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今江克隆のルアーニュースクラブR「ベストオブワースト!桧原湖戦をレポート〜バス釣りの常識を凌駕したeフィッシングがヤバい!〜」の巻 第1068回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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シャローの可能性を探して……

途中、大型のスモールマウスがベイトを激しく追いまわし、岸にベイトが打ち上げられてしまう光景に出くわした。

そのベイトを捕まえてみると2年魚程度のウグイで、デカいスモールは大型のベイトを喰っていることが分かった。

大型のスモールマウスが岸に追い詰めて食い損ねたのは大きめのウグイの若魚だった。これがヒントになったかと思ったが……

そこで今回試しに使ってみたのがウィードが多いと聞いていたシャローでの「エラストマウス」のプロトだった。

スプラッシュがボイルのようにみえる「エラストマウス」は、スモールだけにフッキングこそさすがに難しかったが、かなりの高反応を見せた。

ただ、大型スモールはもはやウィードシャローには少なく、ここで勝負できるほどの勝算はなかった。

シャローのウィードで効果的だった「エラストマウス」。ボイルに似た激しいスプラッシュがビッグスモールをコールアップさせることに気づかせてくれた

そこでふと閃き、ウィードと同じ縦ストである急傾斜バンクにある沈み立木群で、「シャワーブローズショーティー」を7フィートのプロトパワーフィネスハードスピニング「キングコブラ」にPE0.6号、フロロリーダー10lbで、まるで海でシイラでも狙うかのように超絶大遠投&超高速DWでボイルが起こった周辺を派手に巻いてみたところ、これが衝撃の大当たり。

桧原湖では明らかに大きい「シャワーブローズショーティー」の激しいスプラッシュとフラッシングは、ボイルが消えたタイミングでもビッグスモールを水面にコールアップする力があり、i字系ホットケに見慣れたボイルバスを立木や岩盤中層から浮かせ続けたのである。

その日はこのパターンで900g~キロアップのバスを笑えるほど釣ってしまった。

これが唯一、自分が勝負できるパターンだったが、このパターンもターンオーバーが始まった練習後半にはものの見事に消滅してしまった……。

練習中、驚異的なビッグフィッシュラッシュを体験した「シャワーブローズショーティー」。大きいサイズを細PEとロングハードスピニングで超絶大遠投して高速スプラッシュでボイルを演出すると、まるでシイラのように水面を割ってきた

結局、これ以外にもアラバマリグ系やビッグスプーン系、サイトフィッシングにシューティング、ありとあらゆる手を尽くすも練習7日目、最終日は全力で釣りにいって2日で3尾のバスしか釣ることができなかった。

予選落ち、年間上位入賞脱落の恐怖、でメンタルヘルスは最悪の状況になっていた。

どうすれば生き残れるのか……

試合前のワンデイオフリミットで、自分がどうすれば生き残れるか考え抜いた結果が、最も得意とする月島エリア、それも最も慣れたハンプ周りの9〜10mのフラットで、練習で少ないながらも最もバスを触れたロングリーダーのキャロ一本で粘り切るだけのつまらない作戦である。

ただ、一つ違ったことは「覚悟」だろう。

他の可能性を全て捨てて、自分が最も魚を5匹釣れる可能性が高い場所と釣り方を最後の最後まで信じきる覚悟だ。

水深9mで5匹釣れれば3kgは超えられる。

8mより浅ければ3kg以下で予選落ち。

何が何でも9m以深で釣らなければ5匹釣っても意味はない。

シャローで2本キロフィッシュを釣っても、揃わなければ結局予選落ち。

5尾3kgを3日間釣り続ければ、最低ラインの20位以内は確保できる可能性が高い。

予選落ちさえしなければ、残る2戦で僅かでも年間ランキング勝負に残れる可能性に賭けた。

9m~10mボトムのワカサギ1年魚の群れに突っ込むスモールマウスの群れを捉えたライブスコープの映像(矢印がバス)。ワカサギの上 に浮いているバスを喰わせる方法がキモになる

試合でやり切った釣り方

今回の釣り方はつまらないので簡単に紹介しておく。

ハンプに囲まれたフラットで、ワカサギの群れに突っ込むスモールの画像を、モーターガイドを全速で360度振りまくり、ガーミン30m射程で当てて探す。見つけたら風と湖流の流れを計算し最大射程25mにボートをスポットロック。

「ハドルフライBros」の1.8gキャロをドリフト気味に漂わせて食わせる釣り方だ。

群れにスイッチが入って喰うまでひたすら粘る、それだけだ。

今試合で使った唯一のルアー、「ハドルフライ2.5インチ」と「ハドルフライエラストマー2インチ」。1.8gキャロで湖流で漂わせる時は超軽量フック&「ハドルフライ」のテールスライス、バスがかなり中層に浮いた時は「ハドエラ2インチ」のスイミングと使い分けた

初日は運よくバスの群れを見つけたが、焦りからかリズムが全くつかめず、実に13時までノーフィッシュ。

そこからようやく釣り方のコツを掴み、1時間半で7本キャッチ、3,050gで25位。

土砂降りになった2日目は、群れが移動し発見するまでに10時半まで掛かるも、全時間をワンスポットに費やし7本、3,580g。

予選を奇跡的に21位で通過した。

上位5人とは絶望的ウェイト差だったが、もう自分はそこを見てはいなかった。

今の自分のできるベストオブワースト(最悪の中の最善)を、ただひたすら繰り返すだけ。

そして台風一過の快晴となった決勝、気圧が一気に上昇したことでベイトが固まり、朝イチ早々に群れを発見、2日間の感覚の慣れから釣り方に落ち着きがでたこともあり、9時半にはリミットメイク、3本の入れ替えに成功し3日間ベストウェイトの決勝10位、3,640gをマーク、まさにベストオブワーストに相応しい10人マクりの11位入賞を果たすことができた。

事実、練習8日間で5尾以上釣れた日はわずかに2日だけ。

勝ちを捨てて全てを捧げなければ5匹には届かない。

その覚悟をし、腹を括りやり遂げたことが、全く見えていない状況から3日間リミットメイク、そして毎日ウェイトを上げることに成功。

今試合は「負け試合」だが、それ以上に価値がある、自分的には往年のしぶといメンタルの復活を感じている。

決勝で今試合ベストウェイトを出すことに成功し、予選21位から11位にジャンプアップ。負け試合だったが、次への希望は確実に繋がっ た

今試合の陰の立役者、今まで欲しくても存在しなかったケン付きマスバリ。「MⅠフック(スーペリオ)」、「MⅡフック(スーペリオ)」この2種類のフックのおかげで3日間のミスはわずか1本だった

eフィッシングの衝撃! 上位陣の釣り方を紹介

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