今江克隆のルアーニュースクラブR「次世代チビ羽根モノ系ルアーの鍵!アベンタRSRフィネスの可能性」の巻 第1061回
各ルアーメーカーには、いわゆる看板ルアーというべきモノがある。
イマカツの看板ルアーの一つとしては「アベンタクローラー」シリーズがあるが、その中でもTOP50をはじめ、数々のトーナメントのウィニングルアーに輝いた「アベンタ(クローラー)RS」の人気は、驚異的に高い。
その大きな理由が、いわゆる羽根モノの常識でもあった羽根を、非常識ともいえるボディ最後方部に設置したイマカツ独自の「リアセットウィング」によるスーパーデッドスロー性能にあるといっても過言ではない。
そのデッドスロー性能、そして抜群の直進飛行姿勢と飛距離から「アベンタ」シリーズの中でも究極の証しである「RS」そして「RSR」との称号が与えられている。
過去、羽根モノを開発する過程で、2015年にリリースされた「アベンタクローラー」を始まりに→「アベンタ(クローラー)GT」(2016)→「アベンタ(クローラー)RS」(2017)→「アベンタ(クローラー)RSR」(2021)とアップデートされてきた。
しかしその過程で、実は2016年からすでに開発が開始され、今もなお開発途上の羽根モノが存在する。
それが「最小サイズのアベンタクローラー」という最大の難関である。
今週は、すでに6年にも及ぶ、最小サイズ「アベンタクローラー」の開発ストーリーを紹介しよう。
「アベンタRSマイクロ」はよく釣れる。が、しかし……
考えてみれば、「アベンタクローラー」がデビューした時、その10年以上も前から極小羽根モノの元祖ともいえる「ダイイングシケーダー」で、当時これまた大流行したスピンコブラPEフィネスをやっていた自分が「アベンタ」のマイクロ化を考えないわけがない。
「アベンタ」の完成と同時にその対極に当たる極小羽根モノの開発は当然のようにスタートしていた。
しかし、「アベンタ」は各地でデカバスを仕留め続け、三原直之プロのスーパーバスクラシック初制覇のウィニングルアーともなる怒涛の快進撃を続けたが、期待に反し小型化すればするほど衝撃的な結果はなかなか出なかった。
もはやデカ羽根のインパクトにとても敵うものではなかったのだ。
現実、最高傑作の「アベンタRS」をリリースしたタイミングで、「アベンタRSマイクロ」も誕生していた。
「アベンタRS」と同一素材で、リアセットウィングを持つ「アベンタRSマイクロ」は、デッドスロー能力、ピッチの早いクロールに関してはテストプールで見る限り人間の目のには「絶対釣れる!」と確信できるものだった。
しかし、この「RSマイクロ」が、人間の目とバスの目には違って写るのか……と思うほど、どんなにテストしても結果が出なかったのである。
いや、結果は出ていた。
ラージマウスバスにしろ、スモールマウスバスにしろ、30cm以下の小バスはイヤになるほどよく釣れたのだ。
だが、比較テストとしてオリジナルの「アベンタRS」を投げると悲しいぐらいにビッグバスが喰ってくるという残念すぎる結果が製品化をずっと思い止まらせていたのである。
デカいのがナゼか釣れない……だが、この動きの良さは諦めきれない……。しかし、同じ土俵で勝負する限り、羽根モノはデカい方が釣れるとしか思えない結果だった。
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