タフさが魅力のダイワが手掛けるスピニングリール「セルテート」。
LTコンセプトとモノコックボディによって強さと軽さを両立、ますます人気が高まってきている機種です。そんなリールにショア・オフショアをはじめとするビッグゲームに対応した大型番手が2021年に登場したことは皆さんもご存知のハズ。
そう、「セルテートSW」です。
「19セルテート」の基本性能は継承しつつ、さらにパワーが高められた超強靭&高機能スピニングリール。
そんな「セルテートSW」を愛用しているアングラーの1人が、コンビネーションジャークの考案者として知られている吉田匡克さん。先日ロケに同行した際、「セルテートSW」を実際に使用していたので、今回は吉田匡克さんの意見などを絡めて「セルテートSW」に注目していきます。
吉田 匡克(Masakatsu Yoshida) プロフィール
セルテートSW【ダイワ】
まずは、「セルテートSW」のラインナップから紹介。
「19セルテート」は最も大型番手で5000番まででしたが、「セルテートSW」はそれを上回る8000番から18000番までが揃っています。
品名 | 巻取り長さ (cm/ハンドル1回転) |
ギア比 | 自重 (g) |
最大ドラグ力(kg) | 標準巻糸量 PE(号-m) |
ベアリング (ボール/ローラー) |
ハンドル長さ(mm) | ハンドルノブ | 税込価格(円) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
8000-P | 92 | 4.8 | 615 | 25 | 3-400 4-300 |
8/1 | 75 | EVAラウンド | 81180 |
8000-H | 111 | 5.8 | 625 | 25 | 3-400 4-300 |
8/1 | 80 | ハイグリップエッグ | 81180 |
10000-P | 98 | 4.8 | 620 | 25 | 4-400 5-300 |
8/1 | 75 | EVAラウンド | 81180 |
10000-H | 118 | 5.8 | 630 | 25 | 4-400 5-300 |
8/1 | 80 | ハイグリップエッグ | 81180 |
14000-XH | 134 | 6.2 | 635 | 25 | 5-400 6-300 |
8/1 | 80 | ハイグリップエッグ | 81180 |
18000-H | 131 | 5.8 | 850 | 30 | 6-400 8-300 |
8/1 | 85 | ハイグリップエッグ | 93720 |
ダイワ公式「セルテートSW」詳細ページはこちら
ロケで活躍していた番手は8000-H&8000-P
今回のロケでは、近海のキャスティングゲーム&ジギングゲームでのブリ狙い。
つまり、使用した番手は「セルテートSW」の中では最も小型の「8000-H」と「8000-P」。
キャスティングでは手返し重視でハイギアモデルの「8000-H」を使用し、ジギングでは繊細にジグをアクションさせるべく、「8000-P」を使用するといった使い分けで実釣に挑んでいました。
とにかく強い
さて、そんな「セルテートSW」の使用感について尋ねてみると、とにかく強くて軽やか。キャスティングでもジギングでも非常に使いやすいと話していました。
まず、強いというワードに関しては「セルテートSW」の最大の特長を意味していて、ボディに「20ソルティガ」と同様、金属製モノコックボディ&G1ジュラルミンタフデジギアが搭載されています。
モノコックボディをまず簡単に説明すると、ボディがひとつのパーツでできている構造。従来のリールはボディとボディカバーでドライブギアを覆っていて、それを支えていたのは数カ所の小型のスクリュー(ネジ)でした。
その為、極端に言えばネジだけでボディとボディカバーを支えているということになるので、剛性という点では完璧ではなかったのが現実。
それに対してモノコックボディは、従来までのボディカバーを排除。
MONO(ひとつの) – COQUE(殻)という言葉の通り、1つのパーツで完成したボディカバーへ、高精度のプレートを直接ボディにセットされています。
いえばこれがネジの役目をはたすので、「点」ではなくプレート全体の「面」でボディを支えることができるため、精度、剛性、気密性という部分で大きな進化を遂げることになりました。
さらに、これまでネジを固定する部分がボディ内の空間を圧迫していたので、ドライブギア自体もそれに納まるように少し小型に設計されていました。
