今江克隆のルアーニュースクラブR「アンブレラリグ!今秋の最ヤバ&最注目リグを徹底検証」の巻 第1069回
ライブスコープによるデジタルeフィッシングがTOP50を席巻した桧原湖戦。
1インチのマイクロベイトに注目が集まった試合だったが、練習期間を通じて秘かにジョーカー的な切り札として、いろいろな真偽不明の爆釣ウワサを耳にしたルアーがあった。
それが「アンブレラリグ」こと、「ワンフックアラバマリグ」である。
ウワサがウワサを呼んだ「アンブレラリグ」
今試合で出番はなかったが、当の自分も今回の桧原湖戦ではダークホースとしてとても期待しており、かなりの時間を「アンブレラリグ」に費やしていた。
戦前のウワサでは「アンブレラリグ」一本勝負でいくプロもいる……とか、ラージ(マウスバス)が高確率で釣れる……とかいうウワサが流れ、また試合後も各選手のタックルには結構な確率で個性豊かな「アンブレラリグ」が結ばれていたのも事実である。
さて、この「アンブレラリグ」、今年の春にワンフックもしくはワンルアーのみで、衛星リグはブレードのみという条件でJB/NBCで使用許可が出て以来、現在急速にトーナメントプロの間で研究が進んでいるトーナメント新ジャンルアーだといってもいいだろう。
元々このリグは、ソフトルアーをジグヘッドで複数個衛星にリグる「アラバマリグ」としてアメリカで大流行したのだが、複数匹を同時に釣ってしまうことからトーナメントでは禁止されていたのだが、ワンフック化されたことでアラバマリグはもはや「アンブレラワイヤー式多枚数異形スピナーベイト」へと変貌し、独自の進化をし始めている。
フラットのワカサギにつく神出鬼没、スポット特定が難しい回遊型のバスを効率よく仕留める方法として、そしてそれ以上の様々な釣り方ができることも発覚し始め、今や絶対に無視できないジャンルになっている。
「アンブレラリグ」のメリット
この「アンブレラリグ」の最大のメリットは、小さな波動の集合体で、今までにない大きな「群れ波動」を形成することで、バスが遠方でも気付きやすく、同時に近づいても食いやすい小さなエサと錯覚させる、今までにない特徴があることだ。
さらにこのリグのメリットとして、傘状のワイヤーに守られたセンタールアーは極めて障害物回避能力が高く、センターにプラグを装着しても根掛かりする確率は非常に低い。
そして、隠されたメリットとしてスピナーベイトに比べ360度方向に抵抗がある構造上のメリットなのか、浮き上がりにくい特徴があるため、水深4~6mといったレンジでもかなり効率よくレンジトレースが可能であることだ。
同時に群れ波動はライブスコープでその存在を遠方からでも極めて捉えやすく、着水からピックアップまでのトレースラインを完璧に「目視」で最後まで追えることも、中層レンジキープの威力を最大限に発揮させられる要因となっている。
いわゆるeフィッシングの代名詞である「ライブサイト」が、最もイージーにできるルアーといってもいいかもしれない。
eフィッシングの代名詞「ライブサイト」で最適
事実、先月のルアーマガジンのロケでは、人でごった返す青野ダム(兵庫県)で、わずか朝の2時間足らずで8mレンジに回遊していた大型バスを「アンブレラリグ」のライブサイトで仕留めて取材を完了させることができた。
この時の1尾目はアンブレラについてきたバスをボート真下でのシェイキングで釣るという技で、喰うまでのルアーとバスの一部始終が全て目視できていた。
取材を終わらせた50cmUPに関しては、20m先の8m水深の緩やかなブレイクに数匹でサスペンドしていた個体で、「アンブレラリグ」を8mレンジまで送り込み、キッチリと浮き上がらないようにバスを直撃できるよう、大振りのミドスト気味にレンジをコントロールして通したところ一発でバイトしてきたものである。
今まで「アンブレラリグ」は、スローローリングが常識のように思われてきたが、今やリフト&フォールは当たり前、アンブレラシェイクやミドストでも釣れることがハッキリと分かってきている。
この事実は、すでにTOP50では知られた当たり前の事実で、イマカツの河野プロは開幕戦・遠賀川で、初の遠賀川チャレンジ、しかも最低限のオールド魚探しかないにも関らず、初日によいウェイトを持って帰ってきて予選突破しているが、この時の釣り方も「アンブレラリグ」を橋脚に引っ掛けてシェイクするという方法で、2尾のキッカーを仕留めている。
アンブレラリグのセッティングに関して……