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今江克隆のルアーニュースクラブR「初公開!大型フラットワーム?の開発状況」の巻 第1116回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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テールとボディ

テールに関しては、大昔から絶対の信頼を置くハドルテール装着に迷いはなかったが、極めて深くやわらかなリングリブボディは維持しつつ、よりスイムベイトとしての攻めが可能になるよう工夫した点がある。

4インチ、4.5インチ、5インチ、5.5インチ、5.8インチ、6インチと様々なプロトをテストしてきたフラット型スイムベイトワーム。ハドルテールも縦&横2タイプをテストしてきた結論は……

それが横泳ぎ(ヒラメ泳ぎ)だけでなく、縦泳ぎでも使えるようにしたことだ。

当初はフラットボディにクロスする形の縦型ハドルテールモデルもテストしたが、これはヒラメ泳ぎに関しては素晴らしいものがあったが、ボディとテールをクロス状に交差させるとグライドフォールしなくなるというデメリットがあった。

そこで次の段階では、左右対称のヒラメ型、超深いリングリブは維持しつつ、ボディを縦にしても大型マス針を頭部上辺に刺せる頭部形状、同時に縦スイミングを可能にするため、アゴ下部分にネイルシンカーを刺せるスペースを確保する独特のボディコア形状に至った。

この改良で縦泳ぎさせた時のシルエットはヒラメではなく、まんまギルや大タナゴ、ヘラブナそっくりのリアルスイミングをイミテートできるようになった。

ただ、長期にわたるテストの結果、不思議なことにヒラメ泳ぎ(バサロスイミング)に反応する時もあれば、縦泳ぎ(スイムベイトスイミング)に強い反応をみせることもあり、バスが何に反応しているのか、正直、今もまだ使い分けの明確な理由は見つかっていない。

自分はヒラメ泳ぎが好き派だが、三原直之プロは縦泳ぎ絶賛派なので、両方できることに越したことはないかというのが、今の結論である。

現在、継続テスト中の名無しの大型フラットワーム。裏表対象形で極めて深く薄いリブが特徴。「横泳ぎ」にも「縦泳ぎ」にも完璧に対応できる

重視した「引き抵抗感」

最後に、今江的にこの大型フラットワームをテストしてきたうえで、一番重要視したことは「引き抵抗感」である。

様々なサイズ、形状をノーシンカーで巻いた結果、口では曖昧過ぎる表現になってしまうが、スロー&ステディーで巻いた時に「ムワーーーンッ」というか、「ヌゥウーーーーン」というか、何ともいえない、いかにも水をボディ全体のリブで掴んでいる引き抵抗感がとても重要な要素に感じている。

まるでリップがないのにリップがあるような心地よい抵抗感だ。

その心地よい抵抗感が適度であればあるほど、バスの反応やチェイス数がすこぶるよくなる印象を受けた。

この程よい抵抗感こそが、ワームとスイムベイトの分岐点になるのではないか……と思っている。

もっともメインにテストしていた大型フラットワームの実際の大きさ。「レイジースイマー6インチ」に大きさ、厚みこそ匹敵するが、幅と重さは倍近い巨大さだ

現時点までのテストでは、ルアマガの取材では使う予定はなかったのだが、結果的に最大魚が釣れてしまったこともあり、その威力に間違いはないと手応は得られている。

だが、テストを重ねるごとにバラシやフッキングミスも相応に多いことに気付き、現在はボディの大きさから厚み、テールとのバランスまでを一から見直し、ベストサイズ、ベストウェイトに最終調整段階に入ったところだ。

開発コンセプトは横でも縦でも、ノーシンカー、もしくはネイルリグで、フルキャストして巻くだけでスイムベイトのように使えるフラットワームであり、要所要所でワームライクなフォールやシェイク、ズル引きなどにも応用が利くワームを目標にしている。

50cm前後なら丸呑みしてくれるので問題ないのだが、やっぱり45cmクラスも喰ったヤツは確実に釣りたいのが、トーナメンター気質なのだろうか……

来年春にはリリースできるよう、この秋までに最終の詰めをがんばりたいと思います。

2022年のリザーバー釣行では「ジャイアントディアウルフ611XXXH」を毎回3本は使っていた。ビッグワームにも抜群の適応力を発揮してくれた

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