ポイントとベイトの存在について
基本的には運河や港湾部、河川の中流域から河口の地形変化のあるポイントや、消波ブロックやゴロタ石といった岸際、牡蠣瀬周辺のハードボトム周辺が主な狙い所です。
ここでは、カニやスジエビ、手長エビやハゼ等が主なベイトです。
夏場は塩分濃度の低い中流域や川幅のかなり狭い水路にも小規模な群が入ってくるので様々なポイントでチヌの姿を見ることが出来ますが、釣り禁止等の場所も多くあるので注意が必要です。
運河や港湾部は通年狙う事のできるポイントですが、真夏の海水温が高まった時は少し水深のある場所や潮通しの良い場所に隣接したシャローエリアがお勧めです。
またチニング=ハードボトムというイメージを持たれるアングラーも多いと思いますが、必ずしもハードボトムでなければ釣れないという訳でもありません。
例えば、砂泥ボトムならバチ(ゴカイ類)は目視し難いだけでほぼ1年中抜けているし、壁に付いたカラス貝だけでなく、泥の中に生息するアサリやシジミ等の貝を捕食するチヌもいます。
また、アナジャコやハゼ、マゴチの幼魚等も格好のベイトになります。ハードボトムが無くても、ハゼやアナジャコの多い場所は、季節やタイミングによりチニングの1級ポイントになり得る可能性が高いのです。
また、イナッコやハクといったボラの稚魚や小型のイワシ、稚アユやチカ(ワカサギに似た小魚)もチヌの捕食対象になっているので様々なポイントで多彩なアプローチで狙えます。
1度の釣行で釣れなくても、潮汐のタイミングや季節を変えて狙ってみてください。
釣り方について
1年を通して最も釣果が期待できるのがワームを使ったボトムチニングです。
ボトムを様々な速度でのただ巻き、リフト&フォールやボトムバンプ、流れが有ればボトムを流しながらリフト&フォール、ボトム付近をテンポ良くダートさせて高活性のチヌを狙う事もできます。
近年は遊動式のフリーリグが実績もあり人気ですが、シンプルな直リグやジグヘッドも有効です。
ハードルアーでのプラッギングは、シャッドやシンキングミノー、小型のクランクベイトを使い、ただ巻きや、ジャーク&トゥイッチといった様々なルアーアクション、スローなフォール(シンキング)やライズアップ(フローティング)、サスペンドで狙え、ワームとはまた違った多彩なゲーム性がある釣りです。
大別すると、ワームでの釣りは主にボトムでステイしてアピールさせる事が出来るのが大きな強みで、ハードルアーはボトムギリギリを通すことでボトムに接触する音や振動を嫌がるチヌを狙う場合や、水中でステイさせて浮遊感で喰わせる事ができるメリットが有ります。
これは、どちらが優れているという事ではなく、季節やポイント形状、魚の活性といった状況に応じてそれぞれの良さが発揮されるシチュエーションがあるので、様々なタイプのルアーを駆使して御自身のスタイルにあった狙い方を見つけてください。
ハイシーズンの大型河川では主にバイブレーションやシンキングミノーの出番が多くなります。
これは、飛距離が必要なポイントや、水深や流れの強さ、牡蠣瀬等の高低差の大きなハードボトムにより、ワームや軽量のプラグでは攻略しにくいというのもありますが、ハイシーズンの大型のクロダイはかなりのハイスピードリトリーブやロッドワークによる激しいルアーアクションにも余裕で追走してバイトしてくるので、より速い動きでボトムレンジを通せるルアーが必要となるためです。
高活性時には、ガツガツとボトムに当てながら早巻きをして、ボトムに当たったルアーが起こす変則的なアクションにも好反応を見せてくれます。しかし、フィールドコンディションによってはハイシーズンのデイゲームでも、強いアクションやルアーがボトムに接触する音を嫌う場合もあり、ナチュラルな動きのルアーにしか反応しない事もあるので、様々なルアーやアクションを試す必要があります。
ちなみに、スローなアプローチが主体のナイトゲームでも、高活性時はデイゲーム並みの超早巻きにしか反応が出ない時もあります。なにをやっても釣れない時は試してみてください。
お薦めのタックルについて
釣り場により異差はありますが、基本的にはシーバスタックルや強目のメバルロッドの流用が可能です。
