今江克隆のルアーニュースクラブR「リールチューン二大巨匠の究極チューニングを斬る!LX922RS × LX922KTF」の巻 第1047回
「KAHENネオ」、「KAHENフィネス」
もっとも驚いたことは、今回の「KAHEN」は、「ネオ」、「フィネス」ともに、軽量プラグからスイムベイトまで、思いっきり振り切っても、逆に軽く振っても、極めて軽快でストレスのないフルキャスト性能を発揮したことだ。
これは「フルコンプLTXBF-8」では考えもしなかったことで、さらに強度に優れる「KAHENネオ」は14lbを70m巻けることから巻きモノ全般に存分に使えることを確信した。
そして「KAHENフィネス」も8lbを55mは巻けることから、4~7gのシャッドを投げてみたところ、その明確なフィーリング差はもはやデフォルトスプールに戻ることは到底、不可能だった。
TOP50遠賀川戦では、13lbを50m巻いて「ヘルターツイスター」や「I×Iシャッド」にも使ったが、ボートからなら糸巻き量は、むしろ「KAHENフィネス」ですら十分なレベルだった。
ゆえに現在、右巻き巻きモノ用リールは全て「ネオ」と「フィネス」に換装されている。
これは決してLXスプールのデフォルトが悪いといっているのではない。「LX992Z」と「KAHEN」スプールの相性が、あまりにも凄すぎたのだ。
やはり沢村プロの、並みのオタクとは次元が違う経験、実戦で鍛えられた感覚は、若手の武本君に強烈な刺激を与えたことだろう。
さらに、神チューン対決は続く……
だが、LXスプールを小径化し、一からリールの個体差に合わせてマグユニット、ローターとマグの距離設定まで自ら一台一台微調整するフルコンプのRSレフトは、バーサタイルベイトフィネスにおいてはポン付けフィネスをも上回る性能を持っているのも確かだ。
遠心系の弱点である飛行後半のブレーキレスなフィーリングは、予期せぬ失速には大きなトラブルを起こすこともある。
突き詰められたRSマグユニットと小径ゆえの慣性力の低さは、ルアーが飛行途中に予期せぬ障害物(枝や葉など)に触れて急失速してもお構いなく差し込んでしまう懐の深さを持っている。
自分はカバーの葉や枝にブチ当たっても、強引に奥へ差し込むパワーピッチスタイルなので、ベイトフィネスに関しては「LX922RS」が主機であることに変わりはない。
ただ、「LX992Z」が5月再入荷した時、沢村プロが「フルコンプしようか?」と言っていたことが不気味過ぎる。
だが、同時にREVIVEの武本君もLX用中深溝ポン付け巻きモノ用スプールを現在、開発しており、これがどんな性能を発揮するか、右巻き「LTZ930Pro」の巻きモノ中深溝が文句ナシに最高だっただけに、「KAHENネオ」を超える何かを出してくる可能性は高い。
また、小径の中深溝スプール(13lbで50m)も開発されており、「LX922RS」にこれを換装すればポン付けのフィネスを超えるフィネスプラグ巻きモノ性能を発揮する可能性は高い。
このリールチューナー二大巨匠(巨オタとも言う)の神チューン対決は、これからも目が離せないが、ワタクシにとっては最高の漁夫の利です(笑)。
※使用上の注意:「KAHEN」スプールを換装した場合、マグダイアルをMAX付近に設定しスプールを回すと、「KAHEN」ローターがマグ側に迫り出してマグネットに接触してしまい異音が発生します。ただ、「KAHEN」換装の場合、ダイアルは黄色マークのゼロポジションからCASTING方向に2~4ノッチ程度で十分効きますので、MAX付近を使う必要が全くなく、問題ありません。