今江克隆のルアーニュースクラブR「緊急解説!春爆が起こりやすい日の特徴は? 潮回り、天候、風に法則はある?」の巻 第1092回
「春爆」が起こりやすい日の特徴
では、実際に早春は、どんな日が春爆になりやすいのだろうか?
自分の経験的には暖かい日が続いた雨の前の曇天、しかも南風が「ほどよく」さざ波程度に吹いている時。
そして理由は後述するが「若潮から中潮」の1日目が最もよい釣りをできた記憶が圧倒的に多い。
むしろ雨や曇天より、晴天でもさざ波程度の気持ちよい風が吹いている方がよい。
要は表層水温が急上昇しやすく、かつ、シェードやローライト以外の理由でバスの視覚的警戒心を解く要素がある時だ。
早春は、シェードでも「日向の日陰」が基本だが、もっとよいのは「人から水中が見えにくい日向のシャロー」だ。
さざ波時によい思いをすることが多いのは、影がないのに外敵から見えにくく、暖かさを維持できる場所という特殊な要素があるからだと思われる。
また、いち早く暖まりやすい場所は逆に「水通しが悪い場所」でもあり、さざ波が暖かさと溶存酸素の双方を満たしてくれるからだ。
これは水温変化に敏感な小さなベイトを集める強い要因にもなる。
4月並みの暖かさの晴天無風の大潮周り
では、その逆に、3月中旬の早春で、朝から腹をくくって超本気でいかなければ難しいのが「4月並みの暖かさの晴天無風の大潮周り」である。
一般的に一番理想的に思えるこの状態が、特に早春に関しては地獄を見る確率が一番多いタイミングだ。
プロも泣かせる「早春のデカ見えバス地獄」とは、まさにこのタイミングだと思っていい。
3月上旬~中旬の「大潮前後」は、大型の個体ほどバックウォーター手前のベンド付近などのシャローを早々と「回遊」する姿が見られるようになる。
しかも、高確率でデカいバスほど「2匹」同時に見かけることが多くなる。
一番警戒すべき相手は、この「2匹」の見えバスで、この時期の2匹組はハンパなく難しい。
その理由は、これら大型のペアはまだ正式にペアになった訳ではなく、スポーンのためのベッド探しをしているわけではないからだ。
この一見ペアに見える2匹は、いわば体力のあるデカオスがデカメスを必死に「ナンパ」している真っ最中と思えば、2匹の行動が理解しやすい。
すなわち、まだ正式な「彼女」にはできていない状態で、デート(食事)に必死で誘っているような状態だ。
超イケメンの金満デカバスでもない限り、そんなに簡単に理想の彼女をゲットできるわけもない。
何人かにフラれたりしながら、理想の彼女を見つけて、いつか連れ込んでやろうと画策をしている前々段階みたいなものだ。
ゆえに、この時期の大潮前後のバスは、エリアにも固執せず、いいメスの尻を追いかけながら必死でデートに行こうと口説いている回遊なので、ルアーやエサには、はなから眼中なしのペアが多いと仮定している。
こういったナンパに真っ最中のペアは、思春期の彼女が怖がるオラオラなビッグベイト系はなかなか厳しい状況になる。
イージーでリスクのが少なく見える、すなわちオシャレなカフェにフラフラと誘いこむような釣り方で狙うのがコツだ。
そういった手の込んだ釣りが苦手な人は、早春は大潮ではなく、意気込んでナンパにシャローに出る前に腹ごしらえをする、若潮~中潮1日目が、最も狙い目になるという目論見だ。
水温が安定して12度になれば……
逆に、大潮イベントが終わったあとの小潮~長潮は、フラれまくって病んでいるバスも多いので、それはそれで釣り方にも選択が必要になる。
だが、逆にこれが4月に入って水温が安定12度ともなれば婚約成立、ホテル直行寸前(スポーンね♡)時期になると、そんなドキドキの時を邪魔されようものなら、オスもメスも烈火のごとく怒り狂ってくれるので、ストロングな攻めも効いてくる状況が増えてくる。
そうなったら、散々ウザい恋の邪魔者を、ペアが怖がらず追い払えると思える範囲で演出するのが釣り方のコツである。
バスも動物も人間も、所詮は月の引力に支配される地上の生き物に変わりはない。
自分の行動に当てはめて、この時期のバスを観察すると、釣り方もおのずと見えてくる……かもしれません。
達人?になると、「若潮」を潮汐カレンダーを見ずに当てられるようになりますので。