今江克隆のルアーニュースクラブR「最新ギルパターン!梅雨〜初夏のギル喰いバスの釣り方を一挙紹介」の巻 第1056回
「ジャバギル」の酸欠ギルパターン
最後に、今江的にはまだ研究継続中の注目の釣り方を紹介しておこう。
それは「ジャバギル」の酸欠ギルパターンだ。
夏になると必ずといっていいほど酸欠になったギルが水面をパクパクしながらフラフラ泳いでいる姿を目にする。
ギルネスト期にもワンド奥の水がよどんだエリアで見かけることがあるが、これを丸呑みにしているバスも結構いる。
以前、某ダムで「ジャバギル」をほぼSP(サスペンド)状態にしてオバハンの中で浮かせていると、何度も真っ黒なデカバスが浮いてきて、喰いかけるシーンに遭遇している。
当時は、たすき掛けオフセットフック仕様にしており、完璧に浮かせることができなかったためチャンスを逸しまくったことで、ワイヤーガードを装備したトリプルフックでもより浮きやすい「ジャバギルインライン」を追加で作った経緯がある。
この方式では、七色ダムでの取材で狙い通りにデカバスを同じ方法で仕留めることに成功した。
同時期、某湖のビッグラージ狙いで「ジャバギル」のキテレツな表層ピクピクチューンでビッグフィッシュを釣っているプロアングラーもおり、「ジャバギル」の浮かせ釣りの可能性には今も注目しており、研究開発をずっと継続している。
当時はフッキングの邪魔にならない軟質浮力体をボディ内部に入れて浮力と姿勢を確保していたが、ボディサイズが一口サイズの110mmと小さいうえに、「ジャバギル」特有の蛇腹構造ゆえに浮力体を十分入れるスペースが確保できなかった。
それゆえ、どうしても大きなフックを使うと弱フローティング、デッドスローシンキングが限界だった。
もしこの「ジャバギル」に#5/0フックや#1サイズのトリプルでも余裕で浮かせる浮力と、放置でも動き続ける蛇腹構造、さらにジャークした時に大きなキック波動をだす能力が備われば、カバーの中を果敢に攻めることができるフロッグのような「ソフトギルロイド」も夢ではないかもしれない……。
なかなかの無理難題、高い壁ではあるが、だからこそバス釣りはマンネリにはならない、無限に続く進化への楽しさがあるのだと思う。