①:表層のパターン
1つ目のパターンは表層。つまり、トップウォーターの展開。時として爆発的な釣果を叩き出すというトップウォーターをどう考えていくのか。
まず、合わせる状況としては「水質がクリアアップしている」+「風がない(ベタ凪)」であること。これに鮎やハス、ワカサギなどのベイトがリンクしている状況では、トップウォーター一択。
では、どこを釣っていくのか。それは「とにかくベイトがいるところ」。いわく水深は関係なく、無風であれば晴天、曇天も関係なし。ウィードエリアの周辺などベイトが溜まりやすそうなポイントを流していく。
そしてこの時期、ベイトが表層に浮くことがよくある。そして、それらは浮いていることで魚探にも映らないケースがよくある。そのため目視で、ボイルしている・ザワついているなど、水面の生命感を探していくことが重要という。
興味深かったのは使用するルアー。
キムケンがこの時期使用するトップウォーターは「バスベイト」か「イヴォークゼロ」。いずれも、シャラシャラと連続した金属音を奏でながら、動き続けるタイプのルアーで、この動きに音がマストだと言う。
理由は「バスの動体視力が上がっている」から。
このトップウォーターで狙うバスのベイトは前述のとおり、鮎やハス、ワカサギなど細長いシャイナー系のベイトで動きが早いのが特長。つまり、これらを偏食していることによって、動体視力が上がっており、ゆっくり目のアクションや止めると見切られるという。
加えて「イヴォークゼロ」が良い。
イヴォークボディにジュラルミン製シングルプロップが備わった爆音ノイジー。シャラシャラキュルキュルと独特の音を奏で、より広い範囲、より深い所からも魚を呼べるという、特にこの時期にハマると言うルアー。
実際、水深3mレンジからも全然魚を浮かせる力があり、このルアーの場合は多少風が吹いてもその存在感で水面まで引っ張れるんだとか。
これは琵琶湖のバス特有の「水面感度の低さ」が起因。
止水域のフィールド、ため池やリザーバーなどは前提として水面がベタッとなっている状況が多い。加えて絶対的にベイトが少なく、出る出ないに関わらず魚は常に水面を意識していると。一方の琵琶湖は広い上にベイトも豊富。必然的に水面を意識しなくともエサにありつける環境にある。だから、水面感度が低い。
クリア&ベタ凪の状況かつアピール力の高いルアーを使用することで、バスに存在を知らしめるという意味があるんだそう。実際、この時期のトップはデカいバスから順に食うという。
②:クランキングのパターン
クリア&ベタ凪のトップウォーターに対し、濁っている時や風が吹いた時にキムケンが投入するのがクランクベイト。
特に秋は台風なども多く発生し、濁りが入ること、風が吹くことも多く、クランクベイトはトップウォーターと並んで多用。
ここでもやはりキーとなるのはベイトの存在。
濁りと言っても、イッキに全域が濁るということは当然なく、河口などは濁りやすく、またクリアアップもしやすかったり、南湖なら北山田などは濁りが停滞しやすいエリアで有名。
濁りにはベイトが集まりやすい。それは外敵から見えにくくなるため。そしてそのベイトを捕食するバスもまた集まる。キムケンの秋のクランキングは、こういった濁りスポットを拾っていく釣りになる。
キムケンが濁っているエリアで投げるクランクベイトはイヴォーク2.0か3.0がメイン。
イヴォークにはその上に4.0のマグナムサイズがある。記者の素人考えで、濁っているのであればアピールの大きい4.0を投げるのか…と思えば、そうでもない。
いわく、その日のシチュエーションに合わせる必要はあるものの、考え方としては、濁りが入れば通常サイズでも普通に食う。大きいサイズは視覚効果が大きい。そのためクリアアップしている時や渋い状況でこそ使いたいとのこと。
使い方はご存知の通り、基本は高速巻き。高速でグリグリ巻いて、何かに当てることがキモとのこと。