しかし、魚からの繊細なアタリをヒットに持ち込む為の感度だけでなく、使用するルアーのタイプやウエイト違いでの操作性や、ボトムを感じやすい感度、根掛かりを回避しやすいティップやベリーの適度なハリを備えたロッドがお勧めです。
メガバスからはチニングのあらゆるメソッドに対応するスピニングロッド『礁楽SL-75MLS』がビギナーからエキスパートまでお勧めです。
しなやかさと張りが絶妙なバランスでセッティングされていて、ワームでのボトムチニングから小型のプラッギング、小型バイブレーションやチニング専用のトップウォータープラグの操作がとてもしやすく、年無しサイズのチヌの引きにも負けないバットパワーを持つ、チニングロッドのベスト・オブ・ベストといえる1本です。
ラインはPE0.8合に、プラッギングではナイロンリーダー16lb、ボトムチニングはフロロリーダー16lb。
上記の礁楽SL-75MLSと比較すると、スペック数値は大きく変わりませんがディップからベリーにかけてハリが強く、バットは更に強靱になっていて1ランク上のパワーフィーリングです。
ロッドコンセプトにロックフィッシュも対象魚に入っていることからもお分かりになると思いますが、特にフリーリグ等を用いたボトムチニングでの使用感が秀逸です。
ちなみに僕は、大型河川での15g程度までのバイブレーションゲームや、シーバストップウォーターゲームや、ライト(10g前後)なプラッギングにも使っています。チニングだけでなく、ロックフィッシュやシーバスのライトゲームもかなり楽しめる1本です。
ラインはPE0.8号にフロロリーダー16lb。
大型河川等でのハイシーズンには、主にシーバス用のバイブレーションやシンキングミノーが活躍するのですが、その多くが一般的なチニングルアーと比べるとウエイトもあり、流れの中で速く強いアクションを出す場面が多く有るため、必然的にロッドも強くなる傾向に有ります。
また、東京湾奥の大型河川のクロダイはアベレージサイズが大きいだけでなく、尋常ではない引きの強さとタフさを持つ個体が少なくないため、一般的なチニングロッドでは為す術もなくラインを引き出されてハードボトムやストラクチャーに擦られてラインブレイクが多発なんて事も少なくありません。
そんな背景もあり、東京湾奥河川のハイシーズンにはML~Mクラスのシーバスロッドの流用が主流になっています。
しかし、現在市販されているシーバスロッドの大半はティップもしくはベリーにしなやかさを持たせているモノが多く、それはシーバスの捕食時にロッドの張りでルアーを弾かない様にセッティングされている為です。
対して、大型河川でのハイシーズンのクロダイゲームにおいては、そのティップもしくはベリーのしなやかさがマイナス要素となります。具体的には、ルアーウエイトやリトリーブ速度によりロッドの曲がる部分が変わりますが、そのルアーの巻き抵抗により曲がっている部分がしなやかだと、ボトムにルアーが当たったのか魚がバイトしてきたのか解らずに、繊細なレンジコントロール出来ず最悪はルアーの根掛かりロストに繋がります。
その様な理由から、ボトム感知&回避性能だけでなく、グンッとベリーが曲がった際に根掛かりなのか魚のバイトなのかを瞬時に判断しやすいハリ具合と感度、大型で泳力の高い大型クロダイを流れの中のハードブレイクから一気に引き離すバットパワーが必要になってきます。
また、稀に60cm超級の大型クロダイがヒットすることがありますが、回遊性強い60cmクラスのクロダイは、コンディションの良いランカーシーバスと同等以上の引きの強さとスタミナを持っています。そんな超大型クロダイとの千載一遇のチャンスを根ズレによるラインブレイクで台無しにしない為にも、適材適所のロッド選びが必要です。
『礁楽SL-92HS』は、正直なところ50cm前後のクロダイではオーバースペックとも思える強いロッドですが、25g程度までの鉄板バイブレーションやX-80SWでの早巻きやジャーク&トゥイッチでもティップやベリーが負荷負けすることなく、ボトム感知&回避性能も高いので、大型河川でのクロダイゲームにおいてメリットが大きいのです。
ラインはPE1.2号にフロロリーダー25lb~30lb。