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【本州を凌ぐポテンシャル】エギングマイスター川上英佑の「北海道アオリイカエギング」のススメ

寄稿:川上 英佑
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広い…広すぎる北海道…情報が少ない中でどうやってエリアを決めるか

私が初めて北海道のアオリイカを狙って訪れたのが2018年。以降毎年北海道へ訪れ、アオリイカのエギングを楽しんでいます。

当初、「北海道のアオリイカを狙え」というテーマで私の頭に浮かんだプランは、少しでも温暖な函館エリアから札幌エリアを目指して北上しながらその生息域をチェックしていくプラン。

まず私が北海道のマップを見て感じたのが、「とにかく大きい…広い…」。函館から札幌まで最短ルートでも350km以上…遠征での移動ではなく、ランガンしながらこの距離は何日あっても足りません。

釣行時間は極端に短くなりますが、北海道の西 日本海側の海岸線ルートを選びます。

日本海側を選択した理由は、北海道の海流。北海道道南エリアには太平洋側を流れる寒流の親潮と日本海側を流れる暖流の対馬海流に面しており、日本海側の方が対馬海流の恩恵で水温が比較的長い期間高く、早い時期では10月中旬から初雪が見られる北海道では、アオリイカが好む水温を維持できる環境が望ましいと感じたため。

気象庁の海水温の年間の変遷をチェックしても、高水温を維持しているのは日本海側のため、10月中旬の釣行スケジュールもあって日本海側ルートを選択しました。

 

初場所でチェックするのは地形はもちろん、潮の流れと水温遷移の情報

初場所ではマップアプリで地形を見てポイントをピックアップするのは勿論ですが、潮の流れや水温遷移の情報もクロスすることで、より精度の高いプランになります。場所15か所くらい候補に挙げますが、移動距離からすると約400㎞…ポイントとポイントの間が平均20㎞以上離れていて、かなり大規模なランガン。1か所に掛けられる時間も20分くらいなので、本当に有望なスポット、コースを叩いて3~4キャストで終わる釣りです…。

どのポイントも非常に魅力的で、イカが出なくても「あともう1投…」と後ろ髪を引かれる、アングラ―としてストレスが溜まる行程でした。しかし、スケジュールに沿って釣行しないと最後に撃てない場所が何か所も出てきてしまうため、釣れても次の場所へと泣く泣く移動を繰り返しました。

以下が当時、実際に釣行したルートです。現在はそれ以外のエリアでもアオリイカの釣果が確認されています。

 

北海道のアオリイカポイント(地形)

世界各国でエギングをしていても、実はポイントの見つけ方やアプローチはそれほど差がありません。初場所や全く情報の無い場所での釣り場の候補をピックアップする際も、前述の方法で探しています。つまり、北海道のアオリイカの着き場もほぼ日本国内の他の場所と同じ。

アオリイカが好む地形は地形変化や障害物の周辺で尚且つ潮通しが良い所

主な釣り場は堤防・磯。ゴロタのサーフも良いポイントになります。

磯場は基本潮通しが良い場所のため、アオリイカが付きやすい場所です。沖にある沈み根、岩と岩が形成するスリット、海藻帯など地形変化を探っていきます。湾のような形状をしている磯場はアオリイカもベイトを追い込みやすく、ある程度の時間足を止めやすいポイントになります。

堤防・磯と共通して、潮が良く動く時間帯に潮目や潮のヨレができる時は沖からアオリイカが回遊してくる可能性が高い為、潮目を狙って探るとヒット率が高まります。

 

海藻の種類が違う?

北海道の特色としては海草の種類が異なる事。アマモだと思うのですが、かなり太く背が高い種類で潮位が下げるとエギが通せない程。本州でも同様のポイントがありますが、長さがあるのと繁茂する面積が広いので非常に苦戦します。

そして初夏は昆布も生えており、大きく揺らめく姿は本州~本州以南では見られない北海道ならではのエギングポイントの特長です。

 

メインで使用したエギ・タックル

使用したエギ

メインで使用したエギはエギ王LIVEになります。

「誰でも簡単にキレのあるダートが演出できる軽快ダートモデル」がコンセプトの、エギ王シリーズを代表するモデル エギ王LIVEは、クセのない素直な特性のエギ。

シャクれば上方向に跳ね上がり、ショートジャークでは綺麗に左右に飛びます。1か所をじっくりと探ったり、左右への大きなダート性能を活かした、活性の高いイカを寄せて抱かせるような釣り方も可能な万能モデルで、秋の広範囲に散っているアオリイカを寄せることも得意。

大きく、キレのあるアクションが特長のエギ王LIVEにアクションを付ける際には、ロッド操作で力を込める必要はなく、ラインのたるみをパンっと張る程度の操作で十分水中で動きます。エギングにおいて、アクションのキレと大きさはアオリイカを狙う上で重要な要素。ダートアクションの幅も大きく、前への移動距離が少ない為、限られた範囲でも効率的にアピール力の強いアクションで誘う事ができます。

飛行姿勢も良く、キレのあるアクションを装備したYAMASHITAエギ王シリーズを代表するモデル「エギ王 LIVE」は堤防や磯、サーフなどあらゆる状況に対応できる、これからアオリイカのエギングを始めたいと考えている方にも自信を持ってオススメできるモデルです。

 

タックルデータ

ロッド:ダイワ エメラルダスSTOIST89LML

リール:ダイワ イグジスト LT3000S-C

ライン:サンライン ソルティメイト PE EGI ULT HS8 0.5号

リーダー:サンライン ソルティメイト エギリーダーFC HARD 3号

 

流石、北海道!実際に見て驚いたパターン

釣行を重ねる中で、北海道のアオリエギングならではのパターンというべきか、その場所を見切るべき要素がある事に気づきました。

アオリイカの釣果があった港は何杯か目視できたり、そのまま釣れ続くのですが、釣果がない港には全く居なかったり、あるタイミングをきっかけにアオリイカが急に姿を消したりすることがありました。

数ヶ所ランガンして気付いたのが、漁港に群れで入って来るイナダ・ハマチの存在です。現地ではフクラギと呼ばれ、本州では考えられない程の数が港内にも大量に入っています。「こんな港内のシャローにたくさん!?」と思えるほどの群れ。小型のジグやワームを投げると、まるでメッキ釣りが如く釣れ続く量です。近年、北海道でもブリゲームが非常に盛んなため、資源量も増えているのかもしれません。

 

そして、北海道と言えばサケ。ちょうど秋のアオリイカシーズンと釣期が重なるため、川にも遡上するサケが見られる時期です。漁港内にも入って来るため群れで回遊する姿が見られますが、サケが居ると反応が鈍くなったりするため、サケを釣ってみたい気持ちを抑えながら移動します…。

 

大自然に圧倒されることもしばしば

ランガンの途中で歩くキタキツネを目にすることもある北海道。

余談ですが、現地の釣具店のスタッフの方にお聞きしたのが、「山沿いに面した磯や釣り場は昼間でも熊が出るかもしれないから気を付けて」とのアドバイス。海に熊?渓流釣り、もしくはサケ釣りで河口がらみのサーフで遭遇したりすることは聞いていましたが、理由を聞けば「塩分を求めて海水を舐めに来ているのかもしれない」とのこと。

“磯に熊”は聞いたことがなく、しかも大型のヒグマ。未だ遭遇したことはありませんが、大変驚いたエピソードです。

 

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