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今江克隆のルアーニュースクラブR「溺愛のクランク!秘密のクランク!秋はクランクベイト!今江的見解を紹介」の巻 第1117回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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「R」の意味

またIKクランクの中でも、近年リザーバーのトーナメントで高い実績をだし、その威力が再評価されているクランクがある、それが「IK400R」だ。

基本的に自分が作ったプラグで、末尾に「R」が付いているモノは、完全に日本のトーナメントでの実戦力を重視したアクションで、「R2」になるとさらにその傾向が大きいモノになる。

発売当時、人気がなかった「IK400R」は、のちに「カオスダイバー400」へと4mレンジを受け継ぐことになる。

その違いは「IK400R」は、4m潜るにもかかわらず、動きがシャッドライクで巻き感が極めて軽いこと、そして逆風でも弾丸のように飛ぶことに主眼を置いた「弱さが強さ」の珍しいトーナメントクランクである。

㊦が「IK400R」、㊤が「カオスダイバー400」。リップの付け根を折れるギリギリまで絞り込んだのが「R」の証明。この限界ギリギリの絞り込みで巻き感の軽さと潜行能力を維持し、抜群の飛距離を実現した

ある意味「カオスダイバー」は、アメリカンクランク好きなディープクランクらしい動きを意識した「通常時」に強いDCという位置づけになっている。

ところが、全国のフィールドがタフ化し、アングラーのスキルがトーナメンター並みになってきた現在、今やレアモノの「IK400R」の人気がローカルアングラーを中心に高沸してきたのは、皮肉な結果である。

「IK400R」と「カオスダイバー400」。トーナメント専用に作った「IK400R」、アメリカンクランクのパワーを持たせた「カオスダイバー400」。時代は平常もすでにトーナメントレベルなのかもしれない……

シャロー、ミドルクランクの名作

そして、DCとは少し違うが、今江的にイマカツの稀代の名作思っているのが「IK180」と「IK50R」だ。

特に「IK180」で業界でも初採用した通称・反町クンこと「ワインドリップ」のアクションは、あきらかにフラットリップとは違う甘くて丸い?ソフトで強い波動を発生させると同時に、何よりズバ抜けたロック、ティンバー等の障害物回避性能を発揮する。

この独特の反り返ったリップにして、飛行姿勢を固定重心で実現できたことは奇跡に近い完成度だと、自分では今も思っているほどだ。

多分?世界でも先駆けとなった通称ソリマチ君「ワインドリップ」を搭載した「IK180」(奥は「ランボルト120」)。特にグラスロッドで引くと、その波動の甘さと太さを実感できる

反り曲がった「ワインドリップ」は、重心バランスが取れていないと全く飛ばない。それを重心移動ナシで解決し、唯一無二のアクションを生みだした今江的名作クランク

自分の「ワインドリップ」への信頼は、その後、琵琶湖専用モデルとして開発した「モザイクBWK(BIWAKO)シリーズ」の多くの機種にも受け継がれている。

「ワインドリップ」は、エビモなどのウィードのスリ抜け回避力にも抜群の効果を発揮し、今江的には最もブサイクで人気がなかったシャローモデルの「BWK200」(実際は2mダイバーだった)は、今でも復活させたいと思うほど名作だと思っている。

だが、残念なことにこの頃に琵琶湖はリリース禁止となり、自分がトーナメントプロとして琵琶湖でBWKシリーズの威力を実証する機会はなくなってしまった……。

「モザイクBWK」シリーズ。琵琶湖のウィード攻略専用に開発した今江的には名作クランク。リリース禁止で琵琶湖において自ら結果を残せなかったことが、残念至極なディープクランク達だ

だが、霞ヶ浦での試合が多い最近は、「IK180」と同じボディで「IK100R2」がホンキでほしいと思いはじめている。

「IK180」を小型化した「ランボルト120」を作ったが、バスの絶対数が減り、個体が大きくなった今、クランクはシャッドと被る小型化ではなく飛距離とパワー、抜群の回避力こそ必要性だと強く感じている。

そんな中で今年のオールスター霞ヶ浦全域戦に向けて、自分の大好きだったシャロークランク「IK50R(ラウンドリップ)」のアップデートを密かにおこなっていた。

もともとバルサにも劣らぬほどのハイピッチ明滅ロールが特徴の「IK50R」だが、このハイピッチとスローでもクルクル回っているかのように見える明滅を維持しつつ、もっと質感(水押しパワー)をあげられないかと試行錯誤したプロトモデルである。

オールスター戦用に改造した「IK50R」。まだそのチューニングは内緒だが、「IK180」の波動を目指している

恐ろしいほどバスが減った霞ケ浦水系の今を見れば、今後のプラグの目指すべき方向性は「小さくても遠くから見つけてもらえる大きな波動」そして、「バスが見つけて近づいてきた時、怖さを感じさせない波動」という二律背反の動きが必要なのかもしれない。

最後に、現在も自分が大切にここぞ!という場面でしか使わない「秘密のシャロークランク」3選を写真だけ載せておきます。

今江的に秘密のシャロークランク三選。1つは伊豫部健クンも秘密にしているシークレットクランク。残り2つしかなく、死に場所を探しているところだ

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