168L+-BFS/2。
何かの呪文?暗号!? この「168L+-BFS/2」という英数字、必釣コードかもしれませんよ。
168L+-BFS/2は、シマノのバスロッド「バンタム」のひとつ。168は1がベイトロッドを、68は6フィート8インチを意味します(ちなみに頭に2がつくのはスピニング)。BFSはベイトフィネス系ロッドであり、「/2」はセンターカット2ピース仕様の竿だと示す。
とても、すごく、何でもこなせるロッド……であるのを示してくれたのが、山木一人さん。
山木さんが芦ノ湖(神奈川)をフィールドに、このバンタム168L+-BFS/2たった1本で、さまざまなルアーを投入して、バスを連発。そんな模様を収めた動画が以下。
ぜひチェックしてみてください!
使用ロッド&リール
まずは実釣当日に使ったロッド&リールを。
ロッドはバンタム168L+-BFS/2のみ。リールはアルデバランBFS(XG RIGHT)にフロロ8lbを巻いてセット。2022年のニューフェイス同士の組み合わせだ。使ったタックルはコレのみ。
それぞれのスペックを駆け足で紹介すると以下となります。
品番 | 全長(ft.) | 全長(m) | テーパー | 継数(本) | 仕舞寸法(cm) | 自重(g) | 先径(mm) | ルアーウェイト(g) | 適合ラインナイロン・フロロ(lb) | 適合ラインPE(号) | グリップ長(mm) | カーボン含有率(%) | ガラス他含有率(%) | 本体価格(円) |
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168L+-BFS/2 | 6’8″ | 2.03 | F | 2 | 104.6 | 100 | 1.48 | 3.5~15 | 6~12 | MAX 1.5 | 210 | 98.4 | 1.6 | 42,000円 |
シマノ公式「バンタム(ロッド)」詳細ページはこちら
品番 | ギア比 | 最大ドラグ力(Kg) | 自重(g) | スプール 径(mm)/幅(mm) | 糸巻量フロロ(lb-m) | 最大巻上長(cm/ハンドル1回転) | ハンドル長さ(mm) | ベアリング数BB/ローラ― | 本体価格(円) |
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XG RIGHT | 8.9 | 3.5 | 130 | 29/19 | 6-45、8-45 | 81 | 40 | 10/1 | 48,000円 |
シマノ公式アルデバランBFS詳細ページはこちら
驚きのバーサタイル性を見せたバンタム168L+-BFS/2
たった1機種で挑んだ芦ノ湖バス。先に、実際にどんなルアーで釣ったのかを述べておくと…「パブロシャッド59SP MR」、「チャグウォーカー」、「Btベイト99SS」、「 Btベイト99F」、「ジジル70」、それに加えてワームが禁止されている芦ノ湖ならではのダウンショットでポーク(釣り吉ホルモンのぶリーチ)、ほかにもスモラバ。
実に多彩。
先に述べたように、バンタム168L+-BFS/2はベイトフィネスロッドにカテゴライズされながら、使えるルアーは広範囲(対応ルアーウエイトは3.5~15g)。山木さんが「ベイトフィネス・バーサタイルロッド」というのもうなづける。
で、実際のところ上記のようなルアーを〝操作するだけ〟なら問題ないロッドはあると思います。けれど168L+-BFS/2は、さまざまなルアーをさまざまな場所へ撃ちこむ、そこで掛ける、掛けた後に獲れる、そこまで考えられているからベイトフィネスバーサタイルといわしめる。
センターカット2ピースがもたらしたもの
ポイントは2ピースにあり。実は22バンタムロッドは、1ピースがあったり、2ピースでも168L+-BFS/2も該当するセンターカットもあればワン&ハーフもある(ワン&ハーフの中にもバットセクション側が短いのか、長いのかに分かれる)。
各機種の2ピースタイプは、目指したアクションがあってこその2ピースであって、もちろん携行性もあるんだけれど、それは副産物という感じ。
じゃあ今回の168L+-BFS/2がセンターカットにして目的としたものはというと…。
簡単にいえばバットは強く、ティップは繊細に。
まぁ言葉にすると陳腐なのですが、うまい言葉が見つからないのはワタクシの力不足。それでも、やっぱり言葉にするなら「バットは強く、ティップは繊細」を求めたがゆえ、なのです。
まず、繊細にという部分では、軽量ルアーのウエイトがしっかり曲がってウエイトが乗る。ウエイトが乗るから復元力でアキュラシー高くしっかり飛ぶ。
ちなみに今回はバンタム168L+-BFS/2を話の主体にしたいので割愛しますが、アルデバランBFSは、軽量ルアーかなり飛びます。ビックリした(笑)。そこまでスピニングと大差ないかと思います。
もうひとつ、軽い誘いをかけている時にティップの動きをダイレクトに伝え過ぎない。動きをほどよくティップが吸収してくれるから手前に手前にとルアーが急ぎ過ぎないのが魅力。移動距離を抑えながらネチネチと見せることもできるんですよね。
ボトム形状の情報伝達能力にも長け、イメージできる。だから次につながる。釣りにリズムが生まれる、とは山木さんの言葉。
そしてバット部の強さ。バスを掛けた時はもちろん安心のパワーがあるのですが、例えば石の裏側にルアーを落として掛けた時、一瞬潜られた~ってな状況、あるあるですよね。
そんな時もロッドを立てておくとヌゥ~ッと持ち上げてくれるようなパワーがあるのです。だから、あえての6フィート8インチというレングス。竿を寝かせ気味に操作するだけでなく、立て気味に操作したり竿を立ててタメて引っ張り出す時には、これくらいのレングスがあった方が潰しが効くという。
もちろんそのパワーはカバーから引っ張りだすこともできるので、例えばスモラバで、虫系アプローチで…なんてケースにも重宝するでしょう。
あまり重すぎるルアーはさすがに無理だけれど、ライトリグ、プラグなど幅広いルアーを一手に引き受け、そしてフィールドを選ばないバンタム168L+-BFS/2。
「ボクなんか、普段の釣りなら結構コレ1本で済ませちゃうことも多いもんね」
普段の釣りどころか、取材で成立させてしまった山木さんの言葉には説得力があるのでした。