今江克隆のルアーニュースクラブR「ウワサの超最新エレキをインプレ!モーターガイド・ツアープロ」の巻 第1051回
ペラが斬新!
とまぁ、ここまではモーターガイドの宣伝文句におおむね謳われた性能なのだが、今江的にはこの「ツアープロ」に装着された奇妙なカタチの新型プロップがとても印象的だった。
硬質の2枚ペラのうえに逆ネジというか、今までのペラとは形状が全然違う斬新なカタチである。
昔からエレキ戦では3枚ペラの「マチェットⅢ」に熱をかけてピッチを強制的に変えて使っていたので気になったのだが、「ツアープロ」のペラは異質すぎるほど異質な形状である。
実はペラこそエレキの実戦性能を左右する極めて大きな部分なのである。
「ツアープロ」の最大パワーは109lbなのだが、同パワーの旧「ツアー」に比べ、明らかにスムーズで中間加速がよく、ウィザード12Vに1人乗りフルデッキ・バッテリー115A8個乗せ・トルキード・ジャック&パワードームリア載せ状態の向かい風微風で6.8kmをマークした。
リアのトルキードをハズし、さらに軽量化すれば1機でも7km後半は余裕ででるだろう。
もしかするとアンカーリングの静粛性と挙動の安定もこの特殊プロップの恩恵が大きいのかもしれない。
気になったので後で調べてみたところ、このプロップは「カタナプロップ」と名付けられた最新型で、少ない出力でもより速く推進することができ、水流によるモーターの負荷を減少させバッテリー消費を節約できるというモノらしい。
まだ連続走行時の持久力はこれから検証だが、なんとなく直感的に「モーターガイド」が当初予定していた「ブラシレスモーター」を見送った理由がこのへんにありそうな気がした。
確かにブラシレスモーターはノイズ静粛性と効率の良さによるパワーアップなど、今江的にはブラシレスに期待していたのだが、「モーターガイド」はブラシレスを見送り、熟成度の高いブラシモーターを採用してきた。
ブラシレスには及ばないかもしれないが、この斬新なプロップの採用によって速度、ノイズ、燃費性能を補い、同時にブラシレスの難点でもある競合他社1台50万円~60万円平均の「超高額化」を回避したのかもしれない。
シャローメインのアングラーにはブラシレスの魚探ノイズレスメリットはさほど価値がないし、なによりエレキは1台でスペアがないと試合でトラブればジエンド。頼れば頼るほど同等のスペアが必要になる。
もしバスボート、アルミボートを試合で使い分けるには最低3台は必要になるだろう。その場合の価格差は1台で約10~20万円差であっても、複数台になるととてつもない価格差になる。
まだ歴史の浅いブラシレスではなく円熟のブラシモーターを採用した裏には、マーケットのメジャーニーズを分析したうえでの「勝負価格」なのかもしれない。
一般ユーザーにとってエレキ一機と高性能魚探1つだけで合わせて余裕の100万円超えは非現実的である。
さらにはアップデートによって数年でソフトが使えなくなり、パソコン並みに買い替え必須…もはや付いていけません…1尾のバスのためにまさに麻薬的戦略。
エレキ界最大の老舗「モーターガイド」が最後発で出してきた「ツアープロ」、総合していえば、ワイルドな、マニュアルシフト好きなシャローマンにこそ、最適の選択ともいえるだろう。
最後に、最近、世界的コロナ禍の現状、海外製釣具新製品は初回入荷後の見通しが全く見通せない異常な時代なので、必要な方は6月の初入荷時(谷山商事)に手に入れておくことを強くオススメします。
特にレンタルボート最強の「ツアープロ82V」はヤバそうです。