今江克隆のルアーニュースクラブR「軽快なのに強靭無比!? 今までなかった!ビッグベイトフィネスロッド『ジャイアントディアウルフ』いよいよ登場」の巻 第1107回
さて、最強デスレイク・霞ケ浦に滞在中の今週は、昨年「Basser Allstar Classic KING OF KINGS」(以下:KOK)のライブ配信で一躍話題になった「Short&Finesse(ショート&フィネス)」ビッグベイティングについて、書いてみよう。
ビッグベイトによるサイトフィッシング
実は先週、ルアマガ取材で某レイクにてエバーグリーンとのタイアップ記事で「ジャイアントディアウルフ611XXXHR(以降:GDW)」縛りのロケを行ってきた。
この「GDW」が、KOKで丸2日間使い続けたロッドなのだが、コロナ禍でかなりリリースが遅れたが今月中には市場デビューとなりそうである。
このロッドなしでは今江的接近戦のビッグベイトフィネスは語れない、「カレイド」シリーズの中でも過去に似たモノがない、異色の名竿だと思う。
まず、「GDW」を開発したのは、PE0.4号を使った超フィネスサイトフィッシングとほぼ同じノリで、ビッグベイトフィネスをするために他ならない。
今や自分にとってビッグベイト、ビッガーベイトは、完全に「サイトフィッシングの主力」だからだ。
基本的に「三原虫」などで狙うフィネスを極めたサイトフィッシングと、ビッグベイトフィネスで狙うサイトフィッシングは、考え方からアプローチ、狙う場所から狙う魚まで、ほぼ全く同じで、それの極大バージョンである。
ゆえに大きなルアーをいかに静かに正確に、ここぞ!というタイミングで意志通りに最小限のロッドワークで動かせること、同時に「2〜5日間でも連続で投げ続けられる軽量操作性」が、絶対に必須条件になる。
このコンセプトを満たすために開発してきたのが「GDW」だ。
グリップエンドの秘密
この条件だけを見ると、軽くて華奢なフィネスビッグベイトロッドというイメージになるかもしれないが、下限10g、最大上限300g程度を全開で振り切ってなお折れず、1oz以下のビッグベイトを普通に扱えることを前提としたなら、その実現は今までに存在しない相当に困難なものになる。
その試行錯誤からたどり着いた形が、611インチというビッグベイトロッドとしては珍しい6フィート台のショートグリップロッドだった。
実質のブランクス長は7フィート強に匹敵するが「GDW」は操作性と持続性を重視した結果、ダブルハンドルとはいえ、独特のグリップエンド形状をもつショートグリップだ。
だが、このエンドグリップのカタチが、611なのにエイトトラップをイージーに行え、ビッガーベイトでも難なく投げられる独自のバランス攻勢をつかさどっている。
異次元のブランクス構成
さらに、ショートロッドながらそのブランクス構成は異次元だ。
メインクロスは、低レジンピュアカーボン時代に逆行する「レジンリッチ」中弾性24tをメインに、ロッド業界に最も先駆けて導入した熟成の「T1100Gナノアロイ」・高強度高弾性をコンポジット。
ジギングロッドも真っ青になる驚異的な超肉厚多積層構造を採用している。
そして、さらに驚異的に肉厚にもかかわらず、「ディアウルフ」の名を継承する理由は「スパインフリー」コンストラクションで組みあげられていることが、「GDW」最大にして最強の強みだといえるだろう。
この、ロッド技術の最高峰といえるスパインレス構造を導入したことで、実に7kgもの荷重を掛けたリフティングですら、ガイドが横倒れすることがない。
超重量級ルアーでブランクスに過大な負荷を掛けながらネジって投げるビッグベイトロッドにおいて、ガイドの倒れによって発生する「ネジレ」、「嗤(わら)い」の悪影響は、軽量ルアーの比ではない。
ピッチングやサークルキャストではその差が歴然と実感できるのが「GDW」である。
この点をただの肉厚化ではなく、素材と構造構成で解決した「GDW」は、本当にこれが150~200gのルアーを気持ちよく扱えるロッドかと信じられないほど軽く、軽快なのに、一たび使えばその強靭無比さを誰もが実感できる根拠となっている。
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