今江克隆のルアーニュースクラブR「手応え大いにアリ!最新ルアー&エレキの使用感と耳寄り情報を紹介〜TOP50北浦水系プリプラ・レポート〜」の巻 第1109回
10日間の日程で行ったTOP50第3戦霞ケ浦水系のプリプラが終了した。
今回の霞ケ浦水系(北浦水系)は、過去経験したことがないほどの大減水で、ただでさえゲキアサなシャローがババアサになってしまい、さらには10日間中ほぼ7割の日程が夏場には珍しい北東の風で激荒れとなる、極めて厳しい状況での練習となった。
プリプラクティスの意義
先週の前半戦レポートでも書いたが、もちろん自分にとってプリプラクティスはTOP50本戦の状況把握とエリアの選定が主たる目的だが、2週間のオフリミットを挟むため、釣果は現時点でのバスのポジションやコンディションを確認する以外、さほど参考にしてはいない。
試合は2週間のオフリミットを挟むため、状況は確実に大きく変わる。
プリプラでよく釣れたからといって、それが直接結果に繋がることは極めて少ないといってもいいだろう。
だが、逆にバスを釣らなければ分からないことがたくさんあることもまた事実で、釣れることによって得られる情報は、釣れないことで得られる情報に勝ることもまた事実だ。
プリプラで見つけたパターンがよくなることもあれば、消滅してしまうこともまた、多々あることだ。
有益なムダ時間
ゆえに自分のプリプラは、前半は今を釣り込むことでバスを触って現状把握に努め、後半はあらゆる新規開発中のルアーをテストがてらダメ元で1日投げ続けるような「可能性の把握」や、「苦手な釣り方の克服」といった課題を決めてその消化に努めることが多い。
例えば「シャッドデイ」と決めたら、そればかり1日中エリアを変えマクって1つのルアーを投げ続ける日もあれば、「タイミングを合わせるデイ」と決めて丸一日で2ケ所程度のスポットを絞り込んで延々と粘り続け、回遊してくるバスのとのタイミングを計る練習に時間を費やす日もある。
自分は、昔からTOP50プロの中でもトップクラスの長期間プリプラをすることで知られるが、自分にとってプリプラは「様々な一見ムダに思えることを真剣に試すための貴重な時間」であり、特にタックル開発や様々なルアーの知識と経験値を上げるため必須の時間となっている。
好き嫌いもなく、日本全国あらゆるタイプの湖を38年間定期的に回り続け、集中的にそして真剣に、パフォーマンスではなくひたすら「地道な実験と研究」に打ち込む長期プリプラが、全国レベルで通用する自分の基礎を築き上げたといっても過言ではない。
モーターガイドツアープロ
さて今回のプリプラにおいて、一つ大きな目的があった。
それは「モーターガイド(以下:MG)ツアープロ」の制御基板アップデートの検証だ。
最新鋭のGPS誘導ハイスペックエレキは、現在MGを含め各社とも一長一短の部分があり、便利になった反面複雑さを増した機能面で予期せぬトラブルも各社出ている。
そのためパソコン並みのCPUアップデートが毎年更新されており、「MGツアープロ」(谷山商事扱い)においても、今回大きなアップデートが行われた。
今回のプリプラはその10日間連続耐久試験も兼ねており、結果を谷山商事にフィードバックする目的があった。
結論からいうと、慣れは必要だが、まずスポットロックの精度はさらに向上し、レスポンスも明確にあがった。
「ツアープロ」は、GPSトラブルによる暴走に関しては他社に比べ頻度は低かったが、それも10日間の連続使用で1度も発生はなかった。
谷山商事で購入した「ツアープロ」に関しては、アフターサービスでアップデートが受けられるので、様々な機能に安定感を増したアップデートは是非受けておいた方がよいだろう。
ノイズ干渉問題に進展!?
また、今回のテストで最も有用な発見があったのは、ブラシ式の「ツアープロ」は、「ハミングバードメガ360」との相性が悪くひどいノイズ干渉の軽減方法を見つけたことだ。
昨年からいろいろ試行錯誤していたが、今回、GARMINの「ライブスコープ」に付属している干渉防止用マグネットを「ハミンバード」の電源コード部分に装着しても同様に干渉ノイズが軽減できることが分かった。
ただ、GARMINと「ツアープロ」は相性がよいので、GARMINのパースペクティブモードで見れば「ハミン360」の必要もないのではあるが……。
しかし、次世代性能をうたった新型ライブスコープ「ハミン・ターゲットロック」の登場によって、今後「ハミン」と「MGツアープロ」の干渉ノイズ解消は、最大の研究課題となるだろう。
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