自社窯を持ち、屈指のハイクオリティロッドを輩出し続けているロッドメーカー・天龍。
今年も実に、味のあるロッドが発表された。
ジグ・ザム ワイルドマーク
その中のひとつがジグ・ザム ワイルドマーク。
近海ジギングロッドシリーズの総称である「ジグ・ザム」。そのジグ・ザムから久々の新シリーズが登場となる。
これがまた、実にイイところを突いている。まずは発表された全機種のスペックからご紹介。
スピニング3機種、ベイト4機種の計7機種となる。
モデル | タイプ | レングス(m[ft]) | 継数 | アクション | 仕舞寸法(cm) | ルアーウエイト(g) | ライン(PE/号) | ドラグMAX(kg) | リアグリップ長(mm) | 先径(mm) | ロッド自重(g) | カーボン/グラス(%) | 本体価格(税別) |
JWM611S-0/2 | スピニング | 1.86[6’1″] | 1 | RF | 186 | 80~180 (Best130) |
MAX PE2.5 | 4 | 495 | 1.6 | 161 | 90/10 | 35,500円 |
JWM611S-1/3 | スピニング | 1.86[6’1″] | 1 | RF | 186 | 100-220 (Best180) |
MAX PE3.0 | 5 | 495 | 1.9 | 168 | 89/11 | 36,000円 |
JWM611S-2/4 | スピニング | 1.86[6’1″] | 1 | RF | 186 | 80~180 (Best130) |
MAX PE2.5 | 7 | 495 | 2.0 | 172 | 89/11 | 36,500円 |
JWM611B-0/2 | ベイト | 1.86[6’1″] | 1 | R | 186 | 80~180 (Best130) |
MAX PE2.5 | 4 | 420 | 1.8 | 151 | 88/12 | 36,000円 |
JWM611B-1/3 | ベイト | 1.86[6’1″] | 1 | R | 186 | 100~220 (Best180) |
MAX PE2.5 | 5 | 420 | 2.0 | 161 | 88/12 | 36,500円 |
JWM611B-2/4 | ベイト | 1.86[6’1″] | 1 | R | 186 | 130~250(Best220) | MAX PE2.5 | 7 | 420 | 2.1 | 166 | 88/12 | 37,000円 |
JWM5101B-5 | ベイト | 1.78[5’10”] | 1 | R | 178 | 160~320(Best250) | MAX PE2.5 | 8 | 420 | 2.3 | 171 | 88/11 | 39,000円 |
コンセプトはライト&タフ
ワイルドマークのコンセプトは「ライト&タフ」。
一般的にイメージするライトジギングと、それよりちょっと重めのジグを用いる近海ジギング、どちらにも対応する。
言い換えると、ライトジギングに近い設定で大型とも対峙できる、また細身のブランクスでありながらライトジギングより少し太糸を使えるロッドシリーズ。
従来のジグ・ザムよりはライトだがホライゾンLJよりは強め…2つの中間に位置するシリーズとなる。
例えばJWM611S-0/2。シリーズの中では、最も軟らかいモデルとなる。ここで対応ジグウエイトを見て頂きたい。80~180g(Best130g)、なんとマックス180gまでを対応ウエイトとしているのだ。非常に幅広い。
全体的にしなやかさを併せ持ち、けれどもC・N・T(カーボンナノチューブ)をコンポジットしたブランクスは非常に粘りがある。これが何をもたらすか?
多彩なアプローチが確立されたジギングシーン。天龍の舟木雄一さんによると、状況に応じてさまざまな要素を複合的に考慮していくことが釣果への近道でもあり「楽しみ方」となったという。
例えば「ジグ・ザム」のフラッグシップであるドラッグフォースは、各釣り方をトコトン突き詰めた1本ずつがそろう機種展開。
また同じくジグ・ザムのディープライダーはどちらかというとジグを飛ばすのを得意とする、張りがあるブランクスが特徴。
そうした中、ワイルドマークはしなやかさを生かした、どちらかといえばジグを飛ばさない展開、スローな攻めを得意としながらも、パワーのあるターゲットや潮流が速く物理的に重めのジグを使わなければいけない状況にも対応するのだと話す。
各地でフィールドテストを繰り返したが、速潮が特徴でさらにはドテラ流しで船を流すエリアでもテストは多数。総じて負荷は高い。それでいて、ベイトはコウナゴであったり、ベイト自体があまり鋭く跳ねるように泳ぐタイプではないことも多い。
そんな時に、柔らかく操作してジグをスイミングさせながら、いざヒットすれば大型にも対峙できるロッドなのだ。
瀬戸内のタチウオパターンや、東京湾でもイナダ・ワラサでもそうした状況は多くある。
ライトタックル特有の繊細な操作性と粘りを活かした強引なやりとりを可能にするパワー。
さまざまなジグウエイトを使い分け、入力速度とラインスラックを意図的にコントロールし、気難しいターゲットの攻略を可能にする。
この2点が特徴となる、強烈なほどに1本でさまざまな状況を打破するのがジグ・ザム ワイルドマーク。
ちなみに、ベイトの5101B-5。こちらだけはほかの機種とレングスが違い、ガイドなどにも特徴があるのだが、特にトンジギを意識したモデルでもあるという。そのあたりはまた、次回ご紹介したい。
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