今江克隆のルアーニュースクラブR「今年一番ヤバい!? 開幕直前!トップ50霞ヶ浦水系戦」の巻 第1057回
アフターのもう一つのキー
そして、アフターのもう一つのキーになる水通しの良いフラットハードボトム、浚渫は、序盤こそグッドサイズバスの連発もあったが、同様のTOP50プレッシャーで日に日にパワーダウンしてしまい、バスが消えると今度は大ナマズの巣窟と化している状態だ。
そしてトーナメント会場のすぐ横であることから、放流バスが数多く定着し、北浦の「最後の切り札」とすらいわれる潮来マリーナから続く長大な護岸沖リップラップ一文字も、同様のデス状態に仕上がりはじめている。
序盤は「IxI FURIOUS」のテストにうってつけだったのだが、現在は行き場を失った末に死に場所を求めるTOP50プロと、岸からはオカッパリの大銀座状態。
もはやどこの場所も究極のTOP50プレッシャーで仕上がってしまった状態から、いかにしぼりだせる特殊な釣り方を見つけているか否かで勝負は決するだろう。
世界最先端の地形探査電子機器が標準装備のTOP50開催レイクに、誰も知らないシークレットスポットなどまず存在しないのである。
リアルタイムで「釣り方」に気付けるか否か、それが練習の最大の目的なのである。
一番必要なテクニック
ここまで7日間の練習で何種類かのパターンに気付けてはいる。
しかし、今もまだ威力を維持しているパターンもあれば、威力を失いつつあるパターンもある。
エリアに関しても、ルアーに関しても、現れては消え、消えてはまたどこかに現れる繰り返しなのである。
果たして本番、練習で気付いた数パターンのうち、生き残るパターンはどれなのか、また叩き続けられたエリアの中で、試合本番に復活してくるエリアパターン、コンテンツパターンは何なのか、その選択の精度を少しでも上げるのが練習である。
いずれを選ぶにせよ霞水系は、毎日全てが日替わりだ。
言い換えれば、練習でどんなに釣れていても、何日練習しようとも、1日で全てが消えてしまうし、その日に気付けば1日でもハメられる湖なのだ。
ラスト3日間の練習で、自分の軸となるメインパターンをいったん2つほどに絞るが、そのパターンをハメていくエリア選択は当日の天候と、風と、直感が全てになる。
違うと感じた時、練習結果を引きずらず捨てさり、フラットな判断ができるかどうか、それが一番難しく、一番優れた「テクニック」である。
いずれにせよ、TOP50選手が口を揃えて「今年一番ヤバいトーナメントになる」と囁く、霞水系戦。
ここを乗り切った者が、早くも今期AOYレース参戦の資格を得ることは、ほぼ間違いない。
練習内容の濃度、そしてこの戦いのために温め、開発してきた数々のトーナメントタックルの真価が試される今年一番、厳しい試合になるだろう。