一般家庭の食卓にも並ぶ、身近な魚「アジ」。
サビキ釣りなどエサ釣りのイメージがありますが、ルアーで釣ることもできる立派なルアーゲームフィッシュです。
また、ルアーでアジを釣ることを“アジング”と呼び、繊細なアプローチでテクニカルな誘いが必要で、ゲーム性もバツグン!ライトゲームやソルトルアーの入門にも最適で、その面白さはビギナーからベテランまでハマる方続出の人気の高い釣りです。
今回はそんな「アジング」をこれから始めてみたい方に向けた基礎についてご紹介。ルアーフィッシングをしたことがない方や、釣りを始めたばかりというビギナーの方にも分かる超基礎から解説していきます。
アジングの魅力
アジングの魅力は、手軽に楽しむことができ、それでいて奥が深いというトコロ。またアジは日本各地に生息しており、漁港や堤防など身近なところで楽しむことができます。
また、通年で狙うことができ、時間帯も昼夜問わずに釣れるなど、始めようと思ったその日から狙えるコンビニエンスなところも大きな魅力。
また、釣ったアジを食べても絶品。なかには脂のノリやうまみの強い金アジと呼ばれる個体もいるなど、非常に魅力のあるターゲット。
30cmを超えるアジは“尺アジ”と称され、引きも小型の青物にも劣らないファイトが楽しめます。このようにアジは身近でありながら、釣って楽しい、食べて美味しい魚です。
そしてもう一つが、タックルも非常にシンプル。仕掛けもジグヘッド+ワームのジグ単と呼ばれる組み合わせが基本。
ルアーも小さいので、荷物も少量でまとまります。軽装で手軽に楽しめることから、仕事帰りやスキマ時間でサクッと楽しめてしまうのも大きな魅力です。
釣り方も、基本はジグヘッドワームのタダ巻きでOK。基本群れで回遊するので、群れに当たれば1投1匹ペースで釣れることも。
タックル自体が繊細なので、小型のアジでもファイトが楽しむことができることからも、一度青の楽しみを知ってしまうと病みつきになるほど。
人によっては「アジを釣るならサビキでイイのでは?」と思われている方も居るハズ。
サビキで充分ならここまでアジングが流行っていませんよね? これだけ多くの方が夜になると港や堤防を訪れてアジングを楽しむには理由があります。アジングは一般的にジグヘッドにワームをセットしてアジを狙います。
つまり、エサよりは釣れません。では何故人気なのか? アジが泳いでいる層をカウントしながら探し当てて、そこへジグヘッドを送り込んでアジに口を使わせる。文字で説明すると簡単ですが、一定のレンジ(層)をキープすることは中々テクニカルで難しい。その代わり、釣れた時や連発させた時の喜びというのは、言葉で表せないほどの嬉しさがあります。
そう、「釣れたんじゃない、釣ったんだ」!
このルアーフィッシングならではの感覚、達成感が味わえるのもアジングの魅力。
状況を読んで、的確なアプローチによって人より数を釣る。また使うワームによってサイズも選ぶこともできたり、フィールドに通うほど周りよりも釣れるようになったり、この「奥深さ」が常に多くのアングラーを夢中にさせています。
潮通しのイイ場所か常夜灯下が狙い目
アジを狙う場所は、漁港や堤防がメイン。超湾奥以外の港なら大体エントリーできます(もちろん立入り禁止の場所以外)。
ただ、とにかくアジを釣りたい時は、ある程度外海からの潮が効く港がオススメ。沖に面した漁港や堤防などはアジの出入りも多いので、試す価値は充分にありますよ!
