ビフテキにてキャッチしたアイナメ。実釣ではビフテキで連発劇を見せてくれた
エコギア・プロスタッフ、佐々木俊さんの北海道アイナメ実釣。
前回は、ハードルアーで狙うアイナメのメリットやちょっとしたワンポイントなどをご紹介しました。
大活躍したビフテキ
今回は、ハードルアーではなく、その実釣時に大活躍してくれたビフテキリグをご紹介。
みなさんご存知の通り、ビーフリーテキサスを略してビフテキ。シンカーが遊動式でセットされたリグで、ワームの自由度の高さ、根掛かりの少なさ、垂直なフォール姿勢などメリットが多くあります。
ここで詳しくビフテキリグについての紹介は割愛させていただきますが、この日、佐々木さん自身初上陸となった室蘭の北側沖堤防全体では、室蘭にしては低調な中、ビフテキリグで連発。
そもそもなぜビフテキを用いたか
なぜ佐々木俊さんがビフテキリグを用いたのか、という部分。
前回もご紹介した通り、当日は堤防の岸壁際にはビックリするほどのカジカの群れが接岸している状況でした。
朝イチこそノリーズの「タダマキ」で本命アイナメを絞り出したものの、その後は巻きモノ自体への反応が乏しい。
本来なら強めの釣りでアイナメを…というのが佐々木さんの望みではあったのですが、こればかりは致し方なく。
岸壁際を通す巻きモノですが、カジカの群れに押されて「際ビタビタ」にはアイナメが付いていない(付いている個体は少ない)という判断。
また、アイナメはカジカの卵を偏食。ルアーパワーでアイナメを引っ張ってくるより、食わせ要素の高い釣りを展開すべし…との判断からビフテキリグへとシフトしました。
アイナメが付く場所を探る
さて、次に壁のキワキワでないとすると、アイナメはどこにいる?という部分。
ということで、佐々木さんはまず42gのビーンズTGからスタート。
初場所ということで、北海道・室蘭エリアの沖堤防のやや沖目から手前まで丁寧に誘う。
やがて壁際ビタビタではないけれど、壁から比較的近い位置の足元に広がる敷石で、アイナメからのバイトが多かったのです。また、釣り上げたメスの腹には卵を持つ個体も多かったことから…
①堤防際からわずかに離れた敷石の穴に入り産卵の準備に入るメス
②その周辺をオスはうろうろ
③カジカの卵を偏食。楽に高カロリーなエサを捕食しようとしている
という判断。
そのため、それを予測してからは、堤防から近距離、チョイ投げ程度の沖から手前へと探り、特に足元の敷石周りは重点的に探るというアプローチで次々とアイナメをキャッチしていきました。
具体的にはビーンズのウエイトを17.5g程度まで軽くし、タックルも遠投用スピニングから軽いピッチングで探れるベイトタックルにし、テンポよく撃っていったのです。
とはいえ軽くしすぎないのは、フォールスピードで騙すという面が大きいのですが、このあたりはまた改めてご紹介しようと思います!
カジカの卵をイミテートするビーズ
そしてリグにも一工夫。
カジカの卵を偏食しているのでは?という佐々木さんの予測でしたが、実は釣り上げたアイナメが、そのカジカの卵を吐き出したのです。
上の写真、これが「カジカの卵」です。BB弾みたいな…。
ここで見て頂きたいのが、佐々木さんがビフテキリグに集魚アイテムとして装着していたビーズ。
完全にカジカの卵をイミテートしています。
このビーズはカジカの卵を偏食している時の超マストアイテム。そもそもカジカの卵を偏食し出すと、ルアーで釣りにくくなってくるそうで、ホントは教えたくなかったロックフィッシャーのワザ(教えてくれてありがとうございます)。
また、使用するワームも、基本的には色を合わせておくと超グッドとのこと。
ワームのセレクト
では、そんなビフテキリグで実際に使用したワームはどんなものか。
ご紹介するのは3-1/2”レディーフィッシュとエコギア熟成アクアスイムシュリンプの2つ。
実際には、このほかにもローテをしていったのですが、タフな状況の中で特に目立ったのがこちらの2つでした。
いずれもパーツは少ないが、食わせ力があるというのがポイント。
まずは3-1/2”レディーフィッシュ。
実釣で最もアイナメをキャッチした、ノリーズのワームである。
バスワームとして知られる3-1/2”レディーフィッシュ。佐々木俊という男には、「〇〇用ワーム」というくくりはないのである。
なぜ、レディーフィッシュなのかというと、当日の状況から、あまりスイッチが入っていない魚が相手だということ。
レディーフィッシュはパーツのないボディでテールがプルプル動く微波動系。また、独特なテーパーも相まって、フォール中もアクションを加えた時も、絶妙に微波動を出してくれます。
かつ適度なボリュームがあって水噛みがよい。微波動という部分はもちろん、それでいて小さすぎないというか、ボリューム感もほどほどにあるのが重要なんだとか(ボリューミーすぎるのはNG)。
言い換えれば、適度なボリュームがありながらも、パーツなどでド派手に波動を出すタイプではない、というのがこうした食わせ要素が必要な状況では適するそうです。
くわえて、口に入った時にスポッと折れ曲がって吸い込みやすいのも利点。とにかく食わせたい時の切り札といえます。
出典:ノリーズ公式
3-1/2”クラス/95mm
ノリーズ公式3-1/2”レディーフィッシュ詳細ページはこちら
もうひとつは「熟成アクア」シリーズから。
スイムシュリンプは、オフショアの「ひとつテンヤゲーム」でオーバルテンヤとの組み合わせでも人気なワーム。
ただ、マダイだけでなく今回のアイナメやメバル、クロソイなど、ホントに多彩な魚を多彩なリグで使用できるのが特徴。
まず、非常にスイム姿勢がよい。またエビにもなるし、ベイトフィッシュにもなる。なる、というのは語弊がありますが、そのフィールドでさまざまなエサを捕食している魚に対して、非常に広く食わせる力を持ち合わせているのだそうです。
もちろん、熟成アクアならではの味とニオイでバイトが多いのも特徴。アイナメ狙いにおいても必ず持っていく、超タフ時にもなんとかしてくれるワームだそうです。
では、これだけでよいのでは?と思われるかもしれませんが、その集魚力と万能さから、ほかの魚も引っ張りやすいのが唯一の注意点。今回においてはエゾメバルも多数いたことから、ここぞで使用していました。
出典:エコギア公式
4インチ/96mm
エコギア公式エコギア熟成アクアスイムシュリンプ詳細ページはこちら
というわけで、ビフテキリグを選んだ理由と、そのリグでの工夫や使用ワームをお伝えしてきました。
また「今日は、そういう日だったということで、これがどの状況でも当てはまるワケではありません」と話す佐々木さん。
大まかには、強い釣りか弱い釣りか、そして何をどこで捕食しているか?そんなところを考えながら使うルアーを選んでみるとよいですね。