ブレードジギング。
オフショアでブレードをセットしたジグを使用し「サワラ」を狙うゲーム。山口県岩国沖を皮切りに、伊勢湾や東京湾へと人気が飛び火。今や日本海でも人気になりつつある全国的に注目の釣り物。
その仕掛け人にしてムーブメントの渦中にいる1人が、シャウト!の小野誠である。
「こんなに釣れるのに、こんなにおもしろいのに、なんで身近な“大阪湾”でみんなこの釣りをしないんやろ」…秋真っ只中に行われた取材の事前打ち合わせは、そんな話から始まった。
これまでのジギングでは不可能だった「サワラだけを狙う」ということ
ジギングシーンにおいて、そもそも「サワラ」はその引き味、その食味から、釣れて嬉しいターゲットではあった。
こと食味に関して言えば、サワラはきちんと処理をしなければ身の傷みが早いことから、市場には生食用としては流通しづらく、新鮮な刺し身や炙りが楽しめるというのは釣り人の特権でもある。
ただ、専門に狙う術はこれまでに確立されておらず、青物狙いのジギングをしていて混ざればラッキー、そんなイメージが強い魚。ジグをシャクって日に船中で10本、20本上がることはまずない。ところがブレードジギングでは船中20本は珍しいとしても10本以上の釣果は何度も経験していると言う。つまり、サワラを効率よく、かつ高確率で狙える新しい釣りとして確立した釣りが「ブレードジギング」である。
ブレードジギングといえば、ブレードジグの早巻き。この釣り方こそが、“サワラだけを選んで釣ることができる釣り方だ”と小野氏は言う。
ハマチなどの青物とサワラの魚体を見比べたとき、サワラは細く尖っている。これすなわち遊泳力が高い=青物より早く泳げる。これが早巻きのミソ。青物が追いつけないスピードでジグを巻き切ることがサワラだけを選んで釣ることができる理由。
また、ストップ&ゴーなど食わせの間を入れると青物が食ってしまうため、極力ティップを固定してただただ棒引き。これもサワラを選んで釣る釣り方のキモだとも。