また、周りが暗くて常夜灯だけが水面を照らしているような所を巡るのも釣果を伸ばすコツ。
アジの生態
アジングのターゲットとなるアジの生態的な特徴についても簡単に解説しておきます。
食性ですが、主にプランクトンをメインに、小魚などのベイトフィッシュを捕食します。時にはエビやカニなどの甲殻類にゴカイといった多毛類などを捕食することも。
産卵期は地域にもよりますが、基本的に大体5~8月頃。例年春から梅雨にかけてはソコソコのサイズが釣れはじめますが、水温が上がる初夏になると、マメアジ(15cmまで)に変わります。
そして秋になるとまたサイズが上がりだして、冬になると水温が低下して基本的にはオフシーズンを迎えます。
この現象はソコソコ良型の個体が産卵に入るためではないかとされています。
アジングのハイシーズンは一般的には「秋」。産卵が明けて、いわゆるアフタースポーンから回復するのが例年盆明けになります。9月10月になればソコソコ良型が釣れだして、あとは年末(水温が高い年、場所は年始もOK)までサイズも上がり続けて釣れ続きます。
サイズは1年で約15-18cmになり、2年で25cm前後になるんだとか…。寿命は5年ほどといわれています。ちなみに最大では50cmを超えるサイズも居るそうです。
また、回遊系の個体(群れ)と回遊せずに居付いている個体(群れ)もあり、棲息するレンジも表層から100m前後と幅広く、とりあえず海ならば超幅広いエリアに生息する魚です。
アジングでアジを狙う方法
アジの釣り方を噛み砕いて説明すると、アジの目線より少し上にルアーを通すというか、漂わす? ことで気付いてもらい、そのレンジをキープし続けること。あるいはフォールさせて食わせるというパターンも。
アジが反応するレンジを探り、そのレンジ付近でいかに反応させて食わせるかがキーになってきます。こう考えるとレンジキープ力に優れたリグの方が優位。
最近の主流である軽量JH単体(通称・ジグ単)や、ボトム付近を攻めるのならキャロやスプリットリグなどでもOK!
さらにタダ巻きだけではチェイスはするが食わないようなアジに対しては、トゥイッチによるダートで気付かせて、レンジキープやカーブフォールで食わせるといったテクニックもあります。
その日のレンジを見極めろ!
何度も言うようにアジングはかなり奥の深い釣り。なぜなら、釣り自体はイージーですが、やり込んで、さらにその時の状況を読み、的確に攻めることで数を伸ばせたり、グッドサイズを選んで釣ることができるから。
つまり、腕によってカナリ差がでるゲームでもあります。では、なぜここまで差がでるかというと、理由はアジの泳層と群れを形成するという性質のせい。
アジはかなり泳層が変わる魚で、そのレンジを的確に捉えられるかどうかが、数を伸ばせるかのキーになります。
そして群れを形成するうえで、群れの中で強い個体(デカいヤツ)ほど群れの外や群れよりも少し深いレンジにいることが多いといわれているので、コレをウマく狙えればサイズUPすることができます。
アジングの時間帯
アジングを行う基本的な時間帯は、夕マズメと日没後のナイトゲーム。どちらにせよ、海面に明かりが落ち始めてきた頃にアジが集まってきます。
ただ、コレも周囲が暗いから外灯の集魚効果が際立っているためで、例えば満月の時は月の明るさで外灯のパワーが落ち、イマイチアジの寄りが悪いってことも起きます。
ですので、港内でのスポットの相対的な明るさを考えることが釣果を伸ばすコツになります。また、アジは日中が釣れないということもなく、デイゲームが成立することもあります。
アジが散って釣りくいだけで、釣ることは可能です。
使用タックルを紹介
では、最後にアジングで使用するタックルを紹介。
ロッドはアジングロッド一択。無い場合はメバリングロッドやバスのULロッドも代用できますが、シッカリと釣果を上げたいなら、アジのショートバイトを鮮明に捉えることができるアジングロッドがオススメ。
長さは初めての場合は、6ft程度が扱いやすくてオススメ。
リールは1000番から2000番くらいのスピニングリールがベスト。それ以上大きくなると自重が上がり、繊細なアクションがやりにくくなってしまいます。細い糸が巻けて小さなアタリでも伝わりやすい小型なスピニングリールがオススメ。
ラインはエステルラインの2Lb~2.5Lbくらいがオススメ。
エステルラインはほとんど伸びることが無いので、アジのアタリを鮮明に捉えることができて多少の風にも対応できます。
PEラインもオススメですが、風が吹いてしまうとジグヘッドが沈まず釣りにならないことも。フロロカーボンラインは伸びが生じるので、あまりオススメはしませんがリーダーとの結束が不要なので、ノット結束に慣れていない方にはオススメです。糸巻量はどのラインでも100mあれば十分です。
ワームはアジング専用に作られたストレートワームやピンテールワームなどを使用します。
やり始めは、クリアーやグロー系のカラーでアジの反応をチェックしてみてください。魚の活性や時間帯を考慮してワームの種類やカラーをローテーションさせてみてくださいね。
ジグヘッドもアジング専用のモノを揃えていただき、ウエイトは1gを基準に、余裕があれば0.5gや2gなども揃えておけばある程度の水深を攻めれると思います。 ぜひ、シーズンを迎えるアジングを楽しんでくださいね!