皆さま、こんにちは!
ベイトロッド専門メーカー「フィッシュマン」でロッド修理担当の榎本です。
突然ですが、皆さんは「フェルールワックス」ってお使いでしょうか? そう、ロッドのジョイント部に塗るアレです。
Fishmanでは使用を推奨しているのですが、今回はそもそもフェルールワックスってどんなメリットがあるのか、その使い方は?なんてお話を。 夏休みに酷使したロッドのメンテナンスに、これから始まる秋のハイシーズンに向けての準備に…参考になれば幸いです。
フェルールワックスとは
そもそも「フェルールワックス」とは、ロッドの継ぎ目に塗って使うワックスのことで、使用することで様々なロッドに関するトラブルを未然に防げるアイテムです。
では、まずフェルールワックスのメリットについて少し。
マルチピースのロッドはどうしても、抜き差しを繰り返すことで継ぎ目が摩耗していきます。ワックスを塗ることで摩耗を防ぎ、ロッドが長く使えるようになります。
キャスト時、ロッドに繰り返し負荷を掛けることで、少しずつ継ぎ目がズレていくことがあります。使用することで密着度を高めるフェルールワックスには、そのズレを抑える効果があるんですね。ただし、塗ったからといって必ずズレないわけではなく、定期的に確認する必要はあるのでご注意ください。
使用した方(されている方)なら、わかりますよね。あのヌルリとした独特の質感。もちろん、キツく締め込みすぎたなんて時の固着を防ぐ効果があるんですが、水分や塩分が原因の固着も、フェルールワックスには防ぐ効果があります。
フェルールワックスの使い方
1本あればアレコレと便利なフェルールワックスですが、みなさんどのように使われていますか?
基本的にはただ塗るだけなのですが、修理を担当していると「どう塗ったらいいの?」なんて声を時々耳にするんですね。確かに塗り方についての詳しい説明書があるわけでもなく、正解があるような無いような…。
実際、使い方次第では逆に扱いづらくなったりするケースもあるので、修理担当目線で「こんな風に使ってほしい」という使い方をご紹介します。
早速ですが、ここが一番大事。
持ち込まれる修理品でよく見かけるのが、何層にも厚塗りされコミがキツくなりすぎて入りにくいロッド。キツすぎるモノを無理に押し込むと、それが逆にブランクスにダメージを与えてしまうこともあります。また密着し過ぎで、塗る前よりも抜けにくくなる場合もありますので、まずは古いワックスをテッシュなどでしっかり拭き取ってください。
古いワックスをしっかり拭き取ったら、いよいよワックスを塗っていきます。ここでのポイントは“塗りすぎない”こと。下から上まで線を2~3本くらい引いてあげる位の量で十分です。
ワックスを塗ったら、指で全体にまんべんなく伸ばしていきます。
まんべんなく伸ばせたら、一度ロッドを繋いでみてください。ここで少しはみ出たワックスをティッシュで拭き取れば完成。少なく感じるかもしれませんがこれで十分な効果を発揮できます。
使用の前にご確認を…
よし!メリットがわかった。使い方もわかった。それでは早速…の前に!
Fishmanロッドでの使用は推奨しておりますが、メーカー様によってはジョイント部の仕様上、フェルールワックスの使用を推奨していないメーカー様もあります。
もしFishmanロッド以外のお手持のロッドにご使用される際は、一度ご確認することをオススメします。