しかし、モノコックボディを採用したことによって、従来よりもひと回り大きなドライブギアを採用することが可能になりました。
そのため、よりパワフルな巻取りを行うことができ、大物とのファイトもコレまで以上のスムーズさを実現。
そんなモノコックボディの内部に搭載されているギアが、強度と軽量性を両立する「G1ジュラルミンタフデジギア」です。
モノコックボディを採用する前の従来機種と比較すると、ギアの外径は約12%、厚み55%アップを実現。モノコックボディだからこそできる大口径ギアとなっています。
滑らかな回転を持続しつつも、パワフルな巻き上げを発揮します。
左:従来のハイパーデジギアは硬くて強度はあるが重い。右:G1ジュラルミンタフデジギア(超高強度アルミ)は強度と軽量性を両立。
巻き初めから軽い
リール本体の注目ポイントは「モノコックボディ」とその中に搭載した「G1ジュラルミンタフデジギア」。ただ実際に使っているとやはり、重要視してしまうのが巻き心地。
吉田匡克さんが「セルテートSW」の中で最も気に入っているポイントは、巻き感の軽さ。プラグやジグをステイさせてからの巻き初めがとにかく軽いと話しています。
その理由として挙げられるのが「ZAIONエアローター」を採用しているから。
ZAIONエアローターは低慣性(イナーシャ)かつ軽量化を実現。ハンドル回転における初速が軽いので、レスポンスの良いリトリーブが可能になります。
吉田匡克さんが「セルテートSW」を使う理由はこの部分で、ステイやジャークを織り交ぜるトップゲームでは非常にプラグをコントロールさせやすくて、アクションの強弱をつけさせやすいとのこと。
ジギングにおいても、軽量ジグを軽やかにシャクることができると話していました。
ドラグの滑り出しも良好
もう1つ気に入っている点はドラグ性能だと話す吉田匡克さん。
ATDを採用しているので、ドラグをキツく締めていても魚が走った瞬間にドラグが出てくれるため、ラインブレイクへの不安も軽減されると述べていました。
確かに、万が一ドラグを緩めていなくてもコレだと安心ですよね。また、ドラグ音が大きいのも気に入っている理由だそうです。
マグシールドもモチロン搭載
言うまでもありませんが、マグシールドもモチロン搭載。防水性能もバツグンです。 海水が侵入する心配も無用。
ボディとローターの隙間に磁性を持つオイルの壁を作ることで、海水や埃などの侵入をシャットアウトする防水構造が「マグシールド」。
ボディとローターが無接点なので、軽く滑らかな回転はそのまま、初期の回転性能を長期間維持します。
回転異音の多くの原因は、塩ガミ・異物の侵入など。マグシールドが採用されてからリールの回転異音発生率は大幅に低下しているのは事実。
「セルテートSW」にはマグシールドをメインシャフト部に採用。さらラインローラー部にマグシールドボールベアリングが搭載され一切海水の侵入を防ぎます。
その他にも色々コダワリが
上記で述べた内容が「セルテートSW」を代表する大きな特長ですが、それ以外にもまだまだコダワリが詰まっていますよ!
ABSⅡの接触抵抗を減らす思想はそのまま、接点を前にだすことで、さらにスムーズなライン放出を実現。
リング部が前方に出た効果によって、リング上にラインが乗りにくくなり従来のABSⅡ以上に約5%の飛距離UPとトラブルレスを向上。
ハンドルノブはLサイズに対応。
キャスティングゲーム主体となるハイギア(H/XH)には、ハイグリップエッグタイプを採⽤。しっかり握り込めて⼿からスッポ抜けにくい形状に。
ジギング主体となるパワーギア(P)には、EVAラウンドタイプを採⽤。取り回しが良く、操作性と握り込みの安定性を両立。
中空構造によって軽さを大幅に向上させたのが「エアベール」。
さらに独自のラインスライダーの形状によって、ベール周りの糸絡みを大幅に減少。『タフエアベール』はステンレス素材の肉厚を厚くして強度を約4倍アップし、チタンのソリッド素材より同重量では約13倍の耐久性を秘めています。
またアームレバー部との段差をなくすことにより、ライントラブルを大幅に解消。(ベールリターン方式はマニュアル)
ベールオープン時にローターの回転にブレーキをかけることで、キャスト時のショックでハンドルが動くことによる不意のベール返りを防止する機構。
以上が、「セルテートSW」を代表する主な特長になります。ロケでは8kgクラスのブリの引きに対してもシッカリ耐え抜いていましたので、実釣の様子をご覧になりたい方はぜひ、以下の動画をチェックしてみてくださいね!