今江克隆のルアーニュースクラブR「不人気……だけど、実は今『ショートロッド』が超アツい!今江的名竿も大紹介」の巻 第1100回
ロデオライドRR-S511LMFF
そして、この「HFAC511MHST」と同様にトガり切った究極ともいえるスピニングロッドの先鋭的名竿が、今は引退した稀代の天才・馬淵利治プロが世にだした「ロデオライドRR-S511LMFF」だ。
このロッドも、まさに上級者以下をガン無視した極めて先鋭的なショートスピンで、馬淵プロがノーシンカーや超軽量スモラバをノーモーション、いつ投げたか分からないショートストロークでカバーギリギリに低軌道ライナー撃ち込むサイト専用ロッドである。
出典:JB/NBCLの表記ではあるが、511のショートさと相まって実際にはM~MH級のハードスピンで、上級者以外ではキャストもままならないほど棒のようなショートロッドである。
だが、手首の柔らかさとスナップの強さを持つアングラーには、このショート&ハードさは逆に単距離精度、積極的操作性(馬淵は今でいうフロロでの吊るしで多用していた)、掛けてからの離脱パワーなど、市場に似たモノが存在しなかった点で唯一無二の名竿である。
正直、このスピニングロッドは自分には使いこなせなったが、意図した性能は上記2種と同じで、ベイトロッド並みの操作性を持った超攻撃的なスピニングロッドという点で、感性はよく理解できた。
ハード&タフ
自分が製作したロッド以外でのショートロッドの歴史的名竿を三つ挙げてみたが、その共通するコンセプトがショートならではの「超積極的操作性」と、ショートながら7フィートクラスに劣らないビッグバス狙いに徹した「ハード&タフ」さである。
いい換えれば「キレ」と「タフ」の相矛盾する性能を両立させることできるのが、ショートロッドの魅力といえるだろう。
長くなればなるほど、強くすればするほど、ロッドは重く愚鈍になる。
丸一日、超高精度で狙い撃ち、ていねいに、かつ積極的に動かし続け、積極的に掛けていく釣りでは、ショートロッドがロングロッドを上回るメリットは多い。
「ガゼル」の進化
さて、自分が製作したショート&ハードロッドの名竿といえば、やはりそれは歴史に残るビッグセールスを記録した「インスパイア・ガゼル63M」だろう。
このガゼルは、あとに「ガゼル・グランドスラム」としてメインクロスを超高弾性である40トン、バットに50トンをアシストとして加えられ、昨年までベイトフィネス&PEベイトフィネスロッドとして現役としてTOP50に投入されてきた。
そして2022年「WARGAZELLE(ウォーガゼル)63MH」として最先端高強度高弾性M40Xをメインクロスに初採用し完成している。
自分はこのロッドを3.5g以上のベイトフィネス、そして「野良ネズミ」や高速操作系トップウォータールアーを扱う「PEベイトフィネス」の主戦力として、すでに昨シーズンからTOP50に実戦投入している。
ジャイアントディアウルフ611XXXHR
そして、同様のショート&タフコンセプトから今江的ショートロッドの旗艦となるのが、スパインレス製法で仕上げられた「ジャイアントディアウルフ611XXXHR」だ。
63から74まで様々な長さを試行錯誤した結果、611というビッグ&ジャイアントルアーには異例ともいえるショートレングス、ショートグリップを装備し、触れた者誰もが驚く軽さと操作性を実現できたと思う。
ジャイアントと銘打っているが、何の違和感なく14g程度から上限350gまで対応可能な極めて幅の広い重量適応能力を持ち、意外にもヘビーカバージグロッドとしても極めて秀逸な筋力、瞬発力を発揮するスーパーヘビー級バーサタイルロッドでもある。
ほぼ確定アナウンスとして2022年5月末受注開始、7月リリースが予定されているので、市場にでたら一度触ってみてください。
ショート&ハードのメリットが実感できると思います。
追記:6月19日GEKIASAゆずCUP水郷さわら会場にて、エバーグリーン新製品ロッド&G-niusグラビアス試投会が開催されます。近日、二次募集がありますので、是非エントリーしてご来場ください。