【2種のライズパターンと表層攻略法に注目】家邊克己が「メアジ」をアジングで狙う!in屋久島
今週は屋久島に行ってきました。
家邊克己 Yabe Katsumi プロフィール
屋久島にメアジを求めてアジング釣行
僕は海外も含め、随分と遠いところに行きますが全てアジを釣りに行っています。
本来なら屋久島まで行くなら、みなさんはGTやカンパチなど。内地で余り釣れない大きな魚を狙いに行かれると思います。
ですが、アジも同じ。ここにしかいないアジがいるのです。それが今回のターゲットであるメアジです。メアジは昔から四国にはいました。
僕が住んでいた高知では、トッパクアジと言われており、磯釣りなどの時に高知県西南部の沖ノ島辺りで時期になると良く釣れていました。
当時はグレ釣りの邪魔な外道でしたが、このアジと屋久島で釣れるメアジは少し違っていて、体高や目の大きさや厚さも違って太く分厚いです。
ですから、引き味が全く違ってフッキングすると暴走気味に走り回るのでメチャクチャ面白い。
僕が釣っていて感じた特徴は、居つくタイプではなくて回遊性で灯りに集まる習性が真鯵よりも強い。
あまり上下に動くような感じではなく、どちらかといえば平面的に動くタイプのようです。釣れるレンジがかなりシビアなのが特徴です。
良く釣れるのが、日本では屋久島と奄美大島と沖縄、海外ではシンガポールや台湾やマレーシア、タイでも釣れてビッグアイと呼ばれています。
食い方は吸い込むように食うのではなく、どちらかというと食いつき系の食い方です。
屋久島では結構川に入ってくるので、夕マヅメは川を狙って夜に港を撃つというのがパターン。
いざメアジを狙うが強風に悩まされる
この時期は川の水温が極端に落ちるので、川に入って来なくて夕まずめは残念ながら不発で夜にかけることに。
その日の満潮は20時過ぎだったので、20時半くらいにポイントに入りましたが結構風が吹いていて時折砂が舞い上がるくらいでした。
まぁ無風ベタ凪よりは魚の活性が上がってくれるので良いとはいえ、ちょっと吹きすぎのような(笑)。
厄介なことに追い風。灯りがついているのはこちら側だけなので、仕方なく準備を始めましたが、微かに時々どこかでライズをしているような音が聞こえます。
たまになので注視しないと分かりませんが、どうやら何かライズをしているようでした。
灯りを点けて海中を見ますがベイトらしき物は全く見えず、変わりに小さな白いプランクトンが見えます。
思い通り、食べているのはどうやらプランクトンのようでした。それを食べにライズしているということはド表層パターンということになり、そうするとこの風向きは最悪ということになります^^。
追い風だと表層に沖に流れる潮が起こるため、プランクトンが沖に流れていって、魚もそれを追うように沖へ離れてしまいます。
つまり、ポイントがドンドン遠くなってしまうので探る範囲が広くなります。
でも、自然現象なので仕方ない。
その状況で一番効果的な方法を探さないといけないので、ジグヘッドを「グリッターヘッド」(1.75g)にして投入点を明暗の境の5m沖と決め、そのラインから手前に探る範囲を限定しました。
サーティフォー公式「グリッターヘッド」詳細ページはこちら
表層を狙うのに1.75gを使用した理由は、追い風が結構強く吹いていて、しかも風除けになる障害物がポイントにあるので強弱がかなり激しく、軽いジグヘッドで表層を狙うと水圧がかかりません。
風に翻弄されて落ち着かないので、重くそして目立つグリッターヘッドを選択しました。
ではその時のタックルデータがこちら
ロッド:アドバンスメントUBR-510(Limited Version プロト)
ジグヘッド:グリッターヘッド(0.8g〜3.0g)
ワーム:シードラゴン3.0in(プロト)、パフネーク(ひまわり、そら、こうはく、ともしび他)
2パターンのライズについて
風以外は非常に釣りやすい状況だったのですが、表層のライズにはパターンが2つあります。
1つはベイトを追いかけ回して表層で食っている場合、もう1つはプランクトンが表層に漂っているのを下から狙って上がってきて食う場合。
前者は非常に簡単、表層で適当に目立たせればアタックしてきます。問題は今回のパターンである後者。最近は圧倒的にこちらの方が多く、ライズしているのに全く釣れないという声を沢山聞きます。
これは表層の20cmくらいから上に漂っているプランクトンを狙い、下から一気に上がってきて、また一気に潜るという食い方をしています。
プランクトンのある層しか狙っていないことになるので、ジグヘッドを50cmも沈めてしまうと完全に無視されます。
