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今江克隆のルアーニュースクラブR「ベストオブワースト!桧原湖戦をレポート〜バス釣りの常識を凌駕したeフィッシングがヤバい!〜」の巻 第1068回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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eフィッシングの衝撃!

だが、多くのベテランがノーフィッシュを喰らったこの状況で、上位陣の釣果はむしろ過去最強といえるほどの驚異的安定のビッグウェイト続出だった。

試合後、今試合がエバーグリーンカップだったのでインタビューアーを務めさせてもらったが、上位5名の釣りはもはやバス釣りの常識をはるかに超越した、まさに「e-Sports(eスポーツ)」ならぬ「e-Fishing(eフィッシング)」の領域だった。

1インチの「ガルプアライブ ミノー1インチ」に0.3gのネイルを入れたホバスト仕様のリグを0.2号PEで操り、14〜18mボトムに生える10mトップの立木にサスペンドするバスをガーミンライブスコープで見つけ、サイトで釣る。

ボートには、フロント3台のライブスコープを前方死角無しで投射し、「1インチミノー」が10mの立木トップにフォールで到達するまでを目視で確認、バスの動きまでも目で追いながらホバストで誘い食わせてしまう。

通常のライブスコープでは、1インチのワームを15〜20m先の水深10mの立木トップまで沈んでいくのを完璧に追うことは不可能だが、上位陣は口を揃えて「電圧を24V化することで画像が鮮明化してルアーを投影できる」と答えた。

12V仕様と思っていたガーミンを24V仕様で使っていたのだ。

さらに、例え照射ゾーンからルアーが外れても、角度を自由に変えられる3つのトランスデューサーのどれかが捉え続け、3台のモニターのどれかに映るので、ルアーもバスも見失うことがない。

ガーミンライブスコープは通常1台ワンセット70万円程度はする。

それをフロント3台、運転席にさらに1台(トランスは2台で左右切り替え可能)装備している若手プロがTOP50にはもはや当たり前のように存在したのだ。

勝つためには他のことを犠牲にしても投資をもいとわない覚悟、そしてデジタルデバイスを自由自在に使いこなす若い世代ならではのデジタル感性。

特に野尻湖、桧原湖のスモールマウスの釣りは、コロナ禍で1年間のトーナメント開催休止期間中に驚愕の「進化」を遂げていた。

その1年間、ひたすらライブスコープでの釣りを研究し続けていた若い世代のプロと、従来の「ギョタン」の高性能版程度に捉えていた私を含むアナログ世代のベテランプロ。

コロナ過の1年はバスフィッシングのデジタル革命において劇的なレベル差を生む1年となってしまっていた……。

若者e-Fishing軍団の驚異的圧勝に終わった桧原湖戦。上位3人が同じ「ガルプアライブ!ミノー1インチ」の0.3gホバストで、ライブスコープで捉えた10m付近のスモールをサイトしながら釣る方法だった

正直、インタビューをしていて、この試合はとても勝てる試合ではなかったと改めて思わされた。

今まで我々アナログプロが釣っていたバスは練習中に簡単に釣り切られ、我々が手の届かない未知のゾーンにいるビッグバスをディープサイトで狙い撃ちする。

もはやライブスコープなくしては勝ちめナシとさえ思わされた今試合、しかし、逆をいえばその事実が公表された今試合、TOP50プロの追撃スピードの速さは尋常ではない。

おそらく来年には当たり前の世界になっているだろう。

ただ、果たしてこの「デジタルeフィッシング」が、本来のバス釣りの本質を変節させてしまうのではないか、一般の釣り人との乖離が進むだけという一抹の不安の声も聞く。

すでにUSAメジャートーナメントでは、ライブスコープの禁止が議題にあがっているとも聞く。

だが、それはかつて日本で、私が琵琶湖の試合でGPSを初めて使った時、GPSがポイントを盗む機械だというプロのクレームでJBでの禁止が検討されたことと同じぐらいナンセンスなことだと思う。

全てを賭けて、それを徹底的に使いこなす若いプロ達の釣ることへの飽くなき探究心に自分は敬意を表したい。

やはり「最新は最善である」のだ。

「ハドルフライ2.5インチ」すら大きく見えてしまう「1インチミノー」。このミノーをライブスコープで目視しながら、15m先の水深10m付近の立木トップに浮くビッグスモールの目の前でホバストさせる。もはやテレビゲームの世界だ!

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