今江克隆のルアーニュースクラブR「久々に感じた昭和的バッチバチ感、ヒリヒリ感!〜バサーオールスタークラシック2022参戦記〜」の巻 第1121回
ジャバロンの使い方
使い方については2パターンで、これはオールスターの動画を見てもらうのが最も簡単確実なので割愛する。
ただ、キーになった使い方は、うねる動きを敢えて気にしない「たまにフラつくi字巻き」、そして「カバースキャット」同様、ラインをボトムにしっかり敷いてから泳がせはじめるという点だろう。
自分のイメージでは、もともと「ジャバロンネオ97」を誰もが使う可能性の高い「カバースキャット」のかわりに使ってみて気づいた釣り方で、カバーに撃ち込んでも喰わないバスを、そこから泳がせて逃がすように追わせて喰わせるパターンだったからだ。
ドックウォークのカバースキャットに対し、弱々しいスイミングの「ジャバロンネオ97」、モンドリ打って喰う瞬間はたいていが枝や縦ストに「ジャバロン」が当たってヨロけるようにクネった瞬間である。
同じことを巨大化させた「ジャバロン140」で試したことが、今回のキーだった。
3本リミットビッグフィッシュ勝負のオールスターだからこそできたことだが、むしろ巨大化させたことでその威力は、はるかに強力になったことを実感した。
バックアップパターンは?
そして残りの4日間をひたすらキーパーバックアップのために費やし、北利根川に十箇所ほど、利根川に五箇所ほどピンスポットを見つけていたが、結局、2日目ラスト、帰着の駄賃に数箇所撃つことしかしなかった。
優勝以外価値のないオールスターで、ビッグフィッシュ2本で3kgを超える自信があったので、2本獲れずに弱気になってリミットメイクにいく選択肢は、結局最初から自分にはなかったのだ。
全盛期の自分なら……
結果はライブ配信で見ての通り、初日、あきらかに1,500gを超えるビッグフィッシュに15lbを切られ、2日目は、スタジオ中継中に値千金のビッグフィッシュをバラしてしまい、6位に終わった。
2本ともバスの姿を目視しで確認できているだけに、悔し過ぎる自分のミスだった。
リキんで余計な力を掛けてしまった初日……その後悔からアワセを若干スイープ気味に変えてフックオフした2日目……全盛期の自分なら、この2本は獲れていたと思う。
映像で見た結果論だが、優勝したモリゾー(清水盛三プロ)も、バラした落水した執念の4位の沢村幸弘プロも、2日目はやはりビッグフィッシュをミスしていた。
それだけに自分がノーミスであれば勝てた可能性が十分あった試合だったことが悔しい……。
だが、ミスをしてなお勝ち切ったモリゾーのオールスター勝利への執念とメンタルの強さこそが、勝者としての称賛に値するものだったと思う。
真実のみが語る
そして、デジタルウェイイン時の大画面動画を選手席から見て皮肉だったことは、初日5位、総合2位の早野剛史プロが2日目リミットを釣り切ったスポットは、北利根川で自分が選んでいたスポットと全く同じであり、練習中にもバッティングしていたスポットだった。
もし自分が2日目、「ジャバロン」のストロングパターンにこだわらず、まず3本リミット優先に切り替えていたら、これまた結果は極めて微妙な決着になっていたのかもしれない……。
結局、勝ち方にこだわる、クレバーに徹するのか、どちらの勝ち筋も見えていたのに勝ち切れなかったところが、今の自分の優柔不断さにあることを痛烈に思い知らされた。
これが一たび湖上に出たら、何が真実なのかわからない単独乗船トーナメントではなく、オブザーバーによる全参加選手動画撮影が義務付けられる、全てがリアルで隠しごとのないライブ配信、デジタル録画式ウェイインの新しいトーナメントならではの真実のみが語る魅力なのかもしれない。
オールスターは自分に向いている!
25年以上ぶりに参加した「バサーオールスタークラシック」、今年は初心者マークを付けての参戦、かつ日程的にも、全エリア的にも練習不足での参加としては、それなりの爪痕は残せたのかもしれない。
自分ならではのスタイルで、十分にTOP50の若手たちとも渡り合えるオールスターは、そのハデさも自分に向いている気がしたのが本音のところだ。
来年はTOP50ともども、もっと計画的に霞水系年間練習スケジュールを組んで、完璧でド派手な優勝を目指そうと思う。