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名手 西本康生、スタジオオーシャンマークの新しいリール「ブルーサファリ BS35」を説く

寄稿:西本 康生
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みなさまこんにちは。スタジオオーシャンマーク、テスターの西本康生です。

今回はいよいよ登場となるスタジオオーシャンマークの新しいリールブルーサファリ BS35について、私なりに使い込んだインプレッションをご紹介させていただきます。

西本 康生(Nishimoto Yasuo) プロフィール

静岡県在住。活動範囲は日本全域。 ご存知スローピッチジャークのエキスパートで、深海ジギングや大型マグロをスローピッチで狙うパワースローゲームなど、新しいジギングの開拓にも力を入れる。

ナローではなくワイド、その理由

※写真はすべて岩手県の遊漁船“健勝丸”提供

BS35の基本設計の段階でお願いしたのは、小型化のためのナロースプールではなくワイドスプールでの設計でした。

想定していたターゲットは中深海のアカムツジギングから、浅場のサクラマス・青物ジギングです。

1回転の巻き取り量の変化が少ないこと

ワイドスプールのメリットはラインが放出され、タナを釣る場合スプール痩せが少なくハンドル1回転の巻き取り量の変化が少ないこと。一方のナロースープールはその逆で変化が大きくなります。

例えばサクラマスジギングでは、狙うタナが40m前後だと想定して10mをハンドル14回転・1回転を71cm前後に調整して糸巻き量を決めています。仮にタナが60mに変化しても、ワイドスプールならハンドル1回転の巻き取り量の変化が少なくイメージに近いジグアクションにつなげやすいのです。

これはアカムツなどを狙う場合なども同様で、水深200mラインを狙って釣れない時に水深250mラインに移動…といった場面でも、糸巻き量の変化が少ないことは、同じようなイメージで釣りの展開が広げられるというメリットがあります。

「スプールの糸痩せが少なく、ハンドル1回転の巻き取り量が使用範囲で確保されること」による恩恵は他にも。トルクフルなギア比の選択ができることです。

ナロースプールで同じ巻き取り量を確保するためには、自然とギア比を大きくしなければならずギア比が上がると必然的に巻き取りに力が必要になります。小型リールを使用する釣りはタックル全体の感度を重視した釣りが多いと考えており、ギア比が高いリールで力を込めてリーリングすると人の感度は落ちてしまいます。ギア比を低くトルクフルなギアで軽くリーリングする方が得てして人の感度はよくなるのです。

BS35は適切なギア比、堅牢なボディー、ハイモジュールギアによる強い巻き上げ力のあるトルクフルなリールとなっています。

直感的なドラグ操作、ドラグ値のわかりやすさを目指した新しいドラグ

新たなドラグシステムである「ウイングドラグ」は、スタードラグの使いやすさとレバードラグの直感的なドラグ操作、ドラグ値のわかりやすさを目指した新しいドラグシステムです。

強いドラグが必要な時はウイングドラグを 前に押し込む、ドラグを緩めたい時には後ろに倒し込む…といったように、直感的な操作で魚をコントロールすることができます。またウイングの位置で、おおよそのドラグ値が判断できる仕様となっています。

フォールをドラグでコントロールして誘う「ドラグフォール」

ドラグの使い方は、ラインが切られないよう、魚に逃げられないよう、ドラグ値を変化させるのが一般的。加えてこのウイングドラグはもう一つの使い方を可能にします。「ドラグフォール」という、ジグをジャーク後にフォールさせターゲットを誘う使い方です。

これは、タチウオジギングなどでフォールでのヒットが多い場合などに、ドラグを使ってジグのフォールスピードや距離をコントロー ルしながらフォールさせる方法。この「ドラグフォール」が、ウイングドラグを使用すると簡単に再現性のある釣りが可能となります。

具体的なドラグフォールのやり方としては、まずはプリセットノブでタックルやターゲットに合った適正値に調整。次にウイングドラグでジャーク時にジグの重みでドラグがすべりスプールから一定量のラインが出るような強さに調整します。

そしてアクションは、シャクリ上げた時に出たラインの量だけロッドティップを下げジグをフォールさせていく。この時、ジグの位置はできるだけジャーク時に上方向に移動せず、 その場に留まるようにウイングドラグを調整するのがキモとなります。

さらに、ハンドルは巻かずにロッドだけでジャークアンドフォールを繰り返すと、ジグを下へ下へフォールさせることが可能です。フォールからヒットに持ち込めたら、ウイングを前に倒しアワセを入れます。

特にジグのフォールに反応する魚が多い場面では、この「ドラグフォール」は有効なメソッドとなるはずです。

ワイドスプールにウイングドラグによるドラグフォール。新たな一手を新たなリールで、お試しいただければ幸いです。

STUDIO OCEAN MARK

東京都大田区に拠点を構える、ジギングマニア垂涎のリール「ブルーヘブン」シリーズをはじめ、ハンドルやスプールなどのカスタムパーツ、フィッシュグリップなどを幅広く扱う人気ブランド。優れたデザイン性と現場発信の実用性を兼ね備えたアイテムラインナップが魅力で、根強いファンも多い。
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