今江克隆のルアーニュースクラブR「禁断のバスロッド比較インプレ!『ダイワ』&『エバーグリーン』!試投レポート」の巻 第1106回
先週は、「ダイワ」VS「G-nius」のリール試投対決インプレを書いたが、とても好評だったようなので、今週は引き続きロッドに関して、「ダイワ」vs「エバーグリーン」のインプレを書いてみたいと思う。
今江克隆が「ダイワ」のバスロッドを試投!
川村光大郎君が「エバーグリーン」のバスロッドを試投し、私、今江克隆が「ダイワ」のバスロッドを試投する機会など、過去一度もない機会だったが、多くの観客の中、ダイワの開発の方々の視線をヒリヒリと背中に感じる中での試投会は、なかなかの緊張感が漂っていた(笑)
今回、自分が試投したのは、川村君が最も自分のオカッパリの主力ですと自信をもって出してきた「ファイアーウルフ」というロッド。
たぶん新型?のようだが、スペックは一切見ていないうえ、予備知識はゼロ……この連載を書くのに至ってもカタログ等での下調べはしていないので、本当に現場で投げた直感だけのインプレである。
「ファイアーウルフ」と「ディアウルフ」
何の因果か、同じ「WOLF」の名を冠するこのロッド、まさにエバーグリーンの「ディアウルフ」のややマイルドにしたようなロッドというのが、ぶっちゃけ感じた第一印象である。
「ディアウルフ」が、7ftMHで、この「ファイアーウルフ」は7ftよりわずかに短め?、「ディアウルフ」より軽量ルアー方向に振ったMHというのが、直感的に感じたスペックである。
中弾性カーボンの肉厚仕様である「ディアウルフ」の、いわゆるブランクス全体のしなりでパワーを出すムチッとしたフィーリングはかなり近いものを感じたが、「ディアウルフ」が14g以上の大きめルアーの巻きモノ系に特化しているのに対し、「ファイアーウルフ」は、特にティップセクションがソリッドのようにやや繊細な感じで、その分重いルアーを使った時のティップの垂れが「ディアウルフ」に比べると気になるところだが、逆に「ディアウルフ」が苦手とする10g以下の軽量ルアーの操作性にかなりのアドバンテージを与えている印象を受けた。
ロッドの数が極端に限定されるオカッパリで、1本でできるだけ多くの種類、重量のルアーをカバーしたいという明確な意思が感じ取れるロッドである。
逆に「ディアウルフ」は、バスとの距離感が不安定で、ラインスラックの出方が風や流れで常に変化するボートフィッシング特有の「間合いの瞬間処理能力」をロッドに加味しており、同じMHクラスでも特化性の違いを感じた。
足場が固定されていて、バスとの距離感が一定のオカッパリでは、スラック処理がボートよりイージーなため同じMHでもワンランクマイルドな調子のロッドを選ぶことができる。
細分化による特化が必須なボートフィッシングと、1本での汎用性の高さが必須のオカッパリとのMHの差だともいえるだろう。
ネジレに注目!
そして、奇しくも一番注目していた「ネジレ」に関しては、「ファイアーウルフ」が「ディアウルフ」と似たフィーリングを持つことから、あえてネジじって投げることで、かなり正確に把握できたと思う。
さすがにリールを外して「スパイン」のチェックは怖すぎてできなかったが、バックハンドサークルで試した感覚は正直、さすが世界的な総合釣り具メーカー「ダイワ」だなぁ……と、納得する完成度の高さだった。
「スパイン」は、どんな製法にしても必ず大なり小なり発生してしまう、マンドレル式多積層シートで作るロッドの不可避的欠陥ともいえる問題だが、そのスパインをほとんど感じさせなくさせる技術が各メーカーの腕の見せドコロになる。
当たり前にポピュラーな技術として知られるのが、ガイドの設置位置を工夫することでスパインの「コリコリ感」をやや分散させる方法などだ。
だが、実はガイド以上に「スパイン」の処理に大きく影響を与えるパーツがある。
それが「グリップ」だ。
グリップの重要性、そして川村光大郎君のシークレットルアーを公開!