ふたつのスタイル
私がゲーリーワームのノーシンカーで使うセッティングスタイルは2つ、1つはスゴイフックのようなオフセットフックで使う「カバー対策のセッティング」。もう1つはガード無しマスバリやチヌバリ(カン付き)で、ワームのボディ中央付近に掛けるフッキング重視の「ワッキーセッティング」です。
オフセットスタイルは、引っ掛かりそうな場所やフルキャストで扱いやすく、ボトムをより意識した攻めになります。狙うのはそのスナッグレス性能を活かして沈船、漁礁、沈木、ウィードなど。一方のワッキースタイルは、ふんわりとフォールさせたい場合や移動距離を短くしたい場合に使います。フックを掛ける位置によって動きが変わるので、いろいろ試してみるのもおもしろいと思います。
スポーニングが絡むタイミングの晴れた凪の湖面では、スポーニングエリアの周りで「カットテールワーム」をワッキーノーシンカーでふんわりと落としていくと、例年魚と出会うことができています。ちょっと前はジグヘッドのステイで食ってきてたのにジグヘッドではバイトがなく、ふんわりノーシンカーにしか反応しなくなる…といった現象です。水面の水温が上昇してバスが浮いてしまい、細長く平行にフォールするカットテールが食べごろなんでしょうね。
カットテールワッキーノーシンカーは、ベイトタックルよりもスピニングタックルがおススメです。フロロカーボン5~6lbでキャスト、着水した時点で空中からラインスラッグを出して手前に引っ張られないようにカットテールを落としていきます。「20~30秒くらい何もせずに放置する」のがここではキモです。ラインテンションも掛けずに無の状態で放っておくことが大事。カットテールはただ落とすだけで釣れますから。
たるめたラインの動きでバイトは確認し、バイトがなければラインスラッグを巻き、ロッドを上方向に上げてワームを一旦中層に浮かせてから再びフリーフォールさせます。基本この繰り返しですが、シャローのバスは警戒心が強い場合が多々あるので動作は緩やかにしましょう。
狙うエリアはワンド内のフラットな場所や浚渫エリアの浅く残された部分、沖の水深が少し盛り上がった瀬状ゾーン(ガーミンのクイックドローで色設定を微妙に変えて探します)などです。
続いて、オフセットセッティングについて。使用するワームは5月6月7月の梅雨時期から、晴れたときまで効果的な「ヤマセンコー」です。ちょっとウィードが伸びてきたなというタイミングになると、ヤマセンコーオフセットが良くなってきますね。
狙うのは岸近くのアシ際であったり、樹木まわりであったり、水面に見え出したウィードであったり…止まって釣りができるところならばどこでも使えます。目視や魚群探知機でボール状の小魚の群れが確認でき、その群れがそれほど移動しない状態が続くようなら、そこに必ずヤマセンコーノーシンカーを投入しますね。その群れは小鮎であったり、小さなワカサギであったりモロコであったり。
ハスが飛んでいるような場合は激し目なジャークが効く場合もありますが、〆はやはりヤマセンコーの放置。
使い方はキャストして、まずしばらくラインを沈めます。そこからゆっくりズルズルとヤマセンコーを移動させ、ちょっとしたウィードや何か引っかかりがあれば手前でまずステイ。そして何もバイトなければ乗り越えてからまたラインを戻して緩めて30秒以上放置。
キモはやはり放っておくこと。何もしない。なんならスマホを見てたり、オニギリを食べてたりすると釣れてしまうのがゲーリーヤマモトの塩味のチカラです。(※間違ってもおにぎりにはまぶさないように)
ノーシンカーで使用する3種のワームについて
それでは、琵琶湖のノーシンカーでよく使用されるゲーリーワーム3種をご紹介していきます。
ご存知、切り口が円形の棒状の細長いワームです。すでに発売されてから四半世紀がすぎていますが、いまだに釣れ続けるワームとして名高い。アメリカでは似た形状のワームが多数発売されていますが、素材のせいかヤマセンコーを超えるものは個人的に見当たりません。
琵琶湖ではスピニングタックルにフロロカーボンライン4lbなら2インチ、3インチ。5~6lbでは3インチファット、4インチを使用しています。
PEラインでは0.6号~1号にフロロカーボンリーダー5~8lb程度を、1メートルから長くて狙う水深分の長さを結びます。ベイトタックルでは、4インチ・5インチ・6インチ・7インチをフロロカーボン7~14lbで使用。様々なタックルで扱え、かついろんなベイトサイズに合わせられるサイズの幅広さも魅力ですね。
ちなみに、季節が進行してウィードが増えてきたら、0.9~1.8gほどの軽いシンカーをセットしたテキサスリグが効果的になるシチュエーションもあるのでご準備ください。
ヤマタヌキは太目のボディにタヌキを思わせるようなテールが目を引くワームです。ボディにはフックを隠せるスリットが上下にあり、最近のアトラクティブな形状をしている点も特長的。
2022年に登場したデカタヌキこと「3.5インチヤマタヌキ」はベイトタックル、フロロカーボン20ポンドと太目のラインでもキャストしやすく、飛距離も出しやすいので様々なカバー、ストラクチャーに躊躇なく投入することができます。
リグり方によってはテールでバイブレーションを出せる形状となっており、リフト&フォールや巻きで使っても面白いワームです。
「カーリーテールのワームのテールをカットして使った」という所が原点となって誕生したのがご存じカットテールワーム。オールマイティに使えるワームですが、ノーシンカーでの水平フォールはヤマセンコーに並ぶ実績の高さが特筆すべき点。
よりスローにフォールさせたいときはワッキースタイルが効果的。そのままネコリグにもチェンジでき、0.3~0.6gくらいの軽いネイルシンカーを入れると使用感も変わるのでオススメです。
以上、ゲーリーワームを使ったノーシンカーの釣りをご紹介しました。
余計なシンカーやパーツなどを使わず、ワーム本来のポテンシャルを最大限に引き出すことができるノーシンカーリグ。逆に、そのワームのポテンシャルによって釣果が左右される…とも言える訳です。琵琶湖で、ご自身のホームフィールドで、お試しいただければ幸いです。