皆さんこんにちは。LUXXEルアーデザイナーの赤松拓磨です。
徐々に日が短くなり、朝夕の気温も落ちてきました。
水温も下がり始め、水中も秋モード。いよいよ秋爆の開幕です!
しかし、ターンオーバーによる水質の悪化や魚が広範囲に散るなど、難しい一面もあります。
今回は赤松的、「秋のため池巻物攻略法」をご紹介したいと思います。
赤松 拓磨(Takuma Akamatsu) プロフィール
巻物はカラーローテーション
魚が広範囲に散る秋は、魚が反応してくるレンジも広くなります。
効率良くランガンで釣っていくためにも、巻物は欠かせません。
僕の場合は、ランガンしながらも、広いエリアを丁寧にアプローチができるアベンジバイブがメインです。
アベンジバイブは安定した飛距離を出せる飛行姿勢と、根掛かりを極限まで回避できるスイム姿勢を求めたウエイトバランスで設計しているため、非常に使いやすいバイブレーションになってます。
しかも1日巻いても疲れ難い軽い引き抵抗で、僕にとって秋のランガンには欠かせないルアーです。
レンジキープ力も高いので、0.8m程のシャローから2mラインまで広くレンジが探れるのもアベンジバイブの特徴です。
秋の巻物はカラーによって反応が大きく変わる事が多いので、カラーローテーションは重要になります。
気難しい秋のバス達は、いきなりオラオラ系のパールバックのような目立つカラーを投入すると食い渋る経験から、僕はカラーを選ぶ際、まず水質を確認し、そのフィールドの水色に近いカラーから選ぶようにしています。
水色にルアーをなじませるイメージですね。
ため池にありがちなタンニン色の水、いわゆる「ブラックウォーター」の所ではオリーブクローからスタートし、反応を見てレッドクロー、ステインギル、パープルバックという順に強くしていきます。
コンディションの良い池の場合はこのローテーションで大丈夫ですが、朝夕の冷え込みが増してくると、表層水温とボトム付近の水温差が大きくなり、それが混ざる事でターンオーバーになる池が多く、特に皿池タイプの所では青白く濁り、泡が浮いている所が増えます。
そんな水色はオーロラギルからスタートし、パールシャッド、アメリカンシャッドと強くします。
ターンオーバーの水色にはオーロラギルのような、パール系のクリアカラーが特に有効です。
晴れている時のようなハイライトコンディションでは、フラッシュ系のカラーを避け、白系かクリア系を選びます。
理由は同じで、アピール力が強過ぎると食い渋る事が多いからです。
ローライト時はフラッシュ系が良くなります。水色に合わせてゴールド系かシルバー系かを選びます。
アベンジバイブは、僕の経験から得た絶対外せないカラーだけをラインナップしているので、どのカラーもハマる状況が絶対にあるカラーばかりです。
カラーをローテーションしていく目安としては、バイトの有無はもちろんですが、僕はバイトの強弱を重視しています。
意外かもしれませんが「ガツン」と強くアタってくるバイトはカラーが強過ぎる証拠です。
強いバイトはリアクション的にバイトしている事が多いです。
カラーが合っている時は消えるような吸い込みバイトが多く、フロントフックの位置をしっかりと食ってきている事がほとんどです。
リトリーブスピードも同様で、消えるようなバイトが一番合っている証拠なので、その日の魚の反応を見ながら、調節していくのが良いですね。
巻物で釣るにはエリアの選択が重要になります。魚が散る秋は色々なポジションに魚が居ますが、巻物に反応する魚となると意外にもエリアが限られる事が多いです。
巻物の基本は風の当たるウィンディーサイド。特に壁やカバーが絡むエリアを選びます。
ウィンディーサイドにはエビや、小魚が寄せられやすく、いい濁りが入るのでバスのスイッチが入りやすい。
しかし、秋はターンオーバーが一番に入るのもウィンディーサイドなので要注意です。
その際は、カバーを絡めるか、少し水深があるエリアを狙うようにします。
カバーを絡める際はクランクベイトかスピナーベイトがオススメです。
根掛かりせずにしっかりとかわしてくるルアーが重要になります。
僕はアベンジスピンを多用しますが、当てて止める事ができるクランクベイトも欠かせません。現在アベンジでもシャローランナーのアベンジクランク100を開発中です。
アベンジクランク100は、スローリトリーブでもしっかりとアクションをしてくれるレスポンスの良さと、カバーをしっかりとかわしながら、シャッドのような軽い引き抵抗が特徴のクランクになっています。
あとはアベンジクランク400なんかもディープ攻略で使用します。
本来は、琵琶湖やダム湖のような水深のあるフィールドで使われるルアーですが、アベンジクランク400は潜行角度が浅いため、ロングキャストではなく、ショートキャストで使う事で1.8~2.5m程を簡単に巻いてこられるので、手前の地形の変化や、沈み物を狙う使い方がオススメです。
魚の活性が低下したり、プレッシャーが原因で巻物への反応が悪いタイミングはどうしてもあります。
その際は、カバーに付く魚をラバージグのキングコブラジグやリーダーレスダウンショットのLDマスターショットで狙います。
僕的にデカい魚を狙うなら絶対にトロロ藻の被ったカバーです。
ぱっと見水質が悪そうに見えますが、実はトロロ藻は栄養価豊富で、プランクトンやエビが多く居るので、そこに子バスやギルが集まりやすく、それを捕食しにデカバスがやって来ます。
少しボリュームのあるブルフラットなどをトレーラーにする事で、カバーをゆっくりと抜けさせる事ができるので、食い渋ったバスにも有効です。
秋の巻物はタックル選びが特に重要になります。
僕はバイブレーションやクランクを使う際は弾性の低いカーボンロッドかグラスコンポジットを使います。ウィードは枯れ始めているフィールドが多く、夏と違いウィードを切る必要がなくなるので、少し軟らかめのロッドを選ぶ事で、バラシを軽減できます。
アベンジのB66-MもしくはB63-MLがオススメです。
ラインはナイロンラインか伸びのあるフロロが良いです。
活性が高いため、バイトが激しく、ファイト中もジャンプされる事が多いので、少し間を作れるタックルバランスが大切です。
1日の寒暖の差が激しい秋はバスのポジションもコロコロと変わる事が多く、狙いを定めるのも大変ですが、適正水温になる事で活性が高くなり、越冬に向けての荒食いが始まる季節です。
しっかりとした知識と準備をすれば「秋爆」といわれるような、数釣りやデカバス連発もあるので、ぜひフィールドへ足を運んでみてください。