今江克隆のルアーニュースクラブR「見えデカバスを仕留める!ビッグベイト・サイトフィッシングの奥義に迫る」の巻 第1054回
ビッグママを反応させる術は?
離れて浮いているビッグママを反応させる基本は、「オスがホンマ頼りない」とママをイラつかせることだ。
上手くそう思わせられたらママの気性が突然荒くなる「瞬間」が必ず訪れる。
ただ、ママの怒りはオスと違って継続し難く、1、2回激怒したと思ったら素に戻るのも早いので、その一瞬で掛けられるかが勝負の分かれめになる。
釣り方は主に二通りで、一つはママと同じ目線の高さで中層完全サスペンドさせ、そこからタイミングを計ってリアクションで反射的に喰わせるケース。
二つ目は、ベッドから逃げるように深みに誘いだして追わせてバスが見えなくなる水深で喰うケースだ。
今江的には、前者はビッグベイト、後者は昔はフットボールジグ、現在も最強は「ジャバロン」やギル系のヘビダン(ヘビーダウンショットリグ)である。
ただヘビダンの場合は、バイトが見えないケースが多いので、間違ってオスを釣ってしまうことも多々ある。
ビッグベイトにかんしては、すべて目視下で展開するが、ビッグベイトはオスの手に負えずママの逆鱗を一番得られやすい半面、掛けることに関してはヘビダンのようにオートマティックにはいかない難しさがある。
基本的にビッグベイトに対するママの怒りは「食欲」ではなく「威嚇」、「排除」なので、バイトは口をあまり開かない一瞬の噛み付き行為になる。
この噛み付き威嚇のとき、ママは非常にルアーの針をよく見ており、たいていはルアーのボディ側面を噛むようにバイトしてくることが多い。
大口をあけて吸い込むのではなく、小さく口を開いて噛むか、押す感じだ。
食性で吸い込む場合はフックがボディ下部にスプリットリングを介して垂れているトリプルの2フックはフックが吸い込まれボディが倒れ込むので有効なのだが、この啄ばみ側面バイトには背針も腹針もフッキング率は極めて悪い。
またママの怒りは1、2度で終わってしまうことがほとんどなので、2回ミスると、もうジ・エンドである。
トーナメントでは特にこれをミスるとメンタルも致命的なので、過去散々色々と試行錯誤してきたが、今江的見解では、ママはどうもルアーの外周に大きくはみ出した「鋭利な突起」があると、それを避けて寸止めで終わる傾向がある。
この傾向は、背景に壁や岸がないような、ド中層では特に顕著に思う。
しかし、横から見たときボディ側面背景に収まる形でセットされたシングルフックには寸止めではなく、ボディバイトに至る確率が高いと経験的に感じている。
これは経験的に背針、腹針を過去何度も見てきた老獪なママの記憶がそうするのか、ボディの側面に収まる形で針がセットされたルアーがほぼ歴史的にないことから、ママの過去の知識にないからなのかは分からない。
ただ、ヘビダンの「ジャバロン」は見えない視界に入ったら丸呑みしてくるのは、暗いがゆえの視界の悪さとオフセットフックの尖った部分が見えないローリスクさが、ママに口を開かせる要因となっているのかもしれない。
アフターの見えデカバスの釣り方は?