今江克隆のルアーニュースクラブR「今江の推し!今夏の注目トップウォータープラグ&使い方を紹介」の巻 第1059回
異色の水面直下系!
最後に番外編を。
先週「メタルマウス」→「野良ネズミ」への気付きにかんして書いたが、実はもう一つの気付きがあった。
その気付きには実は、「メタルマウス」→「野良ネズミ」→「フラシュリンプ」→「アベラバ1g」+「タイニーゲンタホッグ」という流れがあり、最終的に「フラシュリンプ」は、今回奏功しなかったが、練習中に「フラシュリンプ」がただのフォール用高比重ワームではないことに気付いていた。
この気付きの流れの共通点は「水面直下」、「横の泳ぎ」、「水面を壁として認識」の三つ。
練習中でも「フラシュリンプ」を実は、ただ杭のノーシンカーフォールなどという誰もがやる釣り方では使っていなかった。
「フラシュリンプ」は、もちろんノーシンカーリグのフォール攻めでも、通常の状況ならとても効果的だ。
しかし、多くの高比重ノーシンカーワームが、投げて落としては、回収で終わってしまうのに対し、「フラシュリンプ」のコンセプトは「実は落としてからが本領」ということだ。
このあたりは三原(直之プロ)らしいコンセプトだなぁ……と思わず唸ってしまったが、激浅いアシ際にまず「フラシュリンプ」をフォールさせてから、そこからピックアップするのではなく、すなわち「メタルマウス」、「野良ネズミ」と同じく、ショートピッチのトゥイッチングでドックウォークさせながら水面直下をスイミングさせてきて喰わすワームなのである。
「フラシュリンプ」は、そのためにハーフカットされたショートヘアのフラスカートが頭部に設置されており、一見ぶっさいくに見えるボディエンドの断面がそのまま残されている。
コレが実はよく考えられており、この頭部の断面と上方向のみ残してハーフカットされたスカートがリップの役目を果たし、細かなトゥイッチで「水中野良ネズミ」のように小刻みにドックウォークをするのである。
「ドック際の杭で釣れました」→「杭にノーシンカー縦落とし」のイメージをミスリードさせるが、実際は壁に沿いに投げてフォールさせずにスイミング、杭に絡めて水面方向へヤゴが逃げるようにスイミングでひったくるように喰ってきた……のかもしれない。
コロナ禍でオフリミットがなくなったTOP50(実際は59人)では、およそ2週間、世界最先端装備で、およそ最強の釣りに人生全て賭けた連中が延々と釣り込むわけで、杭にフォーリングやアシ際ポッパー、アシ際フォーリングなどの、誰でもやるような平凡な釣り方は最初の3日で完璧に潰れ切ってしまう。
当然、2週間毎日攻め立てられればバスも覚えてしまう。
そこから先を釣れるルアー、釣る方法を見つけなければ、いかにバス釣りに人生賭けた(捨てた?)TOP50プロとて、毎日半数近くがゼロに終わってしまうのである。
一方で、毎日釣ってくるプロは必ずいるのだ。
「フラシュリンプ」には、三原が「フォールのその先を釣る」狙いを込めて作ったことが明確に意図されていた。
「ダッドカットの手足ナシじゃん!」って思った見識の浅いプロは、毎日ゼロ組に所属するハメになるのである。