしれませんが、多少の風ならば苦になりませんし、軽量のリグを使用した際に感じる糸フケによる沈みの悪さも「水切れ」のよさがフォローしてくれます。とにかく一度使うと手放せなくなると思います。極細PEラインには若干扱いづらい面もありますが、各素材のラインに一長一短があるのは周知の事実。フィネススタイルを探求する尖ったアングラーには、尖ったラインが必要なのです。