彼らはワームを食いにきているのではなく、表層に漂うプランクトンを食いにきているので、そのプランクトンの層の中にワームがあれば食いますが、そこからレンジが外れると無視されてしまいます。
つまり、ド表層10cmをキープする意識で釣らないといけないのです。
これが結構難しく、0.5g以下の軽いジグヘッドや「ゼログラヘッド」のようにゆっくり沈むジグヘッドを使えば簡単なのですが、1.0g以上になると釣り方でカバーしないといけない。
サーティフォー公式「ゼログラヘッド」詳細ページはこちら
ド表層の釣り方
巻いたら良いじゃないかと言われる方もおられますが、軽量ジグヘッドの場合はスローリトリーブを行っても表層をキープできますが、重量ジグヘッドだとかなり早く巻かないとレンジをキープできません。
早く巻くと下から浮き上がってくるアジと点でしかコンタクトできないので、コッツン、コッツン、アタルのにフッキングまで至らないのです。
このパターンの釣り方は、投入したのち着水まで待つのではなく、途中リールのベールを戻してラインが出るのを止めて強制着水をさせます。ロッドの角度は釣りを始める時の角度で待ちます。
そうすると着水と同時に釣り始めることができます、通常のように着水後にベールを戻すと、その間にジグヘッドは沈んでしまい、表層に戻すことができないのです。
後はロッド操作になります。
通常はテンションを張ったままゆっくりとロッドでさびくように引きますが、この場合にそれをすると少し沈んでしまうので、ティップ(穂先)を上に差し上げるようなイメージで持ち上げるようにします。そうするとジグヘッドは沈まずに表層を移動します。
通常のようにロッドを倒すやり方で表層をキープしようとすると、沈むのが早いのでキープできませんが、上に差し上げるようにすると表層キープさせれます。
強風ながらナイスサイズのメアジがヒット!
では、実釣の話に戻ります。
追い風に乗せると気持ちよく飛んでいきますが、それを20m先の明暗の境を超えた辺りでリールのベールを戻し、ボチャンと強制着水させてスグにトゥイッチを2回入れてロッドを上に上げるように操作します。
風が後ろからから吹くので、ラインが膨らみ持ち上げられそうになりますが、「グリッターヘッド」の重さで何とか位置をキープできている感じ。
風が吹いている間はラインの膨らみで「グリッターヘッド」は止まっているので、ロッドはそのままの位置でキープ、風が弱まった時にロッドを上にあげながら引いてくること3回。
ロッドを上げていると突然コッンと手にハッキリと感じる確かなアタリがあり、ロッドを上にあげている状況から通常のアワセ方をするのは難しいので、そのテンションを少し強く保っていると勝手にフッキングしてくれました。この時も一気に走り出し、屋久島のメアジらしい軽快な走りで沖で暴れ回ります。
本当にこいつの走りにはビックリする。僕は屋久島であまり小さなメアジを釣ったことがなく、いつも25cmを超えるサイズが釣れます。
ですので、ここのメアジの引きを味わうとクセになってしまうくらい走り回ります。特に30cmクラスになると、本当に半端なくて正に青物という感じに走り回ってくれる。
何度もドラグを引き出されながらも走り回ってくれて、手前に寄せてきたのはここの平均サイズの25cmの綺麗なメアジ。
まだ屋久島のメアジは食べた事がありませんが、他の地域のメアジよりも肥えているので美味しいのではないかと思うのですがクーラーを持っていないので海にお帰りいただきました。
その日はメアジがそのポイントに群れていたのか、1投1匹のペースで釣れ続くので「グリッターヘッド」を軽量の物に変えたり、ワームをテストしたりと色々と試すことができました。
メアジの好みや動かし方のパターンを学ぶには良い勉強になりました。
通常のジグヘッドよりも「グリッターヘッド」の方がメアジは絶対に反応が良く勝負が早い。
もう堪能するくらい釣れたのと馬力ある引きのせいで腕が鈍っていたので引き上げることにしたのですが最大は28cmまででました。
頑張れば尺超えもいたと思いますが、これくらいにしてやります(笑)。また、アジ以外にも外道でカマスなどが釣れたりと、メアジに限らず魚影も濃い屋久島。
もし屋久島に行かれることがあれば、モバイルロッドでもキャリーバッグに忍ばせてタックル持参で行かれることをオススメします。
絶対に内地では味わうことのできない引きを味わうことができますから。
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