今江克隆のルアーニュースクラブR「溺愛のクランク!秘密のクランク!秋はクランクベイト!今江的見解を紹介」の巻 第1117回
今週は、本来ならつい先日まで滞在していたTOP50最終戦・桧原湖(福島県)のプリプラ総括を書く予定だった。
しかし、毎度このタイミングでのプリプラ記事は写真の背景も入れられないうえに、ルアーや釣り方についてもあかせないことも多く、つまらない記事になってしまうのが悩みだ。
そこでプリプラ総括記事は来週の試合直前号の記事として、今週は今からのシーズン、最も熱くなる「ディープクランク」について今江的見解を書いてみたいと思う。
「秋といえばディープクランク」の理由
秋といえば「ディープクランク」は、もはや絶対定番のプラグだが、その理由は、ターンオーバーによってベイトが湖のどの水深にも散りはじめた状況で、水温変化に敏感なベイトを追って大型のコンディションのよいバスほどディープのベイトについてターンの影響の少ない深場(水深6~8m付近)を広く回遊しはじめるからにほかならない。
さらに水が悪くなるこの時期からは、移動の範囲と回遊速度が速くなるうえ、スローな喰わせに反応するバスが少なく、リアクション的なトリガー要素と、フックの多さによる掛かりのよさが、ライトリグを上回る結果をだすことが多くなる。
そんな理由から、10~11月は「ディープクランク(以下:DC)」の威力が、もっとも効果的に発揮される時期でもあるといえるだろう。
最強のディープクランクは?
まず、今江的にこの時期最強といっても過言ではないDCは「IK500R2」だ。
「IKクランク」の中でも、自分がもっとも溺愛し信頼するクランクで、USバスプロのレジェンドであるラリー・ニクソン氏のリクエストで特別にセクシーシャッドカラーを作り、氏の優勝に貢献した実績もあるモデルだ。
何がよいのかと具体的に聞かれると、明確な答えをいいにくいのがDCの特徴?でもあるが、今江的に「IK500R2」のよさは、逆風でもクラス最高飛距離をだせる「投げ感」と、しっかりと5m潜るのに、1日中でも巻き続けられる「軽い巻き感」が極めて高いバランスになっているからだと思う。
また、リップとボディの重量比率バランスがよく、根掛かりが少ないことも特徴で、それゆえに池原ダム(奈良県)では、現在も人気クランクとしてたびたびロクマル捕獲の報告を聞いている。
キワモノから定番へ
この「IK500R2」と並んで、ここ数年、とても高い実績と人気となっているのが「IK800R2」だ。
発売当時は、そのゲテモノ的外観からキワモノ扱いされたが、PEラインによる8mクランキングが一般的になってきた現在、定番ルアーとしての地位を確保しつつある。
今でこそ「ディープトレーサー」等のシンキングアシストリグがあるが、この「IK800R」には、クイックシンカーハンガーがアクションの妨げにならないリップ裏面に装備されており、50m以内のドラッギングで余裕の水深8mレンジを攻められることが最大のメリットだろう。
近年は、桧原湖、亀山湖などでPE0.8号を使用した強靭なスピニングタックルによるフルキャストで、水深6〜7mの立木トップのラージマウスバスや、ワカサギに付く8mレンジのビッグスモールマウスバスを狙う方法が、すでに一般的になってきている。
恐ろしく巨大なリップのおかげでフックの根掛かりは皆無に近いうえ、ボディの小ささがトーナメントでも通用する能力を兼ね備えている希少なクランクだ。
タフ化したフィールドに最適化されたクランクベイトを紹介!