今江克隆のルアーニュースクラブR「ディアウルフ!全コンバットスティック史上最高の銘竿を徹底紹介」の巻 第1070回
「RS」と「GT-R」の違いと使い分け
最後に、「ディアウルフ」には先発のコルクダブルハンドル仕様の「RS」と、2ヶ月遅れでリリース予定のEVAセミダブルショート仕様の「GT-R」がラインナップされる。
ショートの「GT-R」がEVA仕様なのは、エンドバランサーNG派なので、比重の重いEVAでロッドの持ち重り感を軽減している。
ポイントは、共に長さは7フィートで、ショートが611になるわけではない。
ゆえに同一ブランクスだが実質ブランクス有効レングスは「RS」より「GT-R」が約1インチ長くなる。
その1インチ差が「RS」と「GT-R」にもたらす差は、「RS」の方が「GT-R」よりややハードな印象を与えるだろう。
しかし、ブランクスの印象差以上にショートグリップとダブルハンドの実感性能的な差は実は結構ある。
その最大の理由は、グリッピングポジションにある。
下の写真を見てもらうと分かりやすいが、ゴルフをやっている方ならすぐ理解できると思うが、竿を回して投げるキャストにおいては、その回転の中心軸となる部分が一点に集約されている方が円軌道のブレは極めて少なくなる。
すなわち、右手と左手の握る間隔が狭ければ狭いほど、サークルキャスト時の精度は間違いなくアップする。
バックハンドサークルにいたっては段違いだ。
ダブルハンドはフッキング時やオーバーヘッドキャスト時には力が入りやすいが、支点が2箇所に大きく開いてしまうため、円運動の支点が広く曖昧になってしまううえ、何より「手首の回転と柔軟性」が完全にロックされ殺されてしまう。
要は左右の手の間隔が開くと「肘」を支点にして二点で竿を回すようになるので、身体の体軸から離れるうえに肘も開きやすく、キャスト精度はどうしても乱れやすい。
ただ、慣れで十分修正できるので慣れてしまえばさほど問題はないが、スパインレスのキャストフィールの感動を100%味わいたい方、リストの強さに自信のある方は、ショートハンドルなら最高に気持ちよいスパインレスキャストフィールが存分に楽しめるだろう。
たぶんキャスト毎に自画自賛しますよ(笑)。
ただ、ダブルハンドも慣れてしまえばスパインレスの恩恵は十分に味わえるし、「ディアウルフ」を縦にも横にも捌いて使いたいならダブルハンドである。
簡単にいってしまえば、ショートグリップはキャスト精度と乗せ重視、トリプルフック系の巻きモノに向いている。
一方、ダブルハンドルは「ステルススイマー」やスコーンジグのようにガッチリと、かつ瞬間的にも掛けるフッキングパワーが必要な釣り方に向いているといえるだろう。
言い換えればダブルハンドルの方が乗せも掛けも、ともにバーサタイルに使えることは間違いない。
今江的使用比率では、この3年ではショートEVAとダブルハンドコルクは3対7でダブルハンドコルクである。
しかしながら、その三割は時と場合によってなくてはならない必須の三割でもあり、ともに必要ゆえに二種をラインナップした。
また、あくまで個人的だが、黒のEVA「ディアウルフ」はめっちゃ見栄えがカッコいいので手放せないというのもホンネであります。
「ディアウルフ」の受注は、この記事が出た頃から開始されるようです。
海外での事前人気も異様に高いため、初回出荷はかなりの争奪戦になりそうなので、早めにお店に予約しておくことをオススメします。