今江克隆のルアーニュースクラブR「ビッガーベイト!今江的2021年のMVL(MostValuableLure)を紹介〜第3位〜」の巻 第1079回
「レイジーハード9」のジャバロンテール改270mmがヤバかった!
だが、ビッガーベイトのポテンシャルは本当に未知数で、本気で使うたびに新しい発見があるところが最高に入れ込める部分でもある。
先のオールスターKOKで、「アンドロイド230mm改」をメインに使っていたが、実はその「アンドロイド230mm改」以上にすさまじいポテンシャルを感じていたのが、「レイジーハード9」のジャバロンテール改270mmだった。
大きく開いた抵抗板となる下アゴは移動距離を最短に抑えながら、潜り過ぎない超シャローダイブを繰り返しながら、「アンドロイド改」が霞んでしまうほどダイナミックかつ生き物のようなテーブルターンを繰り返すことができた。
その事実に気が付いたのは、練習最終日の最後に船上で改造を施した時で、まさか霞ヶ浦で9インチ以上のジャイアントベイトはないと思い込んでおり、2つしかないプロトの1つをバサー編集部にKOKの新製品CM撮影用として渡したままになっていた。
しかし、なにより「レイジーハード9ジャバテール改」をメインに使えなかった最大の理由は、エラストマー製の巨大なハドルテールを薄いペラペラのジャバロンテールに換装した時、「レイジーハード9」のフック、スプリットリングをどんなに最軽量化しても「デッドスローシンキング」になってしまったからだ。
強力な浮力をもつエラストマー製のハドルテールで内部ウェイトをサスペンド調整された「レイジーハード9」は、ジャバロンテール仕様ではどう頑張ってもシンキングになってしまったのだ。
もしこのスーパーシャローマウス(リップ)をもつ「レイジーハード改」が「デッドスローフローティング」仕様にできていたら……KOKの試合中、何度悔しく思ったことか……。
しかし、全神経を研ぎ澄ます本気の本気で挑むトーナメントだったからこそ、ビッガーベイトの限界が見えたのでもあり、そこから「次の一手」が見えたのだと思う。
「レイジー9」と「レイジーハード9」は、完成の土壇場でさらに独創性を発揮するポテンシャルを付加することになった。
レイジー兄弟は2022年、MVL1位になる可能性を十分にもつ、まだまだ底の見えないルアーである。