ルアーフィッシングのトピックをこまめにお届けする釣りの総合ニュースサイト

LureNews.TV YouTube Channel

今江克隆のルアーニュースクラブR「ビガーベイトがアツすぎる!ビッグベイト以上、ジャイアントベイト未満!注目の新ジャンルを大解剖」の巻 第1099回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
  • X
  • Facebook
  • Line
  • はてなブックマーク

昨年から、今江的には「ビガーベイト」が、とてもアツい。

ビッグベイト以上、ジャイアントベイト未満、サイズにして300mm未満230mm以上をビッグの比較級「BIGGER(ビガー)」と呼んでいる。

ナゼ、このサイズ感がアツい?

ナゼ、このサイズ感がアツいのか?

その理由は、もはや160mm前後2oz程度のビッグベイトが、あまりにも一般的に普及しすぎて、もはやバスにとって見慣れた存在になったことが大きい。

試しに300mm以上のジャイアントベイトを真剣に投げてみると分かるが、昔、ビッグベイトがまだ異端だったころを思い出す、そのチェイスの多さに驚くことがある。

たとえ釣れなくても、デカいバスの存在、着き場、習性を知る手段としてジャイアントベイトを丸1日投げ続けてみることは、かなり様々な発見があり、とてもよい勉強になるのだ。

GW直前の取材でも、再び爆発した「レイジーハード270」。ビッグベイトを見慣れた大型バスにビガーベイトの大きさは新鮮なのかもしれない

ジャイアントベイトとの違いは?

だが、正直なところ、300mmを超えるジャイアントベイトを丸一日投げ続け、大型バスを狙って釣るのは非常に厳しく、現実的には釣れることの方が稀といった方が間違いないだろう。

自分の経験では、このサイズに好奇心が恐怖感より勝るバスはおよそ55cm以上であり、そのサイズの生息絶対数の多い湖が極めて少ないことも理由だ。

ところが250mm前後になると、45~55cmの反応数があきらかに増えてくる。

バスの個体数が減り、平均サイズの大型化が進む現状の日本の小規模レイクや野池を含む平均的フィールドで、「その湖のMAXサイズ」を高効率で仕留められる最大サイズが、硬柔太細問わず9〜10インチ、240~290mmというのが、最近の感覚だ。

すなわちビガーベイトは、ジャイアントベイトの威力を保ちつつ、タックルさえ選択を間違わなければ誰でも丸一日でも投げ続けられ、まだその大きさをバスも見慣れていないがゆえ、オカッパリ、ボート問わずに予想以上の結果を出し始めているのだと思う。

270mm180gもあるビガーベイトだが、リリース以降は意外にもオカッパリでの釣果報告が、とても際立っている。バスの個体数が減り、大型化したフィールドでは、このサイズはもはや決して異常ではない

チェイスはあるけど喰わない……の解決策は?

さて、ここでよく「ビガーベイトはチェイスがすごくあるけど、喰わない……どうすれば喰わせられますか?」という質問がある。

この答えは、今江的には「追ってきたヤツは無理」がリアルな回答だ。

ナゼなら、人間側から確認できる距離までルアーをチェイスしてきたバスは、逆視線から見れば、バスからもルアー越しにボートや人間が必ず直線上に視界に入っているわけで、人間がルアーを操作していることがすでにバレているから、喰わないのである。

チェイスだけで喰わない理由は、バスが見えた時点ですでにバスには、人間に向かって一直線に泳ぐルアーだとバレているからだ

とっくにバレている以上、そのチェイスを喰わせることは、まず不可能というのが自分の考えで、それでも喰う時は「雨」や「風」、「ゴミ」などの何らかの自然条件でバスからルアー越しの人間がイマイチハッキリ視認できていない場合だと考えている。

バイトに持ち込むための考え方

しかし、無理と回答してしまうとみなさんはガッカリされるのだが、「チェイスから喰う場合」を逆に考えてみれば、喰わせ方のヒントはそこにあるのだ。

要は「バス→ルアー→人間」というルアーを人が巻く以上絶対に避けられない進行上の物理的順列を、何らかの方法で変化させることだ。

もし、ルアーが人間の方向ではなく、人間の横方向に向かって泳いでいったら、バスはそのルアーをチェイスしていく過程で人間の姿が視界から消え、ルアーだけが視界に残った状況が生まれる。

この状況になれば、面白いことにバスはしばしばすぐそばにいる人間の存在を、瞬時に忘れるおバカさを見せてくれる。

図のようにバスの目線を人から切れれば、チェイスをバイトに持ち込むことは高確率で可能になる。

だが、現実的にはルアーの軌道を直線から人がバスの視界から消えるほど曲げることは物理的に不可能でもある。

これはあくまでチェイスをバイトに持ち込むための考え方であり、これを実現するには絶対に「アプローチ法」で決まる。

それも決まったパターンはない。

自然界にあるもの、岩、流れ、ゴミ、草、木、光、風、考えつく全てを利用して、バスの目線を人間から切る工夫をアプローチの前に何重にも張り巡らせておくことだ。

チェイスを喰わせる方法は、バスの目線から人(アングラー)を切り、バスがルアーだけを見る方法を考えることだ。自然界のあらゆるものを利用せよ!

これは、決してビガーベイトのみに有効な方法ではなく、ルアーのアプローチの基本ではある。

だが、経験上ビッグベイトやビガーベイトは、バスが目線を切った途端、本能ムキダシのおバカになりやすいルアーだと感じている。

特にテリトリアンになる春から夏にかけては、その傾向は顕著だ。

ゆえにビガーベイトの本質的キモは、実はキャスト(アプローチ)の綿密さと、デカければデカいほど、逆にめちゃくちゃ繊細にていねいに全集中で操作する「逆張り」にある。

デカいからこそバスの気に障るし、ついでに喰えば一匹満足なわけで、そこを利用しデカいのに意外に弱そう、デカいのに美味そうな演出を心がけ、バスの反応を見てさらに弱さを見せる「逃がし」を加える。

実はビガーベイトはビッグベイト以上にフィネスなアプローチがマストなのである。

追記として、この方法ではデカいバスほど、さらにいえばフロリダ系の血を引くバスほど気性が荒いので特に有効になる。

ビッグ&ビガーベイトの釣れる釣れないは、実はキャストの前にすでに8割は決まっている。バスの目線を切ることができれば、一発で喰ってくることが多い

ビガーベイトの力を活かすためのポイントは?次ページで紹介

1 / 2
次へ
釣りの総合ニュースサイト「LureNewsR(ルアーニュース